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片桐チハル
2016年9月7日 20:57
ときどき、無性にひとりになりたいときがある。特になにをするわけでもなく、濁ったり、透明になったり、世界から切り離された自分を、時間をかけて見つめたい。よごれた河川に落ちたペットボトルの空き容器のように揺蕩いながら、めぐる思考に流れ流されていたい。砂浜に流れ着いたとびきりの貝殻を探すように、忙しない日々にまぎれてしまった特別を探したい。体にぴたりと合ったソファに寝そべりながら、自分に問う
2016年9月4日 17:24
いつかすべての夜が 少しずつひかりを迎えるようにいつかすべての声が 波打ち際でまどろむ砂のように穏やかな重さを帯びて あなたのもとへ届きますようにいつかすべての朝が やがて閉じる日々に泣く鳥のようにいつかすべての思いが 読みかけたまま目をそらした本のように暮れていく今日を終えて 明日のあなたをつくりますようにいつかすべてのあなたが ひとつずつしあわせに触れるようにいつかすべての歌