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時の人!? Wilson Edwardsって、誰?

実在の人物?


今日は、中国とスイスの間で、今ネット上で話題にのぼっている人物、「ウィルソン・エドワーズ氏」の話です。

・・・と言っても、ほとんどの人には誰のことかわかりませんよね。そして、実際、この人物が、本当に誰かわからなくて問題になっているのです(!?)

まず、下記のイギリスBBCの記事をご覧ください。

つまり、こういう話のようです。

WHOのコロナウイルスの起源調査をめぐって、"アメリカは問題を政治化している"と米国を非難するスイス人生物学者として、中国のいくつものメディアに取り上げられたウィルソン・エドワーズ氏。

しかし、中国にあるスイス大使館が、動きました。中国のSNS「微博(Weibo)」に投稿して、エドワーズなる人物の存在自体を否定したうえで、フェイクニュースの可能性があるとして、メディアに記事の削除を要請。さらに、"If you exist, we would like to meet you!(実在するなら、ぜひあなたにお会いしたいです!)"と皮肉も込めたのです。

ネット上の顔写真にも、ざわつく


この人物の、SNSのプロフィール写真(だとされる写真)が、中国語のSNSに出回りました。

しかし、(海外の?)中国語サイトには、「彼を見つけました!」として、同じ人物の顔を反転させて左右が逆になっているように見える複数の顔写真が投稿されています。

それは、エドワーズ氏の専門の生物学研究とはおよそ無縁と思われる、家具などの広告で、よく見ると写真の下に、それぞれ違うサインと違う名前が書かれているようにも見えます。この他に”肥料”関連商品のパッケージにもこの人物の顔がある、という投稿もありました。

”架空の人物だ”という前提の投稿なので、投稿者の意図を意識した上で見なければなりませんし、写真自体が本当に本物かどうかも確認しようがありませんが、SNSでは、"プチ・エドワーズ祭り”となっていたのです。

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(MIT BBSより)

大手メディアのサイトからは削除済み?


その後、中国の大手メディアからは、エドワーズ氏なる人物について書かれた記事が、一斉に消えたように見えます。ただ、「?」をつけたのには、理由があります。

✅Googleで、「瑞士生物学家:新冠溯源成美攻击中国政治工具(スイスの生物学者:コロナの起源調査は米国の中国攻撃の政治的道具となった」の記事をクリックすると・・・

「すでに記事は削除されているか、期限を過ぎています」という表示。

この他の大手メディアでも、関連記事は見つけられませんでした。中国の英文メディアChina Dailyの記事では、Googleの検索結果のところに少し見えるエドワーズ氏関連の記述は、本文を開くと、消えて?いました。

✅ しかし、中国の検索エンジン「百度baidu」から同じタイトルの記事をクリックすると・・・

まだ残っていたのでした。「百度」で検索する限りは、ほかにも同様の記事はまだ読むことができました。

これが何を意味するのかわかりません。

国外向けには「間違いが見つかったので(?)訂正しました」で、国内向けには「外国の削除要請に応じたりはしてませんよ」と違うメッセージを出しているのか?いや、それは私の考えすぎ、間違いで、別に意味はないのか?他の意味があるのか?いや、それとも単に削除作業が全部終わっていないだけなのか?

一体何がどうなっているのか。エドワーズ氏が、いくら中国に都合の良い発言をしていたとしても、国営メディアが直接本人に確認・取材もせずに、こぞって掲載することがあるのか。もし本当に実在するのなら、なぜ削除する必要があるのか・・謎は深まるばかりです。


ネットが国家間の主戦場に 私たちが気をつけるべきは?


「?」だらけのこのニュース。真相はわかりません。特に、世界中で、敵対する相手の言い分を互いに”フェイクニュース”だと言い合う時代。なので、実際に真相を確認するまで、慎重な姿勢でいることは大事なことです。

ただ思ったのは、今の国家間の争いの主戦場のひとつは、やはりネットだということ。そして今回たくさん拡散されたように、実際に、それに影響を受ける人は少なくないのだろう、ということと、さりとて、真実はやはりだんだん自然と出てくるものだろう、ということ。

そして、これは、世界中どこにでも、もちろん自分の身の回りにでも起きる可能性があるもので、だからこそ、ニュースをしっかりと見極める目を持たないと危ないと、改めて思ったのでした。

あと、フェイクは、ツッコミどころ満載な、嘘っぽいものばかりとは限りません。巧妙なフェイクもあるはず。誰でも、正しいものと間違っているものの基準を内に持っているものですが、それに囚われて情報を見ると、見誤ることもあります。自分が信じているものが嘘をつくことだってないとは限りません。

そう考えると、真実を見抜くことは本当に難しく、努力が必要なことかもしれません。それにしても、やっかいな時代になりました。

ところで、この写真の男性は、今どこでどうしていらっしゃるのでしょう。自分がこんな国際問題に巻き込まれていることを知っているのでしょうか?

🌟英中 同時学習!🌟

「コロナウイルスの発生源調査」を、英・中両語で言うと!

【中】✅ 新冠溯源调查 
  溯源(sù yuán)=由来を遡って調べる

【英】✅ Probe (or study) into the origins of COVID-19 

起源を調べる=trace the origins of...


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