短編小説「珍しい病気」
コウスケは自宅でカレーを作っていた。最近になって自炊をするようになり、料理の楽しさを知った。料理本とかを買うほどではない大雑把な性格のため、目分量とその時の気分で具材を追加していくのがコウスケ流だ。だからカレーも普通ではない。カレールーを入れて煮込んでいる最中に、わさびや辛子、キムチや唐辛子をとにかく詰め込んでしまっている。
「リョウが来るまで、あと少しだな。よし」
コウスケはこれからやって来るリョウに対してちょっとしたイタズラを仕掛けようと思った。その予行演習を一人二役