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私のプロダクトロードマップページに書いてあること

プロダクトロードマップはプロダクトマネージャーとして大切なものですが、扱いが難しいものでもあります。

私はConfluenceにプロダクトロードマップのページを作成し、そこで随時更新しています。今日はそのページのロードマップ部分以外の内容を公開し、「扱いが難しい」って具体的にどういうことなのか、日々どういうことに苦労しているのかを間接的に感じとっていただこうという企画です。

ページの構成

そのページはいきなりDisclaimerから始まります。(**はプロダクト名)

This is ** product roadmap. This is not a project plan. This does not indicate commitment to dates or any timings for releases or timelines for features.

つまりこういう内容です。

これは**のプロダクトロードマップです。プロジェクト計画書ではありません。このロードマップは、各機能のリリースやタイムラインに関する一切の日付・タイミングに関する約束をするものではありません。

この時点で過去に何があったのかバレバレですが、きっとプロダクトロードマップを作ったことがある人なら誰しも似たような経験があると思います。

そしてこの記載の下にいわゆるロードマップがあるのですが、私はProblem Roadmapとして更新しています。つまり、機能ではなく何の問題を解決するのかをロードマップに記載しています。そして、各問題の下に、解決策として現時点で考えている機能を併記していますが、機能はあくまで案ですよーという位置づけです。

そしてその後に、主にチームに向けたメッセージを記載しています。チーム向けメッセージは今後私が何かの問題にぶつかるたびに肥大化していくのかもしれませんが、現時点で記載している内容を以下に公開します。

以下、実際のページは英語で記載していますが長くなるので日本語で記載します。他にもこういう要素をチームと共有しているよーという事例があればぜひコメントで教えていただきたいです!

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戦略

ロードマップはビジネス戦略と深く連携する必要があります。

プロダクトロードマップに取り組むにあたり知っておきたいこと

下記のことを知る必要があります。そして、より詳細に知るにつれて、ロードマップは改訂されていく可能性があります。

カスタマージャーニー
現在のカスタマージャーニーを知ること。それは現在の問題を知るためであり、新しい機能(=問題を解決する手段)によりそれがどう改善されるかを知るためでもあります。

問題と解決
今何をしようとしているか、そこに何の問題があるのか、なぜそれが必要なのか、それによる価値は何なのか、などを定義する必要があります。

ニーズ
お客様に共感し、やろうとしていることにお客様のニーズがあるのかを理解する必要があります。

優先順位付け

ロードマップ中の項目の優先順位は、下記2点とプロダクトマネージャーによる判断(主に、それが本当にViableであるか)によってなされます。

フィージビリティ
技術的に可能か?開発の難易度は?

顧客からの要求度
お客様は本当にそれを求めているのか?どのようにマーケティングされるのか?

下記の属性の人々からのインプットは重要ですが、注意深く扱う必要があります。一般のお客様の要求との一貫性があることを確認しなければなりません。

会社の偉い人達
彼らは優れた洞察を持っているかもしれませんが、見方を変えれば彼ら1人1人は我々のお客様のうちの1人でしかありません。

店舗で働く人達
オペレーション関連の機能に関して、店舗からの要求は超重要。それらの機能に関しては彼らがメインのお客様だからです。
一方で、彼ら自身がお客様の1人として求めるもの、または彼らに寄せられたごく少数のお客様の声に反応して行う要求には注意が必要です。まず、もっと広い層のお客様にも同じことが適用可能かを確認してから検討しなければなりません。

心に留めるべきこと

美しさのために機能を犠牲にしない
うまく動く機能は何よりも美しいから。

私達の仕事は機能を追加することではなくお客様に解決策を提示すること
私達は機能の追加のために働いているわけではありません。私達は、課題解決のために機能追加以上によい方法がない場合にのみ、機能を追加します。

そして、機能が追加された後には、それが本当に問題の解決に役立っているのかを確認しなければなりません。だからKPIのトラッキングが重要なのです。

MVP は MVP
みんな大好きMVP。しかし、MVPはゴールではないということは覚えておかなければなりません。最低限の機能でしかないのです。Viableであることと、本当に必要だったものかどうかは別の話です。MVPをリリースしたあとにどうするのか、のプランは常に持たなければなりません。

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ありがとうございます。いただいたサポートは、脳の栄養補給のため甘いお菓子となり、次の創作に役立つ予定です。