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サブスク至上主義社会【#2020年代の未来予想図】

さて。

巷では猫も杓子もサブスクリプション……、いわゆる「サブスク」というものが流行っておりますな。ご存じない方のために簡単に説明いたしますと、お客は商品に対してお金を払うわけではなく、利用できる「期間」に対してお金を払うんですな。すると、お金を払っている間はサービスを利用し放題……と、まあそんな新しいサービスの呼び名ですな。

例えば「音楽」。音楽であれば、ひと月いくらで金額が決まっていて、支払うとその月は聞き放題ってわけです。同じように飲食店でもサブスクってのはあって、一定金額払っておけばなんとこれが食べ放題。焼肉なら焼肉、ラーメンならラーメン。どれだけ食べてもひと月いくら、と決まっているわけですな。

……え?

それだと、店側が損するばかりじゃないかって? 大食いの人が来たらどうするんだ? もちろんそういうリスクはありますよ。ただ例えば……、あなた、お気に入りのラーメン屋ってのはありますかな? 1杯800円として、月に何回行きますか? よっぽど好きでも週1回くらいでしょう。そしたら店も頭ひねってくるわけで、「月の定額料金は2000円です」とすれば、お客さんとしても、ちょっと頑張らないと元が取れない。ただちょーっと頑張れば、普通より安く食える。お店は毎月お金が決まってもらえるんだから安心できる。何より沢山店に来てもらえる。どうだい、どっちも得でしょう? ウイン・ウインってやつですな。考えた奴は頭がいいやつなんでしょうなぁ。

ところで。

そうは言っても、ここまでサブスクが流行ってくると、そのうち何から何までサブスクになっちまうんじゃないか……って私なんか思うわけです。何せ便利は便利ですからね。電車の定期券だって言ってしまえばサブスクでしょう? テレビだって今は半分はサブスクですからね。他のものでいえば……そう、衣料品。洋服やバックなんかも、一定金額払えば借り放題! なんてどうですかな。飲食店だけでなく、日々の利用するコンビニやスーパーだってサブスクサブスク言い出すかもしれません。会費さえ払っていれば買い放題。いいじゃないですか。サブスクにあらずは人にあらず……なんて。そうなったときに本当に「猫も杓子もサブスクだ」っと言うべきなんでしょうな。

ただね。

みんな同じ金額払えば、同じサービスを受けられるわけで、便利は便利でいいことですが、これって結局みんな横並びってわけです。私なんかみたいに無駄に年ばっかり食ってるものが「横並び」なんて聞くと、そりゃ『社会主義』じゃないのかね? なんて思ったりするわけです。

平等は誠に結構。でもサブスクを提供できない会社はどうなるかね? そりゃもちろんどんどん統合されて、なくなっていくわけですよ。そうなるしかない。だってあなたの会社はサブスクできますか? 単にやるだけじゃダメで、それ大手がやるより便利で安いですか? ってなってくる。ほら、できやしないでしょう。そうやってどんどん会社は数を減らし、生き残るのは国にほど近いところにいる一部の大企業だけってわけですな。

ほら。

これでは国がやってるのとさほど変わらない。まさに社会主義の構図ですな。もちろん社会主義の中でも特権階級はいるように、自然と「一部の金持ちと、残りの平民」という構図ができるのでしょう。決められた一定サービスで満足できてしまうように教育された下々の民。そしてそこから上がってきた溢れんばかりのお金を使って豪遊する富豪様方。地獄絵図ですな、これは。ただ最も恐ろしいことは、これがなにも突飛な話でないということです。いかにも農耕民族の我が国らしいという気もいたします。

……ん?

私がどちらかって? そりゃもちろん平民の側ですよ。間違いありません。何せ私はすでにどっぷりサブスク沼に落とされてますから。



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「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)