最近読んだ本 『あざやかな女』円地文子
寄席芸人として育ち、何人かの男性に庇護されながらひたむきに芸を磨き、ついには邦楽の一派の創始者となった生島さよ。
東京下町に生まれた彼女の、明治の末から昭和初期、そして戦後にかけての流転の人生を描いた長編小説です。
が。
「小説」とは言い条、完全なる創作、フィクションというわけではありません。
事実に基づいているようなのだけど、それでいてモデルを明記しているわけでもない。
わかる人にはわかるような書きぶりで、それとなーくにおわせています。
たとえば、主人公の生島さよのモデ