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選手がケガをしたときの適切なリハビリ・考え方について

こんにちは、秋元信博(@kumagaya_sports)です。

当院(熊谷スポーツフレア整骨院)には、身体のケアやパフォーマンス向上目的で通う学生~大人のアスリートも多数いますが、そういった人たちがケガをしたときに適切なリハビリの内容や進め方で悩む人は多いと思います。

先月辺りにも、当院に通っている中学生の女子ランナーがケガをしてしまったのですが『それでも走りたい!!』という本人の意見に対して、どのように対応するのが適切か??…というのをすごく悩みました。

今回の記事では、そんな僕の実体験も交えながら、選手がケガをしたときの適切なリハビリ・考え方について解説していきます。


ケガをしたことで“プラスに転じる”こととは??

先ほどの女子ランナーに対して『今はベストな形で走ることは難しいから、筋トレをメインに頑張っていこうね』と言っても、結局本人の意向で走ってしまう…。

それは、走れない期間に体力が落ちたらどうしようとか、周りに追い越されてしまったらどうしようとか…そういった不安が本人には強く募っていたそうです。

ランナーにとっての不安要素

もちろん気持ちはよく分かるし、なるべく早く復帰させたいとも考えます。

しかし、「体力低下」も「周りに追い越される」も、いずれもマイナスな面ばかり追っていますよね??こうしたときに大切なのが“発想の転換”です。

つまり、ケガをしたことで“プラスに転じる”こととは何か??…を考えるというもの。

このような話を相手にするときに、よく引き合いに出すのがフィギュアスケートの高橋大輔さんのエピソードです。


ケガをしたから分かること

高橋大輔(たかはしだいすけ)

誰もが知っている高橋大輔さんですが、現役時代の2008年~2009年シーズンで右膝前十字靭帯断裂という大怪我により、1年間の休養及び選手生命の危機に陥った時期がありました。

しかし、そこからリハビリを経てパフォーマンスを上げて大会に臨み、世界大会で見事優勝して表彰台に上がる…という感動のストーリーで世界を魅了しましたよね。


…話を戻しますが。


普段の練習では、余程いいトレーナーがついていたり、いつもの型と違う動きやトレーニングをしない限りは、いつもの『この練習をしていくんだ』という、決めた方向性や練習方法でやる人が大半を占めるはずです。

そうすると、同じ筋肉・神経しか使わないから、対応力や器用さという幅がどんどん失われていくことにもなりかねません。

なので、ケガをしたことによって、その部位が普段ものすごく負担が掛かっていたのが分かったり、使い過ぎていたことに気が付くことができる…とも捉えることができます。

もっと分かりやすく表記するなら…

ケガをした部位が使えない

そこ以外の部位を使うしかない

今まで使えていなかったところが使えるようになってくる

全体的なパフォーマンスの総量が上がる

という感じ。

結果として、ケガをしたところのマイナス面は残ってはいても、他の底上げができて総合点が上がっている…というようなイメージをすると良いと思います。

そうすると、ケガをしたことが“良いこと”とまでは決して言えませんが、結局ケガをしたところ以外の部位を使うことで、全体的なパフォーマンスが上がっていく…ということは、逆に言えば「必然」とも言えるわけです。


実際に指導した声かけの内容

冒頭でお伝えしたケガをした中学生に対して『ケガをした部位に対してリハビリをしていこう』というのはもちろんですが、他の部分を動かしていくことも大事と伝えつつ色んなバリエーションのトレーニングを加えることで、相手も楽しんで取り組みやすくなります。

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