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東海道徒歩制覇(失敗)編。

旧東海道を徒歩で走破しようとした愚かなる現代人の、失敗の記録を綴りたいと思います。


五街道の始点・日本橋(東京都中央区)

本来ならば、此方当方散歩ブログらしく、その想い出を冗長に語っていくのも、また一興かとも思います
しかしながら今回は、後に続くおバカな旅人たちの参考になるよう、失敗の原因や個人的に体感した注意点などを、端的に述べていきます。

実際の行程

東海道かわさき交流宿の展示(神奈川県川崎市)
道中にはこのような展示がそれなりにあった

さてまずは、実際の私の旅程を紹介。
括弧内は宿泊地の最寄駅。
旅の目的を考えたとき、鉄道駅の近くに泊まる必要は無いのですが、利便性やコスト面を考えると、結局は大きめの街の駅チカ宿になるかと思います。


始:東京都中央区・日本橋
 ↓
44.7km
 ↓
1泊目:神奈川県横浜市(戸塚駅)
 ↓ 
39.5km
 ↓
2泊目:神奈川県小田原市(小田原駅)
 ↓
36.1km
 ↓
3泊目:静岡県沼津市(沼津駅)
 ↓
41.6km
 ↓
4泊目:静岡県静岡市(興津駅)
 ↓
37.6km
 ↓
5泊目:静岡県藤枝市(藤枝駅)
 ↓
27.6km
 ↓
6泊目:静岡県掛川市(掛川駅)
 ↓
29.3km
 ↓
7泊目:静岡県浜松市(浜松駅)
 ↓
36.1km
 ↓
8泊目:愛知県豊橋市(豊橋駅)
 ↓
33.7km
 ↓
9泊目:愛知県岡崎市(名鉄東岡崎駅)
 ↓
30.1km
 ↓
10泊目:愛知県名古屋市(金山駅)
 ↓ 
42.0km
 ↓
11泊目:三重県四日市市(近鉄四日市駅)
 ↓
27.3km
 ↓
12泊目:三重県亀山市(亀山駅)
 ↓
30.4km
 ↓
13泊目:滋賀県甲賀市(近江鉄道水口駅)
 ↓
35.3km
 ↓
14泊目:滋賀県大津市(大津駅)
 ↓ 
9.8km
 ↓
終:京都府京都市・三条大橋


どうして失敗したのですか?4つの理由

箱根宿に至る石畳(神奈川県足柄下郡箱根町)
箱根関のそば・芦ノ湖(神奈川県足柄下郡箱根町)

Q. 実際問題、この行程は実現可能ですか?

A. (多大な留保付きで)可能です。

実行当時、特別日常でスポーツやトレーニングをしていない、一般20代 Homo sapiens だったのですが、体力的には全然いけるなと、そう思いました。

舘山寺のチャート湖岸(静岡県浜松市)
徒歩ではなくバスで見に行きました(半ギレ)

しかし、現実。
私が徒歩で赴いたのは、8泊目を過ごした愛知県豊橋市まで。
半分くらいしか達成できていないのです。
その後は旅程を大いに変更し、なんと鉄道旅を始めてしまうという、旧東海道「徒歩」は何処へ往った意味不明ムーブをかましてしまったのでした。

それでは、当時の私は何を感じていたのか。
どうして失敗したのか。
以下、ご参考までに。

交通史を物語る薩埵峠(静岡県静岡市)
旧東海道の案内板はしっかりある。うれしいね!

失敗原因①。物理的に、人間が元気に楽しんで歩けるのは、30km程度が限度であると実感。
これは実際に、宿泊込みで連続して歩いてみなければわからなかったこと。
どんなに散歩が趣味だとは云うものの、「楽しみながら」歩くことは、また別の問題であるのだと学びました。

  • 10kmまで。たのしいお散歩。

  • 20kmまで。本日の今後の進捗を気にし始める。

  • 30kmまで。焦りが勝って足が速くなる。

  • 40kmまで。日没というタイムリミットに追われる消化作業。

  • 40km以上。人間性の喪失。

だいたいこんな感じです。

失敗原因②。①に派生して、只管ふつうの道を歩き続けるというのは、精神を苦しめる。
さて今回の道程、東海道というのは、現代に至るまで交通の大動脈を担うルート。
すなわち、交通量多めの、街中を通る国道や県道を長々と歩かなければならないパターンが想像以上に多く、あんまり面白くなかった。
まァそれを楽しめる、真の散歩強者であれば、もしかしたら無問題なのかもしれませんが…私は、他人のいないところを歩くことが大好きなので、むしろ精神面での葛藤を強いられることになりました。

宇津ノ谷峠(静岡県静岡市・藤枝市)
峠越えは、なんだかんだで、たのしい。

失敗原因③。さらに②に関連して、観光する余力が全く無いが為に、何のために「旧東海道徒歩」を遂行しているのか、目的意識を見失う。
私の目的は結局のところ、「旧東海道を唯歩き切るだけでよい」というのではなく、「歩いてこそ発見できる旅を、楽しみたい」であった為、その乖離がどんどん広がっていきました。
「その日の宿まで日没までに辿り着かなければならない」命題を優先し過ぎるあまり、徒歩旅行ならではの楽しみを享受できないのであれば、それこそ本末転倒。
楽しんでこその旅行です。追われてはいけない。
この挑戦の中断を決意させた一番の原因は、これでしょうか。
(中断後の旅行は、その反動からか、かねてより気になっていた観光地を訪れるという旅程になりました。)

失敗原因④。試走の信頼性を、もう少し疑うべきであった。
実は、あらかじめ自分自身の限界を知るために、本番前の事前調査として、1日当たり想定と同じくらいの距離を試走してみてはいました。
の場合は、旧甲州街道の笹子宿から石和宿を、峠越え込みで30km超。
正直、この経験が結構楽しかったせいで、あまり分析をしていなかったことが敗因でした。
時間当たり計算で「このペースなら1日40kmは歩けるやろwww」と、根拠の無い勘違いをしてしまったし…
あるいは、いま思い返すと、試走の最中でさえ原因③を感じる瞬間はあったわけで…
ウーム、準備不足、ですね。

結論

日坂宿→掛川宿もいい峠道(静岡県掛川市)
私は田舎道を歩くのが好きなのだと、学びました。

結論。旧東海道徒歩制覇の場合、1日あたり25km~30kmがちょうどいい。
まずは、無理しない旅程を組みましょう。最大でも、1日当たり30kmまで。
試走も複数回必須です。
そして、しっかりと観光しましょう。
歩くことに追われてはいけない。

そんなところでしょうか。
このブログに出会ってしまった皆さま、ぜひご参考くださいませ。
そして、ブログか動画でその報告をしてください。
お待ちしてます!!!

俺もやったんだからさ(同調圧力)

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