カツオノエボシという意外と知らない海の脅威

まず、このサイトに以下のような写真がある。

まあ、なんなく、猛毒とか、触手というキーワードがあり、ヒントとなりうるため、危険生物の一種だと予想がつくだろう。

だけど、この記事のサムネイルの写真のものに、もし、「何もヒントなし」に遭遇したとしたら、貴方はこの青い生物か、青いビニル袋か、青いビードロか、青いネックレスか、わからないようなものを見て、危険生物か安全なものか、判断がつくだろうか?

実は、この写真の生物はカツオノエボシと呼ばれる生物。

カツオノエボシと聞かれると、記事に猛毒か何かを持つ毒のある生物かと思われるかもしれない。だが・・・、次に、この生物の別名を言えば、「ああ」となるかもしれない。「電気クラゲ」というなのね。

そう、カツオノエボシは電気クラゲという別名を持つ、クラゲで刺されると、電気に感電したような痛みが発生するといわれている。

それが打ち上げられたのが、件の写真というわけ。

ちなみに、カツオノエボシがクラゲだと、はっきりと、写っている写真がこのサイトにある。

ここで、カツオノエボシ(電気クラゲ)とは何かというと・・・

生物の分類では、カツオノエボシは、クダクラゲ目・カツオノエボシ科に属する生物である。

カツオノエボシの由来はカツオが太平洋湾岸に到来する時期に流れてくることと、青にかかった透明の浮袋が烏帽子(えぼし)に似ていることらしい。

カツオノエボシの全長は1~10cm程度の大きさで、触手は長いもので、50cmにまで到達するといわれている。

カツオノエボシは、カツオが太平洋湾岸に到来する時期に流れてくることと言われているが、問題なのは、この時期は「海水浴のシーズン」でもあるということ。つまり、「海水浴場に現れる可能性」があるということである。

カツオノエボシに刺された場合はどうなるのかという話だけど、これがかなり厄介な話。

まず、カツオノエボシの触手には強力な毒があるといわれている。刺されると電気ショックを受けたような激痛が走る。

炎症を引き起こした患部には赤い痕やミミズ腫れが生じるといわれており、刺された痛みが数時間続き、場合によっては、数時間熱が出て、寝込むこともあるといわれている。

でも、実は、ここまでの話は、これから書くことに比べれば、「まだ、恐ろしい話ではない。」

実は、カツオノエボシの毒には、アナフィラキシーショックを引き起こす危険性があるといわれている。

カツオノエボシに二度刺されると、アナフィラキシーショックや血圧低下で意識障害が発生して、最悪の場合、死に至るといわれている。

このような恐ろしい毒だが、そもそも、毒の成分は何かというと、これはあるタンパク質性(もしくは、そこまで高分子ではないペプチド)であるといわれている。

カツオノエボシの毒には、このようなタンパク質でできた複数の酵素が混ざっているといわれている。

その中で、特にヒプトトキシンと呼ばれる成分に注意が必要で、この物質により神経麻痺を起こした後に、死亡する可能性があるといわれている。

ここまで、読んだ読者の中には、ならば、生きたカツオノエボシにだけ気をつければよく、陸に上がった死骸のついては、もう死んでいるので、毒も体の中で使われていないし、元々あったものは分解されているのでは?と思った人もいるだろう・・・。

だが、それが命取りになりうる。

カツオノエボシが死んだとしても、体内の毒は、すぐには分解されない。はっきり言って、体内の毒が残存している可能性が大きい。

死骸にも毒が残っている可能性が大きいので、砂浜に打ち上げられていたとしても、触ると、触手に刺されて毒をもらう危険性がある。

そういった生物。

とにかく、こういった生物とか、判断がつかないものを見かけたら、砂浜にいる時でも、およく時でも近づかないということが鉄則。

そして、事前に、海水浴場がある地区町村がなんらかの情報を出している可能性があるので、それをキチンと調べておくこと。

まずは、そういった対策が重要になるだろう。

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