シェア
山羊アキミチ
2022年6月28日 22:24
私が人魚だった頃私は海の中をたったひとりで泳いでいました。ハミングが遠のいていく。いつも同じ声が木霊して。海月が天に召されるようなあぶくがわきあがる。私は追いつけないとわかっているのに海の中を泳いで手を伸ばしている。ここ最近は毎晩のように同じ夢をみる。目を覚ますとタオルケットは足に絡まり、扇風機が首を左右に振って回っている。生ぬるい風が汗で額にくっついた前髪を糊付けする