見出し画像

旅のはじまり。ロンドンからスペインへ。

>> アラサー女子2ヶ月半のヨーロッパ旅の記録。旅の前置きはこちら。<<


2019年1月26日(土)、1年半住んだロンドンを出発。

前日は、最後半日だけオフィス勤務。その後、ロンドンで本当に仲良くしてくれた友達2人との別れを惜しんで、夜中までSOHOで飲み歩いた。異国の地で出会った友達は、いろんな苦労を分かち合って、助け合ってきた本当に特別存在だ。これからお互い別々の国に住む中で、こんな風に3人で飲みに行ける日は一体いつ来るのだろう。

そんなことを考えると少し悲しくなるけれど、奇跡的な出会いをもたらしてくれたロンドンに改めてありがとう!と言いたくなる。そんな思いが募る中、最後にもう1件入ろう、っと言って初めて入った素敵なパブの音楽が忘れられない。ああ、ロンドンが本当に好きだ!


そんなこんなで、出発日の朝はバタバタ。

まだ完全に片付いていなかった自分の部屋を大掃除。事前にいろいろ日本に荷物は送っておいたけれど、まだまだものが残っている。

旅に持っていけないけれど使えそうなルームメイトにそのまま渡すことにした。キッチン用品(しゃもじや箸、残った米)等は日本人が来た時のために残し、荷物に入りきらなかったけど愛用していたナイキのパーカーは一番仲良くしていたインド人のルームメイトにあげた。


これから2ヶ月一緒に旅をするのは、3-4泊用のスーツケースとバイオリンケースだけ。バイオリンを背負ってスーツケースを引くだけでかなり体には負担なので、自分の荷物は限界まで減らした。

画像1

▲ロンドンで購入したバイオリンと小さなスーツケース(後日パリで撮影)

昼前。いよいよ荷物を持って家を出る。


最後までいてくれたルームメイトに鍵を預け、ハグをして別れる。

4ヶ月しか住んで、大分住み慣れた家。毎日ここに帰ってきていたのに、もうここに帰って来なくなるなんて不思議だ。


最初は Gatwick空港からMalaga行きのフライトに乗る。Gatwick空港に出やすいOverground(地上電車)の駅に行くために、最後のロンドンバス。

画像2

▲住んでいた家から4分ほどのところにあるバス停(最終日に撮影)


なぜか緊張して、Gatwick空港にはフライトの3時間程前に着いてしまった。お世話になった先生や友達に最後のメッセージを送る。フライトを待ちながら、今回の旅について、改めて考えることにした。


今回の旅の目的は、日本での日常に戻る前に、「ヨーロッパでやりたかったことを気が赴くままにやる」こと。ロンドンの空港を出る時点では、最初の目的地であるマラガ、その次のグラナダ宿泊先だけ決めて、それ以外は現地で考えることにしていたのである。

留学で、折角ロンドンで1年半住むことができたものの、大学院の課題や仕事のことがいつも不安で、あまりヨーロッパを旅することはできなかった。修論の提出後、5日だけフランスへ遊びに行った時、フランスの食文化や景色に感動し、「仕事をしてお金を貯めたら、日本に帰る前にもう一度フランスに来よう」と決めていた。フランス語を学びたかったのと、現地の人と交流をしたかった私は、語学学校に入りながらボランティアでもできたら最高だな、と漠然と思っていた。

フランスで多くの時間を過ごそうとは思っていたものの、まだ未踏の地であるスペイン・ポルトガルも見逃すことはできなかった。ロンドンの冬に辟易としてた私は、冬でも暖かい南スペインで太陽を浴びたい、という欲求に駆られていた。アルハンブラ宮殿のあるグラナダにはいつか行ってみたいと思っていたこともあり、まずはスペインから入ろうかな、という漠然とした計画で、マラガ行きのチケットを予約した。ヨーロッパには格安航空がたくさんあるものの、都市によってフライトの頻度も価格も違う。ロンドンからマラガに行くフライトは多く、チケットも33ポンド(5,000円程度)とリーズナブルだった。最終的にパリで多くの時間を過ごしたいと考えたとき、南スペイン・ポルトガルあたりだと、リスボンからパリに向かうルートが安く、楽器も客室に持っていけそうだとわかったので、のちにリスボン経由でパリに向かうことにした。

もちろん、人生の夏休みのクライマックスと言えど、旅行を好きなだけするわけにはいかない。留学で今までの貯金は使い果たしたし、日本に帰ってからの仕事も決まっていない。出発までにロンドンで働きながら貯めてきた費用は、2ヶ月間質素な旅を続けられるお金と、帰りの飛行機代程度だった。家族や今後の就職のことも考え、なんとなく4月頭には東京に帰ろう、と決めていた。

時間や予算の制限はあるものの、自分で好きに使っていい2ヶ月。私は一体旅先で何に出会い、何をして過ごすのだろう。マラガに飛ぶ飛行機の中では、仕事や学業から解放され、今まで感じたこともない高揚と少しの不安が入り混じった気持ちだった。


>> 読んでいただきありがとうございました。次回(南スペインの旅)に続きます。<<










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?