見出し画像

怖い話。ホント!

30年前私はうつの真っ只中だった。
病院に通い大量の薬を処方されていたが、一向に善くなる気配もなく、辛い日々を送っていた。

そんな私を心配し、妹がある霊能者を紹介してくれた。
その方は、妹が定期的に通っていた整体の、先生のお母様だった。

先生のお母様は地方に住んでいたが、毎月1日だけ恵比寿の整体室に来て、心身に重い悩みを持つ人の相談を受けていた。

通院と処方薬でなかなか改善されない私のうつに、妹は色々と考えてくれていた。

日頃から私も妹も、心霊や、神や仏の力を信じていたので、霊能者に視てもらうという方法は自然なことだった。

そのお母様に、初めて視てもらえる日のことだった。
私は相変わらずうつと、薬の副作用にぐったりとしていた。
そんな私を、妹と母がやっとの思いで、恵比寿の整体室に連れて行ってくれた。

その頃の私はうつの他に、いつも背中にある違和感を持っていた。
痛みや痒みではない、変な疼きを感じていた。
その感覚を私は、背中に見えない剣が刺さっているようなイメージでとらえていた。

でも、それを誰かに言おうとは思わなかった。
誰も信じてくれないだろうし、私にも信じられないものだったから。

初めてお会いした霊能者という方は、外見はいたって普通の年配の女性だった。
素朴で優しく私を迎えてくださった。

ぐったりしている私の代わりに妹が、重いうつに辛い思いをしていること、通院と処方薬ではなかなか改善されないことを、霊能者に伝えてくれた。

霊能者は、そんな妹の説明を聞き終わらないうちに、私の背中を撫で始めた。
その感覚は、優しくマッサージをされているような、とても心地よいものだった。

背中を撫でるだけではなく、腕を持ち上げたり揉んだりと30分ほど施術をしてもらった。

…つづく…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?