記事一覧

米国にHuret #800を追って

はじめに 米国Schwinn向けに輸出されたHuret部品、特にフロントディレイラーの#800型を追ってみたい。 Schwinnについて 1835年 シカゴで創業した米国の自転車メーカー…

Aki
6か月前

Huretフロントディレイラーの考察その2

今回はHuretの代表的なFDとなる#700について考察していきたいと思います。#700には大きく分けて、4種あると思われます。 初期#700 Luxe#700 総メッキ Luxe#700 黒バッチ …

Aki
7か月前

Huretフロントディレイラーの考察その1

はじめに フロントディレイラーについて、ある程度考察がまとまったので、書き始めよう。 対象はパンタグラフ式のフロントディレイラーのみ。 考察その1は#600の初期型と…

Aki
7か月前
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Huret Successの変遷

はじめに Huret Successにもいくつか変遷があるのでまとめておく。 Sachsではない、Huret刻印のSuccessにはSuper Successを含めて5種類が確認出来る。それぞれの登場年を…

Aki
8か月前

Huret Jubileeのモデル差分

はじめに 先の記事にJubileeには10種類あると書いたが、それぞれの差分を実物の写真を載せてまとめてみたい。基本的に差分が逆に戻ることはないが、ピボットボルト径のみ…

Aki
8か月前
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Huret Jubilee RDのモデル変遷

初めに Jubileeは1972年に発表されたHuret社のフラッグシップモデルのディレイラー。 それまでは、スチール製のLuxeがフラッグシップであったが、軽合金製のJubileeがそれ…

Aki
8か月前
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フロントバッグの製作その5

2.帆布の型紙 2.2. サイドの型紙 Ver.3s 高さ280mm用のサイドの型紙です。このサイドにかなりのギミックが詰め込まれています。 型紙の上部から説明していきます。 a: 上…

Aki
1年前

フロントバッグの製作その4

さて、いよいよ型紙を。 1.皮革の型紙 2.帆布の型紙 1-1. トップふた、ファスナー部分 この図の右側にトップのふたのファスナーがつく皮革です。ファスナー用のスリッ…

Aki
1年前

フロントバッグの製作その3

割り付け図 帆布を切り出す際に、パーツの並びを考えてなるべく効率よく配置します。 帆布は大体92cm幅なのと、生地に縦横がないので、ポケットの生地は90度回転しています…

Aki
1年前

フロントバッグの製作その2

サイズの検討 まずは、サイズの検討。横軸は奥行き、縦軸は高さ。🔵はGilles Berthoudのシリーズ。黄色❌は犬印、緑🟩は自作シリーズ。 大雑把に分けて、フランスタイプは…

Aki
1年前
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フロントバッグの製作

Twitterやインスタにも掲載しているのですが、キャプションぐらいであまりコメントを残すことが出来ていなかったので、noteで書いてみます。 目次 1.どんなフロントバッ…

Aki
1年前
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米国にHuret #800を追って

米国にHuret #800を追って

はじめに

米国Schwinn向けに輸出されたHuret部品、特にフロントディレイラーの#800型を追ってみたい。

Schwinnについて

1835年 シカゴで創業した米国の自転車メーカー。
小径ホイールにチョッパーハンドル、バナナサドルが特徴的な ”Stingray” が 60-70年代に爆発的に売れた。純レーサーモデルの"Parammount"はナベラグが採用されており、現在でも魅力あるモ

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Huretフロントディレイラーの考察その2

Huretフロントディレイラーの考察その2

今回はHuretの代表的なFDとなる#700について考察していきたいと思います。#700には大きく分けて、4種あると思われます。
初期#700
Luxe#700 総メッキ
Luxe#700 黒バッチ 総メッキ
後期#700(網)
#700の登場

1967年にLuxe RDと同時に登場していて、FR, RD, WLのセットで#2170という型番になっています。(箱に#2170とスタンプされている

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Huretフロントディレイラーの考察その1

Huretフロントディレイラーの考察その1

はじめに

フロントディレイラーについて、ある程度考察がまとまったので、書き始めよう。
対象はパンタグラフ式のフロントディレイラーのみ。
考察その1は#600の初期型とAllvit型とその派生品についてです。

Allvit, Svelto, LuxeとSchwinn, Sprintを年表に並べてみた。SchwinnとSprintはAllvitとのつながりを可視化したいために追加してある。

パン

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Huret Successの変遷

Huret Successの変遷

はじめに

Huret Successにもいくつか変遷があるのでまとめておく。
Sachsではない、Huret刻印のSuccessにはSuper Successを含めて5種類が確認出来る。それぞれの登場年を以下にまとめる。

1975年 : 初期型
1978年 : 2次型(シャフト#2156TL)
1979年 : 3次型(アームリブ付き、アダプタ付き)
1980年 : Super Success初

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Huret Jubileeのモデル差分

Huret Jubileeのモデル差分

はじめに

先の記事にJubileeには10種類あると書いたが、それぞれの差分を実物の写真を載せてまとめてみたい。基本的に差分が逆に戻ることはないが、ピボットボルト径のみが先祖返りする。
また、1980年以降の最大歯数24Tのモデルは不明だが、おそらく1979年版の#2200ボディベースのものであろう、こういった明示されていないが流通していたモデルも可能性がある。
ロングケージについては、最終型ま

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Huret Jubilee RDのモデル変遷

Huret Jubilee RDのモデル変遷

初めに

Jubileeは1972年に発表されたHuret社のフラッグシップモデルのディレイラー。
それまでは、スチール製のLuxeがフラッグシップであったが、軽合金製のJubileeがそれに取って変わった。
1972年から80年代半ばまで製造されたが、少しづつ改良を重ねている。分類のためにこのNoteにまとめてみる。

1972年に発表されたモデル

初期のディレイラーインストラクションより

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フロントバッグの製作その5

2.帆布の型紙
2.2. サイドの型紙
Ver.3s 高さ280mm用のサイドの型紙です。このサイドにかなりのギミックが詰め込まれています。
型紙の上部から説明していきます。
a: 上部3cmは革を当てる側の位置合わせ。
b: 横に4cmのスリットがあるのは、この両端にはとめを打つ位置合わせ。
c: その下にフックのためのハトメ位置の丸穴。
d: 上から11cmは内フタ(幅11cm/半径5cm +

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フロントバッグの製作その4

フロントバッグの製作その4

さて、いよいよ型紙を。

1.皮革の型紙
2.帆布の型紙

1-1. トップふた、ファスナー部分

この図の右側にトップのふたのファスナーがつく皮革です。ファスナー用のスリットと、ハトメ用の穴を開けます。
左側は、背面のハンドルバーへの取り付け用のバンドが通るスリット、およびフロントバッグサポーター用の取り付け穴3点をオプションで開けます。(グランボアのサポーター用)

1-2. 背面-底面革

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フロントバッグの製作その3

フロントバッグの製作その3

割り付け図
帆布を切り出す際に、パーツの並びを考えてなるべく効率よく配置します。
帆布は大体92cm幅なのと、生地に縦横がないので、ポケットの生地は90度回転しています。

上部左が帆布、上部右がシーチング(裏地)。
下に革を細かく分けて描いていますが、3cm幅と5cmの幅の長めのベルトを切り出してそれを加工していきます。

次は帆布と皮革の型紙を見ていきます。

フロントバッグの製作その2

フロントバッグの製作その2

サイズの検討
まずは、サイズの検討。横軸は奥行き、縦軸は高さ。🔵はGilles Berthoudのシリーズ。黄色❌は犬印、緑🟩は自作シリーズ。

大雑把に分けて、フランスタイプは薄め(奥行き130-150mm)、日本製は厚め(170-200mm)で、ここら辺に仏日の”ランドナー”の違いが見えてきますが、それは置いておいて、容量を稼ぎたいなら厚めになりますね。
高さは個々の自転車のサイズに合わせ

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フロントバッグの製作

フロントバッグの製作

Twitterやインスタにも掲載しているのですが、キャプションぐらいであまりコメントを残すことが出来ていなかったので、noteで書いてみます。

目次

1.どんなフロントバッグ?
2.どうやって作っているの?

本文

自分の作っているバッグはどんなものか。

自転車用フロントバッグで有名なところだけ上げても、日本のオーストリッチさん、犬印鞄製作所さん、今は廃業されてしまったけれども、グーワタナ

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