映画「天気の子」 〜不調和という名の調和
音もなく柔らかな雨の降る夜。初日の最終回に滑り込んだわたしがスクリーンで見たのは、雨が降り続く日本の首都だった。
都心のビルの灯も、なんてことのない坂道も、バス停も、新宿の夜も、むせかえるように生々しく美しい。気づけば東京の街にするりとダイブしていた。東京は時々ふらっと出かけるだけなのに、思わず目をこらすほどのリアルがそこにあった。もし毎日都内に通っている人・住んでいる人が見たならどう感じるのだろう。
ほだか、という16歳の彼を見ていると、時々ぎゅうっと胸が締めつけられる。