意外でした
先週、外出先でお昼ご飯を食べた後、商店街をぶらぶら歩いていました。
自宅近くには、大型のショッピングモールがあります。
でも、個人で経営しているお店の個性的な商品や、ローカルネタ満載の会話を楽しむには、商店街の方がぴったり。
特に目的もなくウインドウショッピングをしていると、アンテナショップが目にとまりました。
『北宮崎の絶品と全国の美味終結!』
というキャッチコピーに惹かれて、お店に入ると、今度は別のちらしが目に付いたのです。
『昼は現役和尚が作る、真心込めたランチを提供』
お昼を済ませたばかりですから、さすがにランチは無理。
店員さんに、コーヒーだけでもいいですか?と聞きました。
「もちろんいいですよ。デザートもありますから、どうぞ」
気持ちの良い返事をもらい、二階のレストランへ向かいます。
一番奥の端にある席に座って、メニューを読みました。
今日の和菓子セット。くるみおはぎ コーヒー付き。
和菓子にコーヒーというのが珍しく、それを注文しました。
ランチタイムを過ぎているせいか、お客さんは私の他に一人だけ。
美味しそうにランチを食べています。
厨房から色々な音が聞えてきました。
フライパンで何かを焼く気配がしました。その後、がしがしという、何だかよく分からない音。
私は首をかしげました。
すぐに出てくるかと思ったのですが、そうでもない。
凝ったものは頼んでいません。
おはぎをお皿に盛り付けて、コーヒーはコーヒーメーカーから注げばいいだけです。
作る必要がないものばかり。
しばらくすると、お待たせしましたという声と一緒にお皿が置かれました。
こちらです。
想像していたものと違い、眺めていると、さらにきゅうりの漬物、湯飲みに入ったお煎茶、コーヒーがテーブルを占領しました。
初めていただく、くるみおはぎ。
きゅうりの細切りが乗った、甘めのごはん(おはぎ)
その下には擂ったくるみ。ねっとりとした、ペースト状になっています。
おはぎにくるみをまぶして、食べました。
ローストされたくるみの香ばしさを、柔らかな甘みが包み込んでいます。
ごはんとくるみペーストの種類が違う甘さが溶け合い、口の中で調和しました。時々、くるみの食感が歯を刺激します。
箸休めのお漬けものは、塩気が効いて爽やかさを提供してくれました。
合間に飲むお煎茶の苦みで、こってり感を洗い流します。
おいしかった。
重さを増した胃の消化促進のため、コーヒーを飲みます。
少し冷めてしまったけれど、コーヒーメーカーで淹れた割には、なかなかの味でした。
ゆったりとしたカフェタイムです。
シェフに、くるみペーストの作り方を聞きました。
くるみをフライパンで煎ってから、すり鉢でよく擂ります。
その後で、砂糖と生クリームを混ぜるとのこと。
意外でした。
「生クリームを使うなんて、びっくりしました」
「長野の禅寺で、お接待の時に出すレシピなんですよ」
「評判よさそうですね」
「みなさん、気に入ってくれています」
にっこりとした優しい表情が、とても印象的でした。
この和菓子セットは、500円です。
お気に入りのお店がまた一つ増えました。
次回は、ランチを試してみるつもりです。
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