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役に立つことだけが正解じゃない

私は「生活」を学ぶ学部に属し、「服飾」を専門としている。

しかし、就職活動をしていて思うが、困ったことに「服飾」は就活に全く役立たない。だって、社会学とか経営学とか経済学とか、同じ文系でもそういうものを学んでいた方が絶対有利である。


私の学科は2年生から「文化学」「社会学」「心理学」の3つのコースから専攻を選ぶが、私は当初「社会学」コースに行こうとしていた。なぜなら、社会の仕組みを学ぶことで就職しやすいと思っていたからだ。一生懸命勉強をして入った大学で、「社会学」といういわゆる「勉強系」のコースを選ぶことは、私の中で当たり前のことだった。というか、それしか考えられなかった。


しかし私は、「文化学」コースを選び、「服飾」というなんとも就活に役立たないものを専門とする人生を選んだ。

これは一種の反抗だったのかもしれない。この決断はたぶん、私がこれまで身につけて来た「優等生」の鎧を脱いだ瞬間だった。


私は中学も高校も勉強は真面目にやって来た。それは、自分が勉強をしたかったとか勉強しなさいと親に言われていたとか言うより、「勉強をしない」と言う選択肢が自分の中になかったからだ、と今は思う。

勉強をすることは当たり前だった。勉強をしていい成績を目指すことが普通だった。そして、それに何も違和感を抱かなかった。大学受験で学部を選ぶときも、自分の興味のあることを専攻にしようと思わなかった。なぜなら、自分のやりたいことも好きなことも「勉強」と同じ土俵の上になかったからだ。「勉強」は好きなことよりもはるかに上にあり、そしてそれが一番正しいことだと思っていたからだ。


しかし、大学に入って、考え方が変わった。

大学では、私の興味や関心は「勉強」と同じ土俵の上にあった。

数学や経済学と同じ場所にあった。


これは私史年表に赤字で記すべき「気づき」だった。

あ、こっちを選んでもいいんだ。やりたいこと、やってもいいんだ。

そう思ったら、私は「文化学」コースを専攻していた。就活に役立たないかもしれない、将来に何も活かせないかもしれない、だけどこれをやりたい、私は好きなことをしたい、と素直に思った。



私の専攻は就職に役立たない。

だけど私は、「服飾」を学んで心が豊かになったことを確かに感じている。この道を選んだことに誇りを持っている。


人生、やりたいことやっていこう。大学生活を振り返って今、改めてそう思う。



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