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なぜ、保険代理店を開業したのか

2023年秋、某外資系保険会社を退職しました。前職では、営業として2年間経験を積み、その後営業所長として採用や育成に従事していました。ありがたいことに、それなりの成果を挙げ、退職に疑問を持つ人もいたかもしれません。

起業の道を選んだ理由は「本当にやりたいことを追求するため」ですが、初心を忘れないためにも詳細を書いておきます。

※このコラムでは、保険業界における顧客層を参照しています。ここでの「資産家」とは、特に大きな資産を持つ個人を指し、「一般個人」とは、それ以外の幅広い顧客層を指します。この分類は、保険業界の市場構造を理解するための枠組みであり、個人の価値や重要性を区別する意図はありません。私自身も、この幅広い顧客層の一員として、保険業界の視点から市場の構造と動向について考察しています。

保険ビジネスの矛盾への挑戦

前職の理念、好きでした。
『経済的な保障と心の平和を届ける』という理念には共感してましたし、それをライフプランナー(担当者)という形で「生涯にわたりパーソナルなサービスを届ける」というのも共感していました。すごく良い会社だと思います。現在行っている仕事も、この価値観は変わりません。

ただ、ここで思うのが、誰に対して経済的な保障と心の平和、また生涯にわたるパーソナルなサービスを届けるのか?という点です。

後述しますが、保険業界の収益構造を考えると、ビジネス目標として追求する市場と、本来支援すべき市場との間に、時代の変化と社会の格差拡大により、ますます大きな隔たりが生じています。これは保険ビジネスにおける一つの矛盾と言えます。以下、その具体例を挙げます。

保険は、資金が必要な時に、自分や他人からの調達が困難な状況で、特に重要な役割を果たします。例えば、家族の生計を支えるための資金、病気や怪我で働けなくなった時のための資金、老後や介護に必要な資金などです。これらのリスクに対して、国の保障や自己の貯蓄だけで対処できるかどうかは、多くの一般個人にとって大きな課題です。一方で、資金に余裕のある人々にとっては、これらのリスクは比較的小さいものです(それでも彼らは別のリスク管理の一環として保険に加入することがあります)。

しかし、保険は資金に余裕のない「一般個人」にとっては重要な安全網である一方で、保険料の支払いが家計にとって大きな負担となることもあります。そのため、保険を設計する際には、顧客の実情に寄り添うことが非常に重要です。

一方、保険業界では、大きな資産を持つ人々が高額な保険料を支払うことで、収益の大きな部分を占めています。このため、多くの保険会社や保険代理店は、高額な保険料を支払うことができる顧客層に注力しています。

このように、保険業界には、本来支援すべき人々とビジネスモデルの間に矛盾が生じることがあります。この矛盾に対処し、より多くの人々に真に必要な保障を提供することは、業界全体にとって重要な課題です。しかし、大きな保険会社に属していると、既存のビジネス構造や方針に縛られ、この課題に十分に取り組むことが難しいこともあります。

この状況を打破し、より柔軟かつ個々のニーズに寄り添ったサービスを提供するために、私は保険会社を辞め、独立した保険代理店を開業する決断をしました。この新しい立場から、一歩一歩、顧客の真のニーズに応え、業界に存在する矛盾に挑戦していく所存です。

経済的安心と心の平和を個々に届ける

保険ビジネスには矛盾が存在します。これに対峙するため、私は独立し、従来の保険販売に加えて、以下の点にも注力しています:

  • 保険販売を超えた新しいビジネスモデルの探求

  • 顧客単価に依存する報酬制度の見直し

  • 個人が保険を考える際の新しい仕組みの開発

これらは、従来の金融機関に属していたら実現できないことです。

私の目指すのは、経済的な安心を提供し、それによって人々が平穏で幸せな生活を送れるようにすることです。お金の問題が原因で心身の健康を害したり、人間関係がうまく築けなかったりすることが少なくなることを願っています。そのために、私は一人一人に合った情報提供と、信頼できるパートナーとしての役割を果たしたいと考えています。

お金は、人生の幸不幸に大きく影響します。だからこそ、個々のニーズに合わせた適切な情報とサポートが必要です。私の進むスピードはウサギよりもカメかもしれませんが、一歩一歩、丁寧に、そして確実に、この使命を果たしていきたいと思います。


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