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【午前0時】いちごつみ短歌 3月号(vol.4)

※文芸ユニット【午前0時】のいちごつみ短歌です。紅井りんご(♧)→昼行灯(♣︎)の順で詠みました。

ぐらぐらと揺れる地面の上にいてわたしの心も揺れているのだ ♧

君んちは花火大会の向こう側 小走りすれば金魚が揺れる ♣

適切に管理されてる水槽の金魚みたいだ何処へも行けず ♧

補助線を何処に引こうか猫に訊くあくびとあくび背伸びと背伸び ♣

背伸びして文語短歌を詠んでから口語へ変える冷えた親指 ♧

三月の冷えた空気にかすむ船 教えてくれた歌で見送る ♣

特別な朝の空気は特別な朝の空気の匂いがしてる ♧

老翁を悩ます匂いアトリエのモナリザはまだ乾いていない ♣

モナリザの微笑む顔もなんとなく寂しく見える 君が居なくて ♧

夜更かしは微笑むように降り積もり土曜の午後を丸ごと埋める ♣

[摘まれた語]揺れる、金魚、何処、背伸び、冷えた、空気、匂い、モナリザ、微笑む

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