POP1:村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

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前回、POPを書く前の準備(?)のようなことを書きました。
今回は実際にPOPを作っていきます。

1:どんなことを書くか

まず文書をwordかスマホのメモ、もしくは手書きでざっと書いていく。
今回はword。
文章としてまとめたら、時間を置いて後から読み返すようにしています。書き直したかったら書き直して、また時間を置く。

書いている時って、高揚感があるというか、すごくいい感じに書けたってなんか思ってしまうので、後で読み返すと、いやいや全然あかん…って思ったりもするのです。

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2:どんな紙に書くか

私の中のイメージで、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は、渋い色味だったので、モスグリーンか抹茶の画用紙を背景にしようとまず考えました。
背景としたのは、色の濃い用紙に黒い文字でコメントを書いても読みにくいためです。

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字を書くのは明るい色の紙で、でも明るすぎず…
と、高校時代のクロッキー帳をがさごそ。
このクリーム色だと落ち着きがある。

表紙自体はオフホワイトのような白なので、白でもいいのかもと思ったけれど、そこはあえて外してみよう。

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3:どんなペンで書くか

あまり字を小さくしたくないので、プラマンに。
タイトルや著者名もブックマンションの棚に置くと考えると、そこまで大きくしなくてもいいから、文章と同じくらいの大きさにして、色だけ変えよう。
とだけ決めて書き始めます。
鉛筆で下書きしてから書く人も多いと思うのですが、面倒くさがりなのでいきなり書き始めるタイプ。
書いていて、改行のバランスがよくないとか、いろいろ問題は出てくるのだけど、まいっかとすることもあるし、書き直してみることも。
誰がそんな細かなこだわり気にするねんって思いながら。

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4:どんな大きさにするか

ブックマンションの棚(31㎝四方)に台を置いてその上に単行本を置くので、表紙が全部は隠れず、でも目立つ感じにしたい。
と思い、単行本よりは少し小さめに。

最後に何かもうひと手間…と思って、深緑の画用紙を付けたすことに。
どう配置するのがいいかなと動かしてみて、単行本の表紙を見て、縦に決定。

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5:できあがり

棚にかざるとこんな感じになりました。
しまった、ちょっと大きく作りすぎた…

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表紙が単行本と文庫で少し違います。
ろうそくの方が小説の内容と合っているかなと思い、インスタには単行本の表紙を載せました。
友人を含めた登場人物それぞれがしっかりと存在していることをろうそくが表しているみたいで好きだなと。文庫の方は、その良さがなくなったのではと失礼ながらも思っていました。

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けれど、今、このコラムを書いていると、単に自分がキャンドル好きなだけかもと思い始め。
文庫版を改めて見ると、水彩絵の具が混ざりあった感じは、バラバラの登場人物たちが物語の中で出会い、影響され、絡み合っていく人間模様を描いているようにも見えてきて。

……いち読者の受け取り方なんて、適当なものですね。
その時の心境で、思うところが変わる。
どちらの表紙も、当たり前ですが『考えて選ばれている』のだなぁと、出版社の方の本への想いを勝手に想像していました。

さて、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は、
差しで棚に置き始めたのが2/17、3/27に表紙を見せてPOP設置後、
4/11に売れていきました。


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