0331/このママでは、
私は私のことでいっぱいになりたかった。
なりきれないまま、いい歳になった。
自分のことでいっぱいになれる人、駆け抜けている人と結婚をした。私が隣でずっとでみていたいと思ったからだ。応援していようと。応援、じゃなくて本当はライバルに、なりたいのだが。
「自分のことよりもつい誰かのことを心配してしまう」そんな私が好きだと彼は言う。
それは一見私のいい所であると同時に、
弱さを隠すための癖のような気もしている。
そうして子供を授かって、いまお腹の中でわたしの意思と別の「自分の意思」でパタパタと動いている生き物に、とりあえず身体的に振り回されている。きっとここから先はもっともっと、私はこの子に振り回されるのだろう。
それは、もうしょうがない。
もうしょうがないし、幸福なことだ。
それにホッとしている「私」もいて、
どこかで「私は、」と、焦っている。
地方の大学に行っている21歳の妹が遊びに来た。特にやりたい事があるわけではないが、なんとなく院進しようか、就職するか、進路で悩んでいると話を聞いた。
女性が思いっきり仕事をしたり夢を追っかけたりする「はじまり」を掴むための時間は意外と短い、意外と短いかもしれないよ、とついつい熱が入った。
妹と私は7つ歳が離れている。
もちろんこの先だってなんだってできるって信じてる。遅すぎるなんてことはない。
でも、妹はこれからの7年間でなんとでもなるし、学生のうちはリスクもとても低い。だから、いま、めんどくさいから「何となく」にするのは本当にだめだ、と、なぜか、なぜか焦りながら伝えた。
「もったいない」と何度も言った。
私は私の人生のことを愛しているけれど、どこか、どこか、満たしきれていない「自分のこと」があることは薄々感じながらも、ぬるま湯に浸かりながら、となりの男を見守りながら、おのれの自尊心を守っている。
このママじゃだめだ、強くならなきゃ。
#妊婦 #日記 #コラム #エッセイ #ちあきろく #12週目 #マタニティーブルース なのか #夫婦 #女性 (左ききのエレンの光一が羨ましかった)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?