夜半から降り出した雨がずっと降り続いて すっかり季節を急ぎ足で進めてる。 そんな日は思索に耽るのがいいと 勝手に思ってるわけです。 平成29年11月15日に私は会社を設立しました。 名前は「株式会社 花夢威」 なんてことはない、私一人の小さな会社です。 名前を決めるとき、色んな候補があったのですが そもそも私の初志を思うなら 北を思う名前がいい。 でも神居とか神威とかはあまりに畏れ多いというか 要は株式会社神社みたいな名前には出来ないし そこで「花夢威」と致しました。 「夢
(4) どうしよう? どうしたらいい? こんな格好で、ガタイのいい男と、部屋で二人っきり。 とにかく離れよう。 わたしはそおっと廊下を奥に向かおうと背中を向けた。 すると 「エミさん、どうしました?」 どうする? なんていえばいい? 「……あ、いや、お茶でも入れようかなぁって」 わたし、声震えてなかった? 「いえ、気を使わないで下さいね。すぐに終わりますから」 「い、いや、そそそそそんな訳には……」 わたしの背後で「カチャ」という音がして
(3) いや待て。冷静になろう。まずは深呼吸。 考え直せ。ガタッと音がしたことと靴下が消えたこと。 今起こってるのはこの二つだけ。 確かにわたししかいないこの部屋で わたし以外に音を立てる者はいないし 靴下を持っていく者もわたししかいない。 でも玄関の鍵を掛けていれば わたし以外がこの部屋に入れるはずがないじゃない? そうよ。 そしてもし、鍵が開いてたら……全力で逃げ出すの。 裸で? ……パンツは履いてる。 やっぱりブラぐらいした方
(2) 『ホント、できないよね。簡単なことが』 突如その日の最悪な声が頭の中で再生されたのだ。 わたしの上司、オオツボネイコの声。 脳内再生だからシャワーの音にも邪魔されない。 何年もこの業界で残ってきたから仕事はできるんだろうけど 優しさのカケラもなく、言葉に容赦がない。 グサグサと人の心に差し込んでくる。 でも、自分のミスのせいだから言い返せない。 頑張ってミスしないで仕事した時だって 『ナニ? できて当たり前だから。褒めて下さいって顔、やめた方がい
(小説 作・岩崎与夛朗 全1022文字=400字詰原稿用紙約3枚相当) (1) 深夜0時半過ぎ。 マンションの5階の部屋の前に立つわたし。 「はぁ……」 終電を降りて、今日一日の疲れを肩に乗せて 駅から一人重い足を引きずって帰ってきて そういうの全部吐き出してから 部屋の重たい扉をわたしは開けたのね。 ううん。別にドアは重たくないんだけど 今のわたしはとにかくそう感じたのよ。 「はぁ……よいしょっと……」 玄関に荷物を置いて、電気を点けて ブーツ
さて、坂本龍馬という人物について皆さんはどれ程ご存知でしょうか? 幕末維新の志士で最も有名な人物といってもいいのでしょうが、いざ「どんな人なの?」となると結構曖昧なのかもしれません。 彼の「偉業」といえるものとしては ・薩長同盟 ・大政奉還 ・船中八策 ・日本初のカンパニー設立 ・日本初の海難事故裁判 などが挙げられますが大政奉還にしても彼自身が直接関わったわけではなく、明治新政府の指針ともいえる船中八策も直接的な建白書では無いため、彼がいなければ維新が成し遂げられなかった