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『遺書』 46 私は二度、追い出される……

[前回の続き]

さて、あの震災から社会風潮が戻ってきて、"喉もと過ぎれば熱さを忘れる"へと"風化"が少しずつ始まる。
世のなかが民主党政権にヤツアタリしていき。調整型の(本物の)リーダーシップが、まるでいまバイデンが人気ないみたいに、野田佳彦の人気がなくなって人々がお金目当てになって。また自民党政権に逆戻りしたうえに、今度の自民党はすっかり変質してしまっていたり。そんな時代の話だ。

だから、危機におかれている私にとっては、日本社会は完全に"逆風"になっていた。

進展があったことのひとつは、元勤務先のブラック企業から、またまた一方的にだけど、今度は"期限切れ"で"自動退職"扱いになったということ……。
これで日本社会的にも離職したことになり、社会保険から"抜かれる"ことにはなったけれど、他方でこれは望んだかたちでもない。あれほど、死ぬよりツラい目に遭いながら勤務していたのに、退職金も出ない。ましてや賠償金も出ないし、ハラスメントをしてきた連中からも、会社からも、当然のように謝罪はなかった。居直るのは、ブラック企業の既定のクオリティ。
そのうえ、「精算金を払え」という意味不明の請求までしてきた。精算を受けていないのは実は、こちらのほう。在職中に自腹で経費を立て替えたり、業務に必要な書籍を代わりに買ったり、お金を散々かけていた。
"盗人猛々しい"というか、わけのわからない展開――。
もちろん突っぱねるのだけれど、そうすると彼らは私の父親にクレームを出すわけで。"身元保証人"というのはこういうこと。きっと日本の就職はいまも人身売買なのだろう。
グダグダ。もうたくさん。グダクサン。

けれどもうひとつの進展のほうが、さらに危険だった。

父親が以前よりも盛んに、「帰って来い」と圧力をかけてきた。
そして私の仕事にまで――。インターネットでだか探偵を使ったのだか。というかそもそもこの男本人がプロ級で調べあげられるのだと思うのだけれど――そう、母が生きて私と二人暮らしをしていた頃も、母は盗撮されていると言って怯えていたし、事実としてもあの男は居ないはずなのに"知り過ぎていた"――。
つまり、私がフリーランス的にやっている仕事のことまで根掘り葉掘り調べあげて、メールで遠回しに脅してきた。
ちなみにこの父親、この男の特徴は、明確に犯罪になったりしないようにする、バレるウソもつかない、というところにある。
そんなだから第三者がヤツのメールを見たところで、字面通りに捉えてしまうから、なんとも思わないだろう。今までの過去、背景事情を洗いざらい説明して、何が起こってどういう関係にあるのか、知らないと理解することはできない。
私はもう、誰に話そうが通じないと確信していたし、話が長いから"キレられる"のがせいぜい。あの診療内科医とか、そこのカウンセラーだとかも、こんな長い話を聴く時間はなかった(保険適応だからなおさら)。
なんとかなるものならば私がなんとかしているし、それならばそもそも母はなぶり殺されていない……。

賃貸マンションを借りているのは、私の父親。なにもなければそうなっているはずだった。
なので、ヤツが追い出しに来て私を"連れ戻す"可能性が、ますます高まっていた。

私は、引っ越しのため、本格的に動き始めた――

[次回に続く]


今日は家事で忙しくて体調もしんどいので、短めに……。
物価高騰で食費もつらい。収入が増えたから物価が上がるというのが正しいのに、いま日本の政財界が起こしてきたことはその逆。円高とか消費税廃止とかしないと、よくなる気がしない。
EVの資源効率がまだよくないんだったら、そもそも自動車を減らすのが正しいのに、相変わらず"エゴ替え"やっているし……。
しんどい。