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ドンカ・アルシェ3 〜ぺんぺん草のささやき〜

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花開き
虫が目覚めて
鳥歌う

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ああ
彼らは何も変わらない
風邪をひいちゃう我々は
彼らと何が違うのか・・・。


毎日庭に新しい畑を耕作している。
耕しては石を拾い、耕しては石を拾い。
もう瞑想のように耕している、と言いたいところだけど、たぶん余計なことばかり考えている。

国防総省がUFOの映像を公開して、それをNHKがニュースで伝えていたなあ、そんな時代になったんだなあ、とか。

でも何でこの時期なのかなあ、とか。

今お昼ご飯のために奥さんが作ってくれてるポテトサラダはやっぱりマヨネーズ控えめなのだろうなあ・・・とか。

そう言えば前に、たしかローマ法王も宇宙人の話をちょっとしてたしなあ、とか。

よし決めた、今夜は特製煮干しラーメンを作ろう!など。

とにかく春のアルプスの景観は本当に美しいし、畑仕事は気持ちいい。
生きた心地になる。


そんな中、例の大福好きの友人からメールが届いたんだ。
昼ごはんの後に子供達と日向ぼっこしながら遊ぶ約束をしていたんだけど、少しだけ待ってもらってねそのメールを読んでみたんだ。

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「やあ、聞いてくれるかい。
この間久しぶりにテレビを付けたらね、まず最初のチャンネルではやたらと殺菌除菌の重要性を唱えていてさ、さらに他のチャンネルでは、いくつかの既存のインフルエンザワクチンの説明を専門家さんがボードを使ってじっくり話していたんだ。
新型コロナにも効果がありそうなので多くの人にも使用できるようになればって・・・。
そしてそれを聞いてる周りの人達はみんな肯いていたもんだから、なんだか気味が悪くなってね、すぐ消したんだよ。

それで今度はネットのほうをのぞいてみるとね、”Withコロナの時代”と題して頭の良さそうな人たち、つまり第一線で活躍する起業家やテクノロジーの専門家、そして感染症の専門家なんかが話をしているチャンネルがあったんだよ。

Withコロナとかいうからさ、おっ、いよいよ本質的な話になって来たかなと思ったんだよ。
そしたら、人とと接触しないかたちでの街や仕事のデザインをこれからの時代は考えていかなければならないだろうってんで、まったく新しいなんやらかんやら・・そういう話ばかりしていたんだよ。
あのデザインも、このデザインも接触してしまうからダメだねって・・・。
それで、テクノロジーを活用して、人とリアルに会わなくてもできるサービスや教育や経済の形を語っていたんだ。

そしてやっぱりワクチン待ち遠しいって。
今回のことでワクチン反対派もワクチンの必要性に気付いたんじゃないですかねえ、って・・・。

ちょっと言いたいんだけどさ、いったいこれのどの辺が”With”だと言うんだい!?

毎度こういった状況でのこういった反応に対しての、この僕の感じる凄まじい違和感を、今さらいろいろ言うつもりはないんだけどね、さすがに今回はさ、なんとなく最後の分岐点に僕たちは立っているように感じたから、少しくらい何か声に出さなきゃいけないんじゃないかなって・・・。

ほらデ・ニーロも言ってたんだ
自分の意見を言うことは大切だって・・・。
だから彼はトランプに対してもはっきり言ってんのさ、も少し頑張れって。
ちなみにディア・ハンターは本当に最高だよ。どうしたらいいってんだ、あんな映画見せられたら。

デニーロ6


で、話を戻すけどさ君はどう思う?

あのどうしたって始まっちまう彼らの自然から離れたコンクリート的な思考を。
そしてそれがまたすぐに評価されやすい世の中の雰囲気を。。

それとも僕の頭に陽気なぺんぺん草が生えすぎちまったんだろうか?
なるほど、きっとそうに違いないね。
であれば、ほんの少しだけでいい、このぺんぺん草の小さな声に耳をすませて欲しいんだけどね、彼らは聞いてくれるかなあ。一度アドレナリンを止めてもらってさ。

例えば起業家さん達なんかにちょっと提案があるんだけどね。
全てとは言わないけど、おそらくその多くのサービスはあまり要らないってことなんだ。

たとえなんらかの問題を一時的に解決させるための手段になりえるとしてもだよ、それらのほとんどは、ただ単にみんなが素に戻って自然に寄り添った暮らしをするだけで解決してしまうことだと思うんだよ。しかもはるかに早く、圧倒的な満足感でね。

”社会変革”や”イノベーション”などをさけぶ人達が与えようとしている物、または得ようとしている物は、とうの昔から完璧なカタチでのサービスが地球から提供されているんだ、本当にね。
逆に言えば、多くの問題や欲求は、僕らがすっかり自然との繋がりを断ち切った生活をおくってしまっていることが起因となっていると言えるはず。

こんなことを言うとね、少し前だったら説得力のないスピリチュアルなぺんぺん草の妄想として扱われたかもしれないけど、今だったら僕たちはいくらか感覚的に大切にするべきものがなんなのか、感じられてきているんじゃないかなあ。

もちろん今はまだ極論に聞こえるのは分かるよ。
都市で生まれて生活している人ならなおのことね、なかなか想像するのも難しいかもしれない。
だから例え話なんかをしてもおそらく伝わらない。
森に流れる風が僕らの何かを修復してあっという間に活性化させちまう、あの感覚とその先の可能性を。

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でもね、とにかくいったん思考ってヤツを止めた方がいいと思うんだ。
それはだいたいエゴにまみれた単なるクセと変わらないはずだから。

いいかい、自然から離れてしまった人が、その頭でいくら賢そうに予想して検証して計算して計画を立てても、かえって遠回りになってしまうことが少なくないと思うんだ。
この世界はそんなもので解読できるようなものじゃない。そんな人知をはるかに飛び越えた様々な因子が影響しあって、目の前の事象が生まれて、そして進化していく・・・。

それを理解している自然と繋がりのある人達は、菌やウィルスを単純に敵として捉えて、遠ざけたり排除したりするような偏った思考は、まるで本質的ではないことを当然わかっている。

なるべく自然に身を委ねて、いろんな微生物と共存し、余計な生活習慣を手放すことができているような本来の身体であれば、感染症なんて騒ぐ必要はまるでないはずなんだ。誓って言うけどね、みんな人間の本当の免疫力を舐め過ぎてんのさ。本当の話だよ。

土も触らない、日も浴びない、運動もしない、死んだ水を飲んで、不自然な食品で体を酸化させて、ストレスを見て見ぬふりして仕事を続ける。そのような生活習慣を続けていくとすれば、どんなに殺菌除菌して、ワクチンをバンバン打って、ディスタンスしたって、新しい街やビジネスをデザインしたって、結局次の恐怖に怯え続けることになるのは明らかだよね。

僕は本当に親愛なる皆さんに聞きたいんだ。
この期におよんでまだ、不自然な生活を維持するための不自然な対策を打ち続けるのかい?って。
ほんとにそっちに戻したいのかい?ってね。

With コロナと言うのであれば、文字通り本気でWithする気になるしか無いはずなんだ。
いや、やっかいなコビットに関係なく、どのみち僕らは軌道修正するしかなかったんだよ。

と言っても、何も怖いことじゃ無い。
まずは自分たちの日常がどれだけ不自然の連続で出来上がってしまっているのかをしっかり認識するんだ。
そしたらどうか今一度、少しでもいいから自然が僕たちに与えてくれるものを見直してみて欲しいんだ。なるべく本物の自然の残っている場所へ足を運んでね。
あとはただ感じるものを受け取ればいいだけさ。
気づいたらあなたの野生が道案内してくれるはず。勝手に自然に寄り添った暮らしへ向かい始めるよ。
そうすればやがて想像を越えた壮大な免疫力を手にすることができる。思っているよりもずっと早くね。しかも年齢に関係なく。
とても効率的な話なんだよ。


それにしても、今の僕たちの様子を、地球外文明の人たちが見たら何と思うだろう。
きっと今まさに見ているんじゃないかな。
僕たちがどのような選択をするのか・・・。
その選択次第で、僕たち地球人と交流を始めるかどうするか、彼らは決めるんだろうね。」

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彼のメールはだいたいこんな感じさ。
まったく長いんだよ。長すぎて、午後の暖かな陽射しの中で読むのは本当に大変だったんだ。
それこそ途中で気を失いそうになりながらやっとの想いで読んだんだけど、そんな状態だったからね、頭に残ったのは最後の宇宙人がどうのこうのってとこだけだった。

確かに地球外の”彼ら”だったら、何となく色んな時代を乗り越えてきていそうだからさ、何かアドバイスと言うか、興味深い話を聞かせてくれそうだよね。
だから彼らがいつかうちの方へフラッと来てくれた時にコミュニケーションを取るための何か準備をしておいても悪くなさそうだなとは思ったよ。

さっきから「早く遊ぼうよ」と連呼していたミキトもいい加減待ちくたびれた様子で、一人でずっと何か喋ってる。
まずは彼に相談してみよう。何か良い準備方法を思いつくかもしれない。

ん?

もしかして、とっくに”彼ら”と喋ってる?

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・“UFO映像” 米国防総省が公開 “物体が何かは不明”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012408331000.html



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