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移民の経済学 / ベンジャミン・パウエル編 ; 藪下史郎監訳 ; 佐藤綾野訳 ; 鈴木久美訳 ; 中田勇人訳

(2017-05-18 Soka Book Waveより)

本書は、特にアメリカに住む移民が、社会に及ぼす影響について経済的視点で書かれている。

移民が、社会にどのようにして溶け込めるのかを構造的に見た「同化論」という理論がある。私は、難民・移民の人々の社会統合の在り方を深く知りたく、特にこの理論委着眼点を置き、読み進めた。

そもそもなぜ移民が社会に「同化」する必要があるのかという原点に立つと、近年、移民が他国に移住する中で、彼ら独自の文化や基準を切り捨てる必要はないという高まりが存在するからである。

受け入れ国の政治的規範や文化を理解するとともに、移民の独自性も維持する。これが大前提にある上で、移民の「同化」が大切である、と指摘されている。

移民の「同化」が成功するか失敗するかは別として、同化論をひもといていくことは興味深いし、現在アメリカやイギリス内で、移民を排斥する動向がある中で、この理論を考えていくことは大切だと思う。

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