中村安希

長い間世界各地を彷徨い歩いてきました。食べることが好きな旅人です。現在は山と湖に囲まれた自然豊かな地方都市で、雑種犬と暮らしています。 https://www.instagram.com/akinakamura22/

中村安希

長い間世界各地を彷徨い歩いてきました。食べることが好きな旅人です。現在は山と湖に囲まれた自然豊かな地方都市で、雑種犬と暮らしています。 https://www.instagram.com/akinakamura22/

    マガジン

    • ジビエ連絡帳〜鹿の解体と調理の記録〜

      近所で駆除された鹿や猪139頭を解体し、お肉を食べる(食べてもらう)活動を続けてきました。ジビエ肉をささっと調理し、おいしく食べるために挑戦したレシピなど、肉の取扱いに関する情報共有を目的としたマガジンです。

    • 日記

    最近の記事

    鹿の部位ごとの特徴とオススメの食べ方(1)

    鹿肉をほとんど食べたことがない友人・知人に肉を配ると、たいていは「どうやって食べたらいいの?」と聞かれます。気持ちはよく分かりますし、「こうやって食べたらいいよ」と一発回答できればいいのですが、実際に返答しようとすると、いつも「どこから説明しようか・・」と、途方に暮れてしまいます。というのも、鹿肉をどうやって食べるかは、それはもう部位ごとに全然違っているわけで、一言、二言で説明できるようなものではないからです。 ほとんどの場合、肉を受け取る側の頭の中には「鹿の肉」とか「ジビ

      • 鹿の蒸れ肉について

        以前アップした「料理をしない人にお肉のことはわからない」という記事の中で、「肉が煮える」という現象について少しだけですが触れたことがありました。主に鹿の後ろ脚、つまり太ももの肉と、時々ですが背中周りの肉(背ロース)に起きるトラブルについてです。

        • 本場の鹿カレー

          以前も作ったことがある鹿肉のスパイスカレーですが、前回は冷蔵庫の残り野菜を入れたりして、かなり大雑把に作りました。今回はスパイスや材料をきちんと計量して作りました。うちの味としての決定版レシピです。 私自身が旅先や留学先でたくさん食べてきた本場のカレーの味と、姉がネパール・インドでの8年間の修行中に食べ続けてきた現地のカレーの味。それぞれの思い出の味を、私たちの好みでミックスしました。でも、一番のヒントとなったのは、私たちがネパールで出会った友人のUちゃんのカレー。同じよう

          • 鹿肉の調理と食の文化的背景について

            時に、臭い、硬い、と敬遠されることのある鹿の肉を、なんとかして美味しく食べられないものかと試行錯誤を重ねてきました。一般家庭で簡単に調理し、食卓で違和感なく食べ続けられるような食べ方を見つけ出そうと、私自身だけでなく、お肉をお配りした皆さんにもご協力いただいて、いろいろな食べ方を試してきました。 知人たちからの「こうやって食べたよ」という提案は興味深いものばかりで、私もたくさん真似させてもらいましたし、noteでもレシピを紹介してきました。ただ、そうした中で次第に強まってい

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            鹿のスウェーデン風ミートボール

            今回はグレイビーソースをたっぷりとかけたスウェーデン風ミートボールを作ってみました。スウェーデンの伝統料理ではないらしいですが、IKEAスタイルなので、まあスウェーデン風ということでいいのかなと思います。私もIKEAで食べたことがきっかけで、いつか鹿肉でも作ってみたいと思っていました。今回は粗挽きのミンチを使って作りました。一度作ってみて、十分に美味しかったのですが、あと一歩のところでもう少しだけ調整したいと感じ、改めて作り直しました。1週間で2度も同じものを作って、900グ

            鹿の精肉処理に役立った13の道具

            2020年に初めて鹿を解体し精肉にして以来、予算の許す範囲内で道具を買い揃え、使い心地を試してきました。今では、ほとんどの部位をキレイに処理して真空保存できるようになりました。 猟友会のメンバーなど、猟師さんの間では、長年引き継がれてきた精肉処理の方法があると思いますし、食肉加工業を仕事にされている方であれば、衛生基準の高い処理法や生産効率の良い道具をたくさん持っていらっしゃると思います。ですのでこの記事では、私のような一般人(駆除された鹿を趣味で精肉処理して食べている素人

            鹿の解体に役立った10の道具

            2020年から鹿(猪)を解体するようになって3年になりますが、普段から使っている(または使っていた)道具類のうち、役立ったものを紹介していきたいと思います。 猟友会で活動されている方(猟期に山で狩猟をしている方)や、解体処理を仕事にされている方(解体処理場を持っている方)の場合は、作業環境から処理方法や道具まで、全然違っていると思います。ですのでこの記事では、私のような一般人(駆除された害獣を近所でバラしている素人)が、突然鹿を目の前に差し出された時に役立つ10の道具(装備

            捨てられる肉を有効利用するために、私たちにできること

            駆除された野生獣(主に鹿)を解体処理する活動を始めて、この夏で3年になります。初年度はたくさん解体しましたが、猟師さんの年齢や体調のこともあり、最近はたまに出動する程度です。それでも139頭(2023年4月現在)を解体、精肉、調理し、500キロを超える大量のお肉を無償で配り、またnoteに体験談を書いてきたことで、害獣や鹿肉についての理解は、私の中でも、また周囲の人たちの中でも多少は深まってきたと思います。 noteの記事を読んでくださった方や、噂を聞いたという方から、「自

            鹿のシェパーズパイ

            今回はシェパーズパイのレシピです。以前、近所の方に大きなカボチャをいただいた時に、じゃがいもの代わりにカボチャのマッシュを使って「シェパーズパイもどき」を作ったことがありました。まあまあの出来だったと思いますが、今度こそマッシュポテトを使って、シェパーズパイを作りました。

            鹿の脚の分解図(まえ脚、うしろ脚)

            鹿の解体作業が終わると、次に精肉作業が待っています。おおまかにバラしたパーツを持ち帰り、骨からはずして細かく分別していく作業です。もちろん、大きな筋肉以外にも、内臓や肋骨周り(リブ)まで、あらゆる部位が食用となるわけですが、ここでは身近で人気のある部位として、まえ脚とうしろ脚を分解していきたいと思います。 私自身、解体を始めた当初は、「身と骨とスジ」ぐらいの大雑把な認識しかなく、適当に切り分けた肉塊を配っていました。ただ、何十頭も解体して肉を配り、自らも食べているうちに、効

            目次『ジビエ連絡帳〜鹿の解体と調理の記録』

            目次体験したこと、考えたこと(2020年8月〜) 獣の解体を始めて3ヶ月。鹿&猪を36頭バラした今、思うこと。 「余すところなく食べる」とは、どういうことかを考えてみた。 脱貨幣経済、やってみた。 それはお金で買えますか? 喜ばれる肉、嫌がられる肉、鹿の肉。 贈与ではなく、そもそも返礼から始まったこと。 着払いになんてされてたまるか!(笑) 料理をしない人にお肉のことは分からない コスパ最高!の先にあるもの 獣の解体3年目。鹿&猪を127頭さばいて食べた今

            狩猟免許試験に確実に合格する方法

            狩猟免許試験に確実に一発合格したい人に向けて、エントリーを書くことにしました。私自身が2020年に滋賀県で取得した「わな猟」の狩猟免許試験での経験をもとにしています。(他県のことは分かりませんが、それほど違いはないと思われます) 私は今のところ狩猟はしませんので免許は必要ないのですが、解体作業でお世話になっていた栗田さんや、付き合いのあった猟友会の方々の勧めで受験しました。解体作業をやる以上、狩猟に関する最低限の知識は持っておいた方がいいと思いましたし、何かの事情で「自分の

            鹿とポテトのパイ

            今回は鹿とポテトのパイを作りました。以前にも鹿肉のパイは作ったことがありましたが、今回はミンサーを使わず、お肉にゴロっと感を出したり、ポテトを加えたりして、中の具を変えてみました。

            鹿キンパ

            今回は鹿のスライス肉を使ってキンパを作りました。このアイデアはずっと前からあったのですが、ナムル作るの面倒やな・・・と思っているうちに、こんな年末になってしまいました。

            鹿の煮込みハンバーグ

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            獣の解体3年目。今思うことの続き・・・

            2日前の記事『獣の解体3年目。鹿&猪127頭をさばいて食べた今、思うこと』の続きです。ただし記事をアップした直後に電話があって、その日の午後は鹿を解体、分解、処理、真空パック化に追われていました。2歳くらいの雄鹿でした。ですので今日の記事は、127じゃなくて128頭をさばいて食べた今、思うことです。 4、お肉配りのハードルと方向転換 3年目を迎えて、お肉配りにも新たな変化が起きています。近隣、遠方を問わず、とにかくお肉を配り(送り)まくった1年目。肉の配布先(送り先)を、