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たけのこ
2021年5月22日 17:35
秋も終わりがけのその日。 日が落ちてからはもうだいぶたっていた。駅のホームにいる人影はまばらで、いっそう人気のない場所を探して「少し奥の方に行こう」と彼女をうながす。 精一杯のさりげなさを装って他愛ない会話を続けていたつもりだけれど、緊張の系が今にも切れそうなほど張りつめた僕にそんな芸当かできていたとは思えない。そんななか、残った勇気をふりしぼって僕は本題を切りだした。「僕と付きあって