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デザインに知財戦略が必要な理由とは?【登壇資料公開中】│weekly ajike #33

今週、デザインと知財をテーマにしたイベント「UX dub」を開催しました。ゲストには知財戦略のスペシャリスト、 IPTech特許業務法人 代表弁理・公認会計士の安高史朗@ipfbizさんをお呼びしました。
デザインを知財の角度から見るイベントはなかなか少ないもので、開催まではどうなるものか..と心配していましたが参加者の方々からはポジティブな感想を多くいただきました。今回はイベントの資料や当日いただいた質問などイベントの様子をレポートします。

UX dubとは?

UX dubは、UXデザインに縁のある方々の交流の場であり、参加者の方々とUXデザインの本質を考える場所となることを目指しています。
今回は4月16日(火)19:00より、USEN Media社と弊社ajikeの2社で開催しました。前回はインプロワークショプをしました。インプロについてはこちら→チームの心理的安全性を高める「インプロ」

LT「知財とデザイン〜デザインを知財で守るために〜」

ではではイベントの内容をレポートしていきます。まずは、ゲストの公認会計士・弁理士の安高さんよりデザインにおける知財とは何か、事例を交えてお話いただきました。こちらが当日のスライドです。短いスライドですので、知財について知りたい方は目を通してみてください!

デザインは、「デザイン経営宣言」でも言われる通りサービスの競合優位性になります。ただ、他者から真似されるのは簡単なため「守る」視点が大切になります。そこで守る手立ては、以下の5つ。

デザインを守る手立て(特にWebデザイン・GUI)
・著作権
・不正競争防止法(商品等表示)
・意匠権(画面デザイン意匠)
・商標権(図形商標・ロゴ商標)
・特許権(UI特許)

上の2つ著作権、不正競争防止法は手続き不要です。その他3つは手続きが必要になります。意匠権は、2年前に法改正が行われUIデザインも保護対象になりました。

UI特許では、アップル社の「Slide to Unlock」が紹介されました。これはiPhoneのロック画面で、スライダーを横にスライドしロック解除できるものです。この機能をめぐりアップル社とサムスン社が長らく特許侵害を巡って争った末、アップル社が勝訴しました。

この事例のように特許は、基本的にアイディアを保護するものです。著作権であれば、見た目のデザインが近くても細かなデザインを変えていると、権利侵害にならない場合があります。一方、特許はその機能自体が保護対象になるため、見た目を変えたとしても保護できる場合があります。特許の取得は難しいですが、こういった点から特許は競合優位性になるとお話がありました。
また、Apple社は「Slide to Unlock」の他にも数多くの特許を取得しています。気になる方は調べてみてください。

LTの最後は、「自分のデザインをしっかり知財で守る意識と知識が必要」という言葉で締めくくられました。自社のデザインを保護する社内体制を作り、知財で守ることが重要です。

パネルディスカッション

続いてパネルディスカッションでは、弊社代表の梅本がサービス責任者やデザイナーの目線になり安高さんに伺いました。
まずは、sli.doを使って参加者のみなさんに職種を質問。過半数がデザイナーで、その他には知財担当者、エンジニア、ディレクターでした。次に社内でデザインの知財保護を進めているか、聞くと約6割が「いいえ」でした。ですが、「想像以上に知財保護する企業さんが多い印象」と安高さん。一般的にはもっともっと知財保護する企業さんは少ないのでしょうかね。
パネルディスカッションの本題では以下の4つを中心に伺いました。

・なぜデザインに知財戦略が必要か?
・社内で知財保護のカルチャーを作るために必要なことは?
・知財保護をするために、専門家にはどのタイミングで相談したらいいか?
・社内で知財保護を反対された場合、どう乗り越えたらいいか?

sli.doを使ったQ&A

そしてQ&Aコーナー。イベント中にsli.doで質問を受付けました。想像以上に多くの質問が集まったため、参加者に「👍いいね」を押して投票していただき答える質問を決めました。集まった質問の一部がこちらです。

・新しいSNS企画中です。 保護されている他社のデザインを確認するのに適した資料、サイトが知りたいです。
・協力会社が集まっておこなったブレストや打ち合わせで出たアイデアは誰のものと考えるのがいいでしょうか。皆が納得するスムースなやり方はあるでしょうか
・何が知財に引っかかっているなど確かめるすべは、専門家でなければ難しいのでしょうか?
・自分の作っているものが、他のものに似ていて、あぶないかも、と思ったら、どのように対応するべきですか?

1つ目の質問、「新しいSNS企画中です。 保護されている他社のデザインを確認するのに適した資料、サイトが知りたいです。」には、独立行政法人工業所有権情報・研修館の「特許情報プラットフォームJ-Plat Pat」が紹介されました。ただし確認方法が難しいようなので、調べなからの利用がおすすめだそうです。

あっという間に時間が来てしまい、全ての質問に答えきれないままQ&Aコーナーを終えることになりました。アンケートには、「質問の時間をもっと長くして欲しかった」という感想をいくつかいただきました。申し訳なかったです...。。😭

続きは懇親会で話しましょうということで、最後は懇親会でした。様々な領域のデザイナーさん、知財担当者の方など多職種が交差する場になりました。

今回のイベントにご参加いただいたみなさま、誠にありがとうございます!みなさまにとって少しでも日々のヒントになることがあれば嬉しいです。今後もUX dubは開催していきます。開催予定についてはTwitterで発信していきますので、ぜひフォローをお願いします!

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🔔最後にお知らせです🔔

只今、以下のポスト募集しています。事業の上流からデザインをしてみたい方、人の体験を考えたデザインをしてみたい方はぜひ、採用サイトをご覧ください。

- PM/UXデザイナー/ディレクター
- アシスタントUIデザイナー
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