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【山が趣味から暮らしへ】南熱海・網代へ移住する 板橋真さんインタビュー

海と山に囲まれたまちで、自然とともに、家族と暮らす。
都心からも通える距離。美味しいお魚にお酒。近くには温泉。
遊びも仕事もやりたいことに挑戦でき、
自然という環境があなたを後押ししてくれる。

そんな憧れの生活が、熱海市のまち・網代(あじろ)で叶います。

こんにちは、私たちは地域再生やまちづくりに興味がある大学生3人組です!
今年の10月から静岡県熱海市・網代地域に拠点を置いている『あじろ家守舎』さんでインターンを始めました。
 こちらのnoteでは、最近盛り上がりをみせている南熱海のまち・網代(あじろ)を拠点に活躍、起業をされている方々へインタビューを実施し、その人がなぜ網代を選んだのか、網代地域の魅力についてお話しを伺い皆さんへ共有していく内容となっております。本日は学生メンバーのみうからインタビューをお届けします!

今回は2019年に都内から網代に移住され、
あじろ家守舎の理事を務め、熱海キコリーズのメンバーでもある
板橋真さんにインタビューをさせて頂きました!

冒頭に書いたような、海と山に囲まれた環境へと移住された板橋さん。
家族と過ごす網代での新たな生活。なぜ網代を選んだのか。暮らしや子育てにも変化が?
その全貌をお届けします!

板橋 真さん

板橋 真(いたばし まこと)
東京都出身。都内で事業開発やコンサルタントとしての仕事をし、2019年、家族で網代に移住。趣味は登山やロゲイニング。網代地域の活性化に取り組む「あじろ家守舎」理事。NPO法人「熱海キコリーズ」メンバーとして週末は林業、森林保全活動に取り組む。

板橋さんプロフィール



【住む場所を変えて、時間の過ごし方を変える】山に住んじゃえ!思いつきで移住へ


ーー 本日はよろしくお願いします。

板橋 よろしくお願いします!

ーー 早速ですが、網代に移住する前は都内に在住していたと伺いました。網代に移住する前の暮らしについて教えてください。

板橋 
都内でコンサルタントとして事業改革や人材支援に携わる仕事をしていたのですが、仕事が好きで、0時や2時など深夜に帰宅するような生活をしていました。
仕事には懸命に励んでいたのですが、当時は子供が生まれたばかりということもあって、このままじゃダメだろうなと。そこで移住を決意しました。

トップコンサルタントの大前研一さんの定説に人生を変えるためにやる3つのこととして、
『住む場所を変える』『会う人を変える』『時間配分を変える』
というものがあります。
移住を決定した際に特別意識したわけではないですが、移住を経験してから本当にそうだなと感じました。

自宅にあるウッドデッキ
森に囲まれながら仕事ができる。

住む場所を変えると必然と会う人も過ごし方も変わってくる。
東京はやることも会う人も多い。しかし、その反面家族や私生活に目を向けれなかった。だから移住をすることで強制的に軌道修正をかけました。

ーー なるほど。ではなぜ網代を選ばれたのですか?

板橋 どうせなら好きなところにしようと山があるところを探しました。当時はコロナ禍前だったのもあり、東京にオフィスを備えていたので都内から新幹線で行けるところが条件。遠いところだと長野、近いところだと鎌倉や葉山も考えていたのですが、なかなか見つかりませんでした。
実は以前、machimoriの市来さんが協力してくださり、熱海でロゲイニングを企画したことがあって…熱海はどうかなと思い探して、出会ったのがこのまちでした。

――  なるほど。そこで網代との出会いがあったんですね。

板橋  実は網代というまちをよく知らないまま決めました。ただ、漁港から見える山々を見て「 お、いいじゃん!」と。それから中古物件を見つけてリフォームをして、今の家に住んでいます。

後からじわっとくる、網代の魅力

ーー 住んでみて、板橋さんが感じる網代の魅力とは何でしょう?

板橋 海と山の距離がほぼない!
都心から一時間弱でアクセスできるところもいいですし…
あと、変な人が多い!(笑)
網代に住んでみてからわかる、後からじわっとくる魅力の一つです。

ーー 変な人!?(笑)

まさかの魅力に一同驚き

板橋   いい意味で癖強い人がすごく多くて、そこがめちゃくちゃおもろいです。
たとえば網代に越してきたばかりの頃、家族で釣りを体験してみたいという話になり、あじろ家守舎の山崎さんがおすすめしてくれた海上釣り堀に挑戦しました。

海上釣り掘をした際のお写真
撮影・板橋さん
網代漁港・海上やボート釣り、釣り船のお店が立ち並ぶ。

そしたらすごく熱血指導で。(笑)
初心者の方にも優しく手取り足取り教えてくれるようなものなのかと思ってたら、部活のような雰囲気で!みんな雰囲気に呑まれて最初は萎縮していたんですが、熱血指導についていこうと必死になってました。
今ではその時指導してくれた方と酒を飲むくらいの仲になり、当初の第一印象を素直に伝えたら驚いてました。今では思い出に残る笑い話の一つです。

ーー お酒まで飲めるように!?(笑)人との繋がりを感じれる良いエピソード、ありがとうございます。移住されてから板橋さんは平日をどのように過ごされていますか?

板橋  現在は基本平日も網代で、自宅をベースにリモートワークをしています。僕は多くて週2回、妻は週1回仕事のため都内へ通勤しています。
オフィススペースは熱海にあるnaedocoの会員でもありますが、仕事場で使うというよりは、皆さんとの交流、人の繋がりを提供してくれる場として利用しています。

naedocoとは?
熱海銀座商店街にある会員制のコワーキングスペース&シェアオフィス。
naedoco入口には利用者含め数々の名刺が貼られている。地域内外の想いをもったプレイヤーが育まれ、つながり、大きく育っていく「苗床」となることを目指し、これからの地域社会をつくっていく拠点となることを目指している。 公式サイト→ https://naedoco.jp

naedoco公式サイトより

なので、今は自宅のテラスやウッドデッキで山に囲まれながら仕事ができています。

ーー 大好きな山に囲まれながらお仕事。とても良い環境ですね。では、休日はどのように過ごされていますか?

板橋 何もなければ子供と一緒に山を登って外で遊んでます!以前は山にしか興味がなかったのですが、網代へ移ってから海が好きになりました。なので、マリンスポーツにも興味が湧いて家族で湯河原に行ってサーフィンにも挑戦したり…子供がスケボーをやりたいと言っていたので始めたり。自然に囲まれているので、やってみようかと思ったことを気軽に始めやすい環境にありますね。

サイクリングを楽しむ様子
網代はサイクリングコースとしても人気

余暇としての山から、暮らしの中の山へ
生活の変化 


ーー 網代に引っ越してきてよかったことは何でしょうか?

板橋 常に森に囲まれて生活や仕事、家族と過ごせることです。環境が物凄く良いし、飽きない。都内に住んでいた頃は、週末に山に登りに行くことでなんとかリフレッシュをしていたんですが、逆に今は山に囲まれて生活できるので登山欲も以前よりなくなりました。
余暇や遊びのための山ではなく、暮らしの中の山に。
山に対する捉え方が変わったのが印象的です。

自宅周辺の森の中

それから、家族と過ごす時間も圧倒的に増えました。
けれど実は移住することを決めた際、妻には猛反対されていました。(笑)

ーー 猛反対!?そこからどのようにして移住に至ったのでしょうか。

板橋 東京で私生活と仕事の両立ができてない現状にも関わらず、移住してそれができるようになるわけ?と喝を入れられまして。その通りだ…と反省しました。それからの話し合いの結果、1、2年の間だけという期限付きで何とか移住を認めてもらいました。

でも、移住をして数年を経った結果、移住をして2年ほど経った時、ちゃんと家族との時間を持ってくれたねと妻が言ってくれるようになったんです。
私は私で家守舎やキコリーズなどのコミュニティで活動を始めましたが、妻は妻で子供の幼稚園での繋がりだったり、地域の人々との関わりだったり自分なりの良さを網代で見つけていったみたいで。最終的にはお互いが納得して、別に(都内に)戻らなくていいよと言われた時は、とても嬉しかったですね。

私たちの家は山の上にあるので歩いては行けず車が必要だったり、網代には幼稚園や小学校が廃校してしまったので子供の幼稚園も隣りまちの多賀まで毎日送迎したり、食事をする場所の選択肢がなかったりと暮らしには大変なことも多いです。

ですが、それにより自宅で家族と食事をする機会が増えたり、困ったことが起きた際は知り合いの方にお願いしたりなど、地域の方々とコミュニケーションを取ることで解決できています。有難いことに、僕たちは人に恵まれた環境にいるなと感じます。

まちに育てられる子供達 
大自然の中での子育て 

ーー ありがとうございます。網代へ移住されてから暮らしや生活へのモチベーションに変化はありましたか?

板橋 一番は子育てでしょうか。移住してから、圧倒的に子供と過ごす時間が増えて、子供の日々の変化や成長に気づけるようになったんです。

 それから、幼稚園のPTAにも参加するようになって、他の子供達とも接する機会ができました。幼稚園の方々や先生達も優しい人ばかりで、他の子供に対しても自分の子供のように接してくれます。だから僕自身も他の子供達に対しても自分の子供と遊んだり、時には注意したり。この距離の近さは東京にはなかったんですよ・・・下手したら保護者の方から怒られちゃいそうじゃないですか。(笑)

よく(あじろ家守舎の)山崎さんが「僕はまちに育てられました。」って言うのを聞くんですが、この部分からもその片鱗を感じます。

自宅でキャンプを楽しむ様子

あとはやはり、子供にとって自然の中を走り回れる環境って最高で。
引っ越す前は都内のいわゆる高層マンションに住んでいたんですが、公園で裸足で遊んでる子供を見かけることが珍しい環境でした。
それに対して今の環境は、平気で泥んこにも裸足にもなれる。小さい頃の今しかできない経験を、思う存分楽しんでほしい。都内じゃなかなかできないので、そういう育て方ができてよかったです。

僕が自然の中で子供を育てようと思ったのは、自然に触れることで、自分で考え決める力を養って欲しいという思いもありました。登山とかでも、どんなに自分が計画を立てていても、相手は自然なので自分の思い通りにいかないことが多いんです。そういうときにこそどう判断するのか、リスクヘッジして進むのか、引き返すのか、状況をみて自分で考えることができる子供になってほしい。

僕自身の経験もありますが、東京って何でもあるからこそ、あまり深く考えなくてもレールに乗っかれば割と何でもできちゃう。でも、万が一それが人と違っていたりしても、1個1個やりたいことを考えて行動する子供になってほしいなと思い、この環境を選びました。

移住先で繋がる人との出会い


ーー移住されてきてから4年ほど経ちますが、地域の方々との繋がりや交流はどのようにして得ていましたか?

板橋 僕が所属している林業団体のNPO法人熱海キコリーズは、網代に引っ越してきて色んな人から山が好きだったらキコリーズに入りなよ!という声をいただいて。
週末はキコリーズで林業や森林保全の活動をしています。

実は引っ越してすぐコロナ禍になってしまったのもあって、しばらくは街中の人々との交流ができていませんでした。引っ越してから一年ほど経ったとき、naedocoで網代にUターンしてきた方が網代のまちを案内してくれる企画があって。その際に案内してくれたのが山崎さんだったんです。そこから山崎さんをフックにまちづくりや網代での活動に携わるようになりました。網代や人を繋ぐきっかけになったので、彼にはとても感謝しています。


↑あじろ家守舎理事長・山崎さんへのインタビューはこちら

あじろ家守舎を作ったのものも、そこから山崎さんの網代をもっと活性化して盛り上げたいという展望を聞いたからです。幼い頃から網代に住んでいた地元の人の山崎さんと網代に新しく移住してきた僕、アクセルとブレーキのように相性が良いのかもなと思っています。

ーー 今後、網代にこういうまちになってほしいというビジョンはありますか?

板橋 移住してまだ4年ほどなので、ビジョンなんて大層なものは語れませんが…熱海には熱海、網代には網代の良さがあると思うんです。もちろん現在の熱海の市街地の観光の賑わいはすごいですが、網代は持ってる観光資源もまた違う。

網代漁港にて・アクティビティ後の至高の一杯!
水が美味しい静岡はお酒も格別だ。
板橋さんは現在新たに、クラフトビールの醸造所の
立ち上げに向けて活動中。

僕の場合は家族との時間を増やしたい…という目的でしたが、人生を振り返って、一度立ち止まることができた場所が網代なんです。ゆとりのあるこの環境で、自分を見つめ直したり振り返ったりする場所として網代があればいいなと。

山頂から見下ろす絶景。
ハイキングのあとはこの景色を見てリフレッシュできる。

ふと立ち止まって、これからを考えたい人に来てもらって、新しいことにチャレンジしてもらうのも素敵ですし。

あとは、先ほども言った変な人に会いに行く観光の仕方ですかね。(笑)あの人に会いに行こう、で始まる観光があってもいいと思います。網代はやっぱり人が起点ですから。

ーー板橋さんはどんな方に網代をお勧めしたいですか?

板橋 正直、いきなり移住は記事を読んでる方にとっても難しいと思います。知らない人といきなり結婚できないように、知らない場所ではいきなり住むのは難しい。
しかし今は、毎週末ほぼ誰かが自宅に遊びにきてくれます。しかも何度か来てくれる人ばかりで…よくもまあ飽きずに来てくれるなとも思うのですが。(笑)やっぱりそれはなにか特別な1つのことより、この自然に囲まれた環境だったり、人と喋れる機会だったりを楽しんでいる人が多いと思います。
あとは、温泉好きだったり、お魚やお酒が好きな人…僕の知り合いというのも大きいですが、登山やアウトドアが好きで、好奇心旺盛な知人たちが「網代、いいね」と言ってくれるので、そういう方にはぜひ網代に訪れてほしい。

小山臨海公園でロゲイニング

↑板橋さん行きつけの網代の魚料理店。
網代に来てくれた知人の方々と魚を楽しむのに打ってつけの場所。

板橋  僕達のように移住まで行かなくても、東京に住んでいても、週末は網代へ。人との関わりを増やす。そんなサードプレイスとしての利用ができたら理想だと思います。

インタビューの様子

ーーインタビューは以上になります。本日はありがとうございました!

板橋 ありがとうございました!


いかがでしたでしょうか?

網代での子育てや板橋さんの新たな挑戦を伺いました。
そして、サードプレイスとしての網代。
遊びも仕事もやりたいことに挑戦し、
自然という環境があなたを後押ししてくれます。

人に会いにまちに行くという観光の在り方は、
網代らしい観光の在り方だと感じます。

私たちあじろ家守舎はInstagramでも
網代のスポットやおすすめのお店をご紹介しています!

ぜひ、こちらもチェック!

編集後記
網代で心機一転新たな生活を始めた板橋さん。子育ての変化や自然の中で子育てをする意味について伺った際の「考えれる子供になってほしい」という想いにとても感銘を受けました。人生を変えるには住む場所、会う人、時間配分を変える。行き詰まったとき、人生の教訓にしたい考え方です。人生で行き詰まったとき、立ち止まったときに網代があなたを支えてくれますように。疲れた週末は海と山、温泉、お魚、お酒…それらで気分をリフレッシュ。ぜひ、一度網代に足を運んでみてください🐟

インターン生 みう



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