2022年について
動画制作業ですが、2022年は全体的に停滞していました。21年は運用やマネジメントがメインだったのが、22年は不景気のあおりで自分で手を動かさざるを得なくなり、非常にコスパの悪い1年でした。
運用やマネジメントができることは、クライアントや会社からリソースを「前借り」できている状態だといえます。予算以上の金額が目の前にあるようなもので、それをコントロールできることに手応えを感じ、成功と失敗を積み重ね、可視化された成果をもとに報酬が得られる。
改めて自分のキャリアの軸を見直すと「会社を利用できなくなった」から不満が溜まったり、転職に至るケースがあることに気づきました。営業やコミュニケーション力で仕事を探すのがあまり得意ではないので、なるべく最初からリソースが大きいポジションで仕事をしたい。
テレビ東京の高橋弘樹プロデューサーが「テレ東はATM」と表現しているのがとても核心的です。
しかし、そのような環境を手に入れられるのはほんの一部。キー局や大手代理店の社員ディレクターやプロデューサーの採用は、中途ではめったにありません。あっても相当ハードルが高い。
お正月にNHK『あたらしいテレビ』で、若手ディレクターの座談会がありました。内容はともかく、仕方がないけど違和感があったのが全員「キー局」だったこと。
自分はテレビ制作会社の出身なので、局に企画を通し、放送枠を確保し、予算やキャスティングを実現させるハードルの高さを理解しています。
下請け的なポジションでこなした方が楽かもしれないが、それに争いながら、YouTubeではなくテレビにこだわる、しかし局員でない作り手の声も聞いてみたい。
とはいえ、そんな特権の中でも息苦しさを感じる作り手も少なくなく、退社・移籍のニュースも目立ちました。フリーランスやタレント以外の選択肢と、知名度やノウハウが欲しい新規メディアとのニーズが一致したということでしょうか。
以前「中間のメディア」構想について書きましたが、このような人材移動の流れはそれに向かってるのかもしれないし、「作りたいものが作れて生活が営める」ポジションが、もっと増えてほしいと思っています。
2022年は「資本主義め…」って感じの1年でしたが、今年の目標は「なるべく手を動かさない」ことです。
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