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モンテッソーリの基盤にあるもの

AMI東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターで印象的だった実践的なトレーニングがあります。
それは『霊長類の観察』です。
約24時間観察をします。
その時、母猿と子猿の関わり合いや子猿が母猿を真似る瞬間など分析的な動き1つ1つに感動したのを覚えています。
このようにモンテッソーリ教育の創立者であるマリア・モンテッソーリは「観察力」をとても重視しています。
では、子どもへの観察の基盤となるのは何か?
それは子ども自身を理解する、ということです。
観察は、「子どもの理解者になる」ということです。
保育者が子どもを理解している状態での観察は、自分にも子どもにも安心感を与えるのです。
子どもの行動や言動の「なぜそうするのか」を根本的に理解しているので、安心感の中で子どもを見守ることができます。
その保育者の安心感が子どもにそのまま伝わります。
安心感を感じると、子どもたちは自ら自分の発達を信頼し自分にとっての最高な状態を自分で創り出していきます。
保育者の子どもへの観察力の基盤には、今目の前にいる、世界でたったひとりの子ども自身を理解していることがあります。
子ども自身を知らないまま観察をした場合、今、目の前の子どもの行動の意味が分からず、観察をしながら不安や疑問、心配の気持ちが増えていきます。
それはもう観察ではなく、ただ心配な眼差しを子どもに向けている状態となります。
子どもはそれを敏感に感じ取ります。
そして気をつける点は、本や講義から学んで取り入れた「発達段階」という一般理論に子どもを寄せて観察をしてはいけない、ということです。
外側のデータから知り得た発達段階という情報を基準にしてしまうと、子どもの発達が早い遅いか、データと子どもの相違点に意識がいってしまい、観察ではなく監視するようになります。子どもを評価するようになります。
子どもの姿そのままが正しいので、学んだことにとらわれないこと。


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