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バスタイム・ルーティーン



浴室の電気を消して湯船にライトを浮かべる。乳白色のお湯に等しい間隔でパステルカラーが代わる代わる広がる。光がわたしのからだを優しく照らしていく。お風呂は私の憩いの場。シャワーを浴びると、わたしのからだから一日の憎悪が水に浮いて流れ出ていく。ここはわたしだけの秘密の王国!
明日は日曜日だから、「お風呂が沸きました」の声を目覚ましにして、優雅に朝風呂といこう。湯船に花びらを浮かせて、バストレーの上

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浮気

花びらが落ちた瞬間、流れ星を見逃してしまいました。それは一瞬の出来事でした。きみが夜空を見つめていたとき、わたしは丘に見たあじさいの花から目を離せなかったのです。ごめんなさい。
後ろめたさと秘密の美しさに一人酔いしれる夜、そろそろ私たちは終わります。

プロポーズ

プロポーズ

永遠なんてものがないことを知ってもなお、私たちは永遠を望んでしまう。たとえばあなたの唇をなぞる指先の感覚や、あなたと目が合ってきらめきを瞬く睫毛のゆれる瞬間、あなたが私を呼ぶ声も、次の瞬間に消えてしまうようなものが、私には愛おしくてたまらない。瞬間のあたたかさというものは、永遠から程遠いところにあるからこそ儚くて、輝きを潜めているのかと思うとなんだかやるせない気持ちになるとともに、「私はあなたとそ

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