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涙のnoteのイベント 『最善手ドリル』★7★

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今からおよそ1年前。2017年5月30日(火)cakesとnoteのイベントに申し込みました。

当時、私はnoteの超ライトユーザで、投稿数は3か月で15記事。特にお気に入りのユーザを探すことも、フォローもしていません。完全に孤立した状態のまま、数記事をアップしたという状態でした。当然、ページビューもゼロに近く、コメントなどの交流もなし。

ああ、せっかく良さそうな表現の場を見つけたのに——執筆のモチベーションがまったく上がらないので、リアルイベント『cakes note night』に参加してテンションを上げようという目論見でした。

そんなわけで、2017年5月30日の授業を休みにして渋谷へGO。ところがここでいきなりハプニング。家を出てから15分後、電車の中で「スマホを持ってくるのを忘れた」ことに気づいたのです。

【問題】

時間にはまだまだ余裕があります。イベントについては、開始時刻は覚えていましたが、場所はあいまいです。記憶しているのは「渋谷のLOFT」という情報だけです。あなたならどれを選びますか?

①仕事場にスマホを取りに戻って、また出直す。
②スマホがない1日を楽しめばいいと考え、戻らず渋谷へ。
③目的地を変えて、そのまま別の場所へ旅立つ。

制限時間1分

◎実戦の棋譜を見てみよう

久しぶりに、平日の授業を休みにした解放感からか、私はなんと【②戻らない】を選んでしまった。これがとんだ大悪手。まずLOFTについたら、イベントスペースらしきものがない。2階に「シティラウンジ」なるおしゃれカフェがあったのですが、ふつうに営業していて、イベントをする気配というか、貸し切りの雰囲気はゼロ。ちがうLOFTかな? と思って店員に聞くと、LOFTは渋谷にはここしかないと言う。ここしかないならここしかない

そして私はもう一つ重大なことに気づく。お祝いのパーティーのはずなのに、手ぶらで来てしまった! たしかに面識がある人は、運営側に一人もいない。ただ、15記事しか書いていないとはいえ、良い場を開発してくれた方々に、感謝の気持を伝えるべきだ。手ぶらはあり得ない。

LOFTでペンとカードを買い、スウォッチの近くの花屋さんで花を調達、「Francfrancのカフェ」でひと休み。いざカードを書こうとすると、cakesとnoteがそれぞれ何周年かあいまい。そしてあいまいなまま、ぼんやりとしたカードを書き、開始時刻の少し前にLOFTのおしゃれカフェに戻ると、当然イベントなど開催されていなくて、ふつうに営業をしている

この段になって、かなり焦る。ひとまず、note公式にアクセスし情報を確かめよう。そう思うがスマホがないためネットに接続できない。ネットカフェでもないかなと、雑居ビルを見上げながらキョロキョロするが、見つからない。そこで電気屋さんを探す。渋谷に家電量販店があるイメージはまったくないんだけど……。

この時点で、もう渋谷から去りたい気持で一杯になり【③目的地を変えて旅立つ】の選択肢を選んで、自然がいっぱい高尾山へ行くのであった——というのはウソで、5月にしてはやや蒸し暑い中、あまり好きではない渋谷の街を哀しい気持で徘徊。ようやく「Labi」なる量販店を見つけ、一階のiPadのコーナーへ。さりげなく試すふりをして、note公式を調べようと思ったら、販売員が寄ってきてあれこれ質問ぜめ&商品説明を始め、なかなか検索がうまくいかない(※あちらは当然の業務です)。

何とかiPadでnote公式のイベント記事を見つけ住所は「円山町1-5」ということがわかる。会場は『LOFT』じゃなくて『LOFT9』だった! 自分、来る前はLOFTの9階くらいだと思っていたのかも。

しかし、ここで私はまたもや悪手を選択。1-5という住所のハイフンを見落とし、円山町15だと思ってしまう。交番に行き、円山町15の位置を地図で確認。ようやく判明した場所をずっと探すも、ぜんぜん見つからず。仕方がないので、円山町15の近辺にあったセレクトショップのようなお店に入り、パソコンを借りてnote公式を調べ直し、ミスに気づく。そしてようやく『LOFT9』へ。

* * *

超余裕をもって仕事場を出たのに、会場についたときには当然、大遅刻。精神的にも肉体的にもへとへと。LOFT9は大盛況で満員。佐渡島さんと加藤さんのトークは始まっていて、空いている席になんとか座るが、気持ちはまったく落ち着かない。

そして——

みんなが共有していると思われる情報を何一つ知らない。登壇者もぜんぜんというか全員、知らない方ばかり(テレビはもちろん、ネットも限られた範囲しか見ていないので)。ていうか、なんで自分はここにいるんだろう・・・

知り合いもゼロ。

みんな、すごく楽しそうなのに、疲れからか、ぜんぜん入っていけない。ここまで来て楽しくなさそうにするのも周りの人に悪いから、楽しそうな顔を作るけれど、そんな自分が嫌になりテンションがさらに低下。渋谷まで来て、迷いに迷って、何やってんのかな自分・・・

20代の頃は、こういうイベントに参加して、すごくいい刺激を受けた気がする。自分も表現する人になりたいなって。でも、入っていけない原因に気づいた。もう自分は……刺激を受ける時期は大幅に過ぎているんだ——

するのはインプットじゃなくてアウトプットだろ。

noteに3か月で15記事だもんね・・・ファイナルカレーもスープもポルトガル料理もおいしかったし、登壇者の話も上手で面白かった。観ている人たちの楽しそうな笑顔も素敵でしたが、久しぶりに思いっきりへこみました

もう、noteはいいや。アウトプットもしなくていい——


それから半年以上、noteをぜんぜん書かなくなってしまいました。アクセスすらしていない状態がずっと続き、書こうとも思ってませんでした。

それなのに——

年が明けて2018年1月22日。東京は大雪で、無理やりやってきた高3マグマちゃんを除いて、授業はすべて中止。5月30日以来、久々の、いきなりの平日休みになってしまった。雪はとにかくすごくて、こんなに降る雪は東京では初めてで、教室に閉じ込められてしまった感覚。

一瞬にして全然変わってしまった外の世界を2階の窓から眺めていたとき、今を逃したら大きく変わるチャンスは永遠にないかもと急に思いました。

その直後から、年末年始に少しずつ進めていた『ポニイテイル』のリライトをnoteへアップし始め、『2018年にやりたいこと』を書いて固定ノートとして掲げて覚悟を決め、塾と並行して作家を仕事にしようと思い、note以外ほとんど見ないような生活を始めたのでした。

『ポニイテイル』のリライトは、続く2か月ちょっとで無事終わり、新作『ヴィンセント海馬』を書き上げ、さらに新作『あら?!マドリ』も脱稿。小説と並行して、こうしてエッセイのようなものも、時間が許す限り書いている。思いついたときに数記事書いていた2017年と比較するなら、ぜんぜん違う。別人です。

でも——

根本的に変われたか? と自分に問うなら、正直そうでもないです。

たぶん、明日2018年5月17日に告知されるらしい、今年のcakesとnoteのイベントに申込をすれば、去年よりはずっと楽しめることでしょう。もしかしたら誰かと楽しく話せるかもしれない。スマホは絶対に忘れないLOFTも間違えない。でもなんだか、今の自分のままで行くのは最善手とは思えない

なんでだろう。
去年は、思いっきり軽い気持で行ったくせにね(笑)

渋谷でベコベコにへこんだおかげで、少しは書けるようになった。でもまだイメージしている執筆量の20パーセントだ。もっともっと、最善手を重ねないと。2018年の目標は何ひとつ達成できていないのだし、「まだまだだな、自分」という気持で、登壇者を見上げたくない。へこんだ気持を隠しながら、noteで知り合ったみんなと会うのはもったいない——

2017年、スマホを持っていかなかったことが、今のこの妙な緊張感というか、あり得ないくらい謎な危機感というか、創作への強い意識につながっているのであれば、もしかしたら、あの「スマホを取りに帰らない」という悪手は、私にとっては最善手だったかもしれない。

この文章を書き上げたら、マヨってる女の子のタイトル画像を作って、次の小説と、次のコンテンツを創ろう。この『最善手ドリル』は、なんとか月末までに仕上げよう。ひとまず、2018年にやろうと思っていることを、実現できるように集中しよう。

こうして執筆している今も、スキを押してくれた表示が、ブラウザのタブに数値としてときどき表示される。まだ見ぬ人たちに感謝でいっぱいだ。うーん。ちょっとした花じゃ済まないね。

ひどい悪手を指してしまった一日。最善手を見つけられたのに届かない日。繰り返す。繰り返す。でも目指すのはいつでも最善手。世界が少しでも、幸せな方向へ展開する最善手。2019年の今頃は、どんな気持でこの文章を読むのかな。予想もつかないです。

最善手:②スマホがない1日を楽しめばいいと考え、戻らず渋谷へ。

★8★へつづく

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