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光る君へ二次創作:北の国から

本作は、NHK大河ドラマ『光る君へ』の二次創作です。 流行り病で死んだ、たね(竹澤咲子)ちゃん生存ルートです。 直秀&散楽一座の生存ルートである『海の見える国』と合体させました。 二次創作ですから、好きなものは全部盛るのが正解というものでしょう。 ===  築地塀の上に立つと、朝の空気が冷んやり感じられた。  たねは、細い手で、自分の体を抱きしめる。  ──エルニーニョ現象かなぁ。中世温暖期といっても、年単位、地域単位での差異は大きいとみるべきか。  頭の中で聞こえる

    • 光る君へ二次創作:賢弟と愚兄と

       権力者は、孤独だ。  父の藤原兼家から摂政の地位を引き継いだ藤原道隆は、自分に突きつけられた烏帽子を前に、ため息をついた。  権力者の不興を察しつつも、青年貴族は怯むことなく主張する。 「盗みを働いたのですから、無辜の者とは申しません。ですが、五刑の並びを 乱すことは、この国の基を危うくします。どうか、主上の恩徳をもって、検非違使庁に改革のお許しを!」  まっすぐな烏帽子と、まっすぐな声。  まるで道隆を弾劾するかのよう。 「目の前の問題にとらわれすぎだ、道長。おまえ

      • 光る君へ二次創作:文、燃ゆる、夜

         寛和二年(986年)、夏。東三条殿。その深夜。  兼家は、燈の灯りで、文に目を通す。  ゆらめく灯りで文に陰影が動き、兼家は目を瞬かせた。  ──わしも年か。  兼家はため息をついた。彼は今年の正月で、五十八才となった。老いぼれた、という自覚はないが、元気に動けるのは、もって数年であろう。  文箱に伸ばした指が、乾いた紙に触れた。ざらついた古紙の表面に書かれたのは、円融天皇の文である。叱責の手紙であるから、私的な文箱に入れ、人目に触れないようにしてきた。  読み直す。

        • フランケンアカガネの開頭記、その2

          ■ふたたび自己紹介から  はじめましての人は、はじめまして。そうでない方は、やあどうも。三割なほら吹きおじさんの銅大です。  SF作家やゲームデザイナーなどの文筆業を営んでいる59才です。  今回は、脳腫瘍と開頭手術のその後についてです。  事実を元にしてはおりますが、私という主観フィルターを通しており、内容はフィクション寄りです。そのため、記事内の場所や名前はA病院やK医師となっています。ご了承くださいませ。 ■抜糸、そして日常生活への復帰  2月7日:入院。  2月8日

        光る君へ二次創作:北の国から

          光る君へ二次創作:海の見える国

          直秀&散楽一座、生存ルート  烏が鳴く。歩みを進めると、鳴き声が大きくなる。  血の臭いがする。歩みを進めると、臭いが強くなる。  まひろの前を行く、三郎の歩みが速くなる。遠ざかる背を小走りに追う。  烏が、まひろと三郎に向かって、大きく一声鳴いた。近づくなと。  ──ああ‥‥もう‥‥間に合わないんだ。  鳥辺野という地名を聞いた時から、嫌な予感はしていたのだ。  遠流されるはずの散楽一座が、なぜ、鳥辺野に連れていかれるのか、まひろにはわからない。三郎が、右大臣家の三男

          光る君へ二次創作:海の見える国

          SF小説:22世紀日本の健康社会 墓守保険

           俺が鬱々とした気分で帰ったら、朗らかな声が出迎えた。 「おかえり! 丈ちゃん!」  俺の部屋の前で、ちひろが満面の笑みを浮かべて待っていた。  全身をアウトドアグッズでかためた、お出かけモードである。 「え‥‥ちーちゃん‥‥なんで‥‥広島駅で待ち合わせだったよね」 「旅行の準備、手伝ってあげる。前に登山に馴れてないっていってたから」 「それは嬉しい‥‥でも、その旅行そのものが‥‥」 「ん?」  輝かんばかりの、ちひろの笑顔。圧が強いよ。  俺は説明を断念し、部屋に入

          SF小説:22世紀日本の健康社会 墓守保険

          フランケンアカガネの開頭記

          ■まずは自己紹介から  はじめましての人は、はじめまして。そうでない方は、やあどうも。三割なほら吹きおじさんの銅大です。SF作家やゲームデザイナーなどの文筆業を営む59才です。  今回、脳腫瘍がみつかり、開頭手術でフランケンシュタインになりました。  その顛末について、まとめたのがこの記事です。  事実を元にしてはおりますが、私という主観フィルターを通しており、内容はフィクション寄りです。そのため、記事内の場所や名前はA病院やK医師となっています。ご了承くださいませ。 ■ヒ

          フランケンアカガネの開頭記

          2022年からのFGO攻略覚書その3

          ■雑感  400日経過記念で。  LB7の総力戦での英霊数は175。ずいぶんと増えました。  弊カルデアは微課金なので、普段は石を貯め、ピックアップ時にのみガチャを回します。おかげでアルトリア・キャスターとモルガン陛下は宝具2重で盤石。そのかわり、星5セイバー、ランサー、アベンジャーはまだいません。  悩んだ時は「とりあえずバーサーカー」です。  ただし、相手がフォーリナーだと、バーサーカーを使えません。弊カルデアは配布アルターエゴが太歳星君しかいないので、他の特攻持ちを

          2022年からのFGO攻略覚書その3

          2022年からのFGO攻略覚書その2

          ■はじめに  100日経過記念で。  三ヶ月で、なんとか第二部6章までクリア。バフ剥がしは悪い文明。  呪い、火傷などのデバフは……ここまで否定しようとするのは、ゲームシステム的な都合もあって、なかなかに難しいところがあります。というのも、何のストレスもなくプレイヤーの思うがままに一方的な攻撃が可能なゲームバランスは、プレイヤーの緊張感を失わせ、自己肯定感の獲得を阻害するからです。ほどよい緊張感というのは、手持ち英霊の育成しだいで決まるので、プレイヤーの英霊が見えない状態での

          2022年からのFGO攻略覚書その2

          2022年からのFGO攻略覚書

           2022年1月より、フェイト・グランドオーダーをはじめてみました。 基本方針:  後追いの2022年スタートなので、ストーリーを進めるだけで大量のリソースがばんばん運営から届きます。星5英霊ひとりを選択させてもらい、その育成もできます。  このリソースは「攻略に必要だから配っている」ものなので、無駄遣いは厳禁です。リアルマネーは、リソースが枯渇した後です。  攻略はフレンドやフォローの、育成済みの英霊頼り。いつもお世話になります。  フレンド英霊では補えない部分に、自分の

          2022年からのFGO攻略覚書