「評価されているけど好きじゃないマンガ」を聞いてみた!【#マンガの話がしたい】
先日、「評価されてるらしいけど、好きじゃない」「みんな好きだけど、わたしはキライ」といった、世間との評価との間に乖離があるマンガをみなさんに聞いてみました。
誰かが好きと言っていたり、すごく評価されている作品でも、自分が読んでどう思うかは別問題。わたしはあんまり好きじゃなかったな……なんて思うこと自体はけしてめずらしくありませんし、もちろん悪いことでもありません。
でも……、そんな否定的なことをネットで言ったところ、あらぬ方向からひんしゅくを買うなんてことは今日日ない話じゃありません。結果、胸のうちにその否定的な意見をしまいこんで、もやっとしたまま終わった経験は皆さんも一度や二度はあるのではないでしょうか。
そんなわけで、このたびマシュマロを使って「匿名」の形で、そんな世間の評価とのズレを感じてしまったマンガを募集してみたわけです。
はたしてわたしはどの立場で首を突っこんだら良いのか絶賛悩み中ではありますが、せっかくたくさんマシュマロいただいたのでひとつづつ見ていこうかと思います!あ、いただいたマシュマロですが、多少削ったりさせていただいてますのでご了承ください。
1 『鬼滅の刃』
『鬼滅の刃』はわたし、マンガの序盤しか読んでいないので作品にたいしてどうということは控えますが、「流行りすぎて引いてしまう」のは結構わかります。そもそも「オタク」って自分で見つけた作品をみんなに知ってほしいのに、実際に売れだしたらなんだか興味が薄れちゃったりする矛盾した生き物ですよね(笑
実際のところ、世間的な大ヒットには運とかタイミングとかいろんな要素がからんでると思うので、こんなに大ヒットしてるんだからそれに匹敵する面白さがあるだろう!っていうのはそこまで比例してこないかと思います。『千と千尋の神隠し』は『風の谷のナウシカ』の15倍売れてますけど、15倍面白いかって言われたそうじゃないですもんね(笑
でも気持ちは話題性に引っぱられて、結果的になんか斜に構えてしまう。これはとてもわかる感情です。
2 『怪獣8号』
読んだときの年齢とか状態とかで、そのマンガに対するイメージってぜんぜんかわってきますよね。
わたしも中学生とか高校生のときとかは普通にジャンプのマンガが好きでしたが、そのあと10年以上ジャンプのマンガはもういいかな……って思ってた時期があります。ジャンプというか「週刊連載」が性にあわないなぁとか思ってました。毎週読者を引っぱるために山を作る必要があるから、にぎやかな分、忙しいなと感じていたんです。
それが今ではジャンプ本誌も、ジャンプ+もたくさん読んでますからそんなもんです。無理に読む必要なんてなくて、そのときの自分にあうものを、ほしい分だけ楽しめばそれで充分ですよね。
3 『五等分の花嫁』
う~む、たしかにご都合主義と感じるようになってしまったらハーレムラブコメは読めないかもしれませんね(笑 ラッキースケベひとつとってもご都合主義ですからね(笑
この辺の求めるリアリティのレベルもやっぱり年齢とかでかわってきますよね。それこそ少年漫画と青年漫画の違いのようなものでしょうか。わたし自身、最近はハーレムものよりも、相手が決まっているラブコメのほうが好きな気がします。
宣伝ですけどこんな記事も書いたのでどうぞ(笑
4 『あかね噺』
『あかね噺』ジャンプで破竹の勢いですもんね。わたしも大好きです。
愛の大きさがどうなのかは先生に聞いてみないとわからないところですが、このへんは「週刊少年ジャンプ」という、王道週刊少年誌での連載であるということが難しいところなんじゃないかと思わなくはないです。
読者全体にたいして、落語が好きな人はごくひと握りでしょうから。広く訴求するためにはテーマを使いつつも、「キャラクター」や「物語」を中心に魅せざるえないのかなぁと。
や、でも扱っているテーマに対する愛が深ければ深いほど、作品のなかでの扱われかたとの齟齬を感じてしまうことってありますよね。わたしもバンドものとかだと細かいところにこだわって見てしまったりします。シールド、ストラップ通さずに直差しか~とか(笑
5 『チェンソーマン』
これね……その、どうしようかな(苦笑
いやわたしですね、『チェンソーマン』を面白いとは思っているのですが、同時に、「結構むずかしい」という印象を持ってるんですよね。「話」がじゃなくて「絵」がむずかしいと感じてます。
『ルックバック』なんかではむずかしさを感じなかったので、たぶんアクションまわりのコマ割りとかが先進的で独特なんだと思ってます。そういうものを狙っているのかどうかはわからないんですけど。ただ、先生がインスピレーションを受けたと公言している『ドロヘドロ』もさぁ……あれ、難しくない?(笑 ――そう思うと、狙ってやっている気もします(笑
そんなわけでわたし的には、どっちかというとみんな『チェンソーマン』普通に読んでてすごいなぁとか思っていたりするのでした(笑
6 『進撃の巨人』『呪術廻戦』
えげつなさ耐性は人によってかなり差がありますもんね。『進撃の巨人』なんかは頭から食べられちゃったり、結構えげつない表現ありますからこのへんはもう仕方ないところです。
そして滔々と語られすぎて覚めるのわかります(笑 それこそちょっと前だと興味ないのに『鬼滅の刃』を人からすすめられるハラスメントこと「キメハラ」も話題になってましたね(笑
かといってたぶん我がごとに置き換えたら、好きな作品の話してるときとか、相手がどう思ってるとか考えずにごり推ししてたりするんだろうなぁとか思うと、あんまり悪くも言えない気もいたします(笑
……え?『呪術廻戦』は?
いやごめん、これがまったく読んでないのよ(申し訳
7 『鬼滅の刃』『【推しの子】』
『鬼滅の刃』2票目ですね。
やはり世間的影響力のつよい作品は、皆様の目にも止まりやすいということでしょうか。そして『【推しの子】』。今ではアニメも大人気ですが、たまにあわなかったって意見聞きますね。
世間の評価とか、TLの反応とかがいくら良くても自分に刺さらないことなんてくさるほどありますから。わたしはマンガとか、コンテンツの楽しさってどこまで行っても共感だと思っているので、好き嫌いってすっごく個人的な感覚のはずだと思っています。自分もふくめた世間の多くの人が「みんな好き」なんてそんなのは奇跡みたいなもんです。
『【推しの子】』なんかは特に1巻読んであわなければ、その先もきっとあわないと思います(笑 そこでいさぎよく切りすてるのもまた正しい選択。ほかの自分にあったマンガのためにそのお金を使えばいいんですからね。
8 『ただの飯フレです』
2コマ目といいますと……「ひとり ごはん いけない」と主人公がチェーン店っぽい牛めし屋の前でひとり寂しくたたずむコマですね。
――っていや、ひとりご飯いけない人は普通にいると思いますよ(笑 まあたしかにいい年してゆるいこと言ってるなぁとかは思いますけども(笑
結構、この飲食店行ける行けない問題って聞いてみると人によっていろいろ差があるみたいなんですよね。わたしはひとりファミレスとかひとり焼肉とかはいけない人なんですけど、ラーメンとか牛丼屋は全然平気です。相方に聞くと、逆にファミレスは全然平気だけど、ラーメンとか牛丼はダメっていうんですよ。
あとわたしごとでいうと、そもそも自分ひとりだけだと飲食店に入ってご飯食べるのめんどくさくなっちゃうとかありますね。
ものすごい食べたい何かがあればともかく、店に入って注文してお金払ってっていう一連の流れにめんどくささを感じてしまうという。ま、いっか……ご飯いいやってたまになります(笑
9 『SPY×FAMILY』
これまた厳しい意見が(笑
いや、ただまぁわかる部分はあるにはあります(笑
発端はロイドが政治家に近づくために……みたいなところでしたっけ。その目的に向かって動いているのは基本ロイドだけで、アーニャはわかって行動しているとはいえ、ヨルさんとかは基本完全にカヤの外。そのせいもあってか、三人それぞれが別々に活躍するエピソードが多いんですよね。
もちろんあのキャラクターたちの魅力は素晴らしいので、各キャラの活躍を見るという楽しみは十二分にあるとは思いますが、目的はなんだっけ?と我に返ってしまうというのはわかる部分があります。
「キャラに愛着がゼロ」に関してはわたしはむしろすごいと思っていて、打算の積みかさねであんなに魅力的なキャラを創れるっておそろしい技術だなーと思ってます。商業は売れてなんぼですからね。
10 『鬼滅の刃』
『鬼滅の刃』3票目ですね。さすがのモンスターマンガです。
炭治郎はいくつでしたっけ~と思って調べたら15歳でした。若いと言えば若いですが……と思って、他のジャンプ主人公の年齢も調べてみました。
デクは16歳で、ルフィは17歳、ちょっと上ですね。黒崎一護は最初15歳。浦飯幽助は14歳?若いな……、で、桜木花道15歳!!??1月1日生まれの高校1年生だから……そりゃ15歳か。
有名アニメで行くと、エヴァの子たちはみんな15歳くらいだし、アムロも15歳っていうかガンダムは15歳が多いんでしたっけね。ナウシカは16歳か、若いな。ケンシロウ18歳?ウソやろ。
並べてみると、年齢としてはめずらしくはないものの、やってることの殺伐さからすると、炭治郎の15歳はたしかにちょっと若い気がいたしますね。少年らしい未熟さとか、純粋さなんかは物語のプラスになる面もあるでしょう。でも読者の立場として共感するためには自分に近くないといけないですから、若い主人公はそこまで若くない読者にとっては不利ですよね。
最近はアラサー主人公珍しくない、みたいな記事ありましたし。
あ、これこれ。
あれ剣心って三十路じゃないの?で、銀さん結構年だったのね。
11 和月伸宏先生の作品
おや、話題のアラサー主人公が(笑
あ、さんざん三十路って言われてたけど実際はアラサーだったってことか。理解理解。
わたしの『武装錬金』のイメージはパピヨンさんと「真っ赤な誓い」の二択なので、まあ間違ってはいないけど間違っております(笑 そしてわたしは『るろうに剣心』は世代直撃なので、好きも嫌いも好きのうちみたいな感じです(笑
先生の絵のタッチちょっと変わってるんじゃないかなーなんて思ったことはありますね。その、変わっているというか「少女マンガ的」なんじゃないかと。特にキャラの造形とかでしょうか。ほら目とか結構キラキラしてるし。そこがウケたんじゃないかと思うんですけど、人によってはそうじゃない人もいますからね。
12 『作りたい女と食べたい女』
ああなるほど。「作りたいほう」が女性的で「食べたい方」が男性的なのは、男女でもその関係性が一般的ですもんね。それでいいのかって話ですよね。
これ、完全にわたしの妄想なんですけど、ひとつ思っていることがあるんです。そもそも『作りたい女と食べたい女』は、連載当初、いまほどジェンダーとか性的マイノリティとかを意識した作品じゃなかったんじゃないかと思うんです。
実際、性的マイノリティに対する編集部注が初めてはいったのは2巻の途中です。だから最初のへんは、あくまでも「作りたい女」と「食べたい女」を描きたかったんじゃないかなぁと。そこにあるのは性的指向でも性自認でもなく、たんなる需要と供給です(笑
だから最初の設定はああいうわかりやすいステレオタイプで始まったんじゃないかなぁと。お話を転がしていくうえで、互いの関係性がだんだん見直され、結果、今の方向性に変わったのではないかと。
――で、今ではかなりジェンダーとか性的マイノリティとかに対する意識の高い作品だというイメージが浸透しているのでギャップが生まれるのではないかという。
ま、もう一回いいますけど、あくまでもわたしの妄想ですよ(笑
13 町田洋先生の作品
「雰囲気がいい」みたいに評価されがちな先生は好き嫌いわかれますよね。とくに町田洋先生はファンタジーというか、おとぎばなしのようなやわらかい空気がありますもんね。そして好きだと公言している人も結構たくさんいる印象があります。
どの作品とかは言いませんけど、独特な画風をもつ先生の作品が、なにかのきっかけで世間にひろく見つかると、純粋な作品の面白さ以上に評価されているんじゃないだろうか?と感じることとかありますわたし。
――いやわかるんですよ。「マイナーだけど面白い作品を自らの手で見つけたぜ!」っていう感覚って、たんに面白いと言われてる作品を読んで面白かった~というのでは得られない快楽があるんですよね。
そういうバイアスも含めて好きとか嫌いとかって形作られるし、それが当然ですから、最終的に頼れるものは自分だけ!って良く思います(笑
14 『ONE PIECE』
5巻といいますと……サンジのところはじまったくらいでしょうか。
ということはまだ「クソお世話になりました」もまだってことですよね。
個人的にはこのバラティエ編(5~8巻)の「クソお世話になりました」からの、アーロンパーク編(8~11巻)で「助けて……」「当たり前だーーー!!」あたりで、沼にはまる……というかわたしそこで泣いたし……、ま、そんな良いイメージがあるので11巻くらいまでは読んでほしい気がしますが……、そもそもこういうすすめかたってすでにちょっとウザかったりしますよね、すいません(笑
天下の尾田栄一郎先生といえども、後期とくらべると初期はやっぱりつたない印象もあります。全体からの比率で言えば100巻に対しての5冊と考えると5%ですから、10巻完結のマンガだと1巻の半分しか読んでいない計算になりますしなにそつ……(強引
ただわたしもですね、序盤はワンピースをリアルタイムで買っていたんですけど、そのあと10年以上買わない期間があり、今はまた追っかけてるって感じなんです。面白いと思う機会があったときに戻ればいい。そんなゆるい感じでいいんだと思います。
もしくは、あと10年もあれば完結すると思いますからその時に一気読みとかね(笑
まとめ
というわけでの14件でした。
マシュマロくださった皆様、ありがとうございます。
調子に乗って書きすぎました。あと、立ち位置にめっちゃ困りました(笑
ほんとはオープンな場所で、自由にそういう意見も言えるのが理想的なんでしょうけど、なかなか難しいのが世の理ですから。あやうくわたしが苦手なマンガの感想もしれっと混ぜようかと思っていたのですが、自分の回答に自分でコメントするという光景がシュールすぎるのでやめました(笑
ま、たまにはこういう試みもあっていいですよね。
またなにか企画したときは皆様もお力添えください。
皆様ありがとうございました!
「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです!(*´ω`*)