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「美術」で振り返る2022年:その1(1月-3月編)

こんにちは。

今年も残すところ、あと数日。
 
この時期になると、今年1年を振り返ってしみじみといった方も多いのではないでしょうか?
 
1年の振り返り総括!となるとなんだか収集がつかなくなる予感がしたので、今年は「美術」という1つのテーマに絞った振り返りをしてみたいと思います。
 
というのも、振り返ってみて真っ先に感じたことが「とにかく今年は、美術にたくさん触れることのできた1年だったな」ということ。
 
昨年までは「美術に触れること=なんとなく特別なこと」といった認識がわたしの中にあったのですが、今年は良い意味で敷居を低く考えてみようと心掛けた(「美術に触れること=日常の一部」といったイメージに転換した)こともあり、結果として美術にたくさん触れることができたのではないかと考えています。
 
少し長くなりそうなので、3ヶ月毎にわけて振り返ってみたいと思います。

・1月-3月:その1
・4月-6月:その2
・7月-9月:その3
・10月-12月:その4

 
分けて尚長くなりそうな予感ですが、よろしくお願いします。


【2月】

「イスラエル美術館所蔵 印象派 光の系譜」
場所:あべのハルカス美術館(大阪)
会期:2022年1月28日-2022年4月5日

記念すべき今年最初の美術鑑賞。

妙に緊張しました。

しばらく会っていなかった友人にひさしぶりに会う時のような、あの楽しい緊張感。
 
昨年夏に同美術館を訪れた際、本展の告知ポスター(“当たり年”のモネ作品が見れる!といった心惹かれるキャッチコピーが添えられていた記憶)を目にし、期待に胸が高鳴ったのを覚えています。まさに“待ち遠しい”といった感じ。
 
1月末から2月半ばにかけて謎の体調不良(今思えばコロナに感染していたのかもしれません)が続いていたのですが、その病み上がりのタイミングだったこともあり、いつも以上に“楽しいセンサー”が過敏になっていたようにも思います。

クロード・モネ
〈ジヴェルニーの娘たち、陽光を浴びて〉

印象派(ルノワール、モネ、シスレー 他)や後期印象派(ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ 他)といった名立たる画家の作品が勢揃いした本展。

そんな中で、あまり馴染みのないとある画家の作品に多くの注目が寄せられていました。
 
その名も、レッサー・ユリィ
 
印象派の技法に学び、20世紀のベルリンで活躍した画家とのことで、わたしは本展でその存在を初めて知りました。
 
夜の街における光の描写が美しい絵が印象的で、思わず立ち止まって見とれてしまうほどの美しさでした。
 
“光の系譜”という本展のテーマにぴったりな、そんな作品。

レッサー・ユリィ
〈夜のポツダム広場〉

【3月】

「あまがさきアート・ストロール」
場所:阪神尼崎駅周辺(兵庫)
会期:2022年3月19日-2022年3月27日

尼崎市(兵庫県)の街を練り歩きながらアートに触れ合うことのできるイベントで、まさに散歩好きのわたしには“持って来い”でした。
 
今やシャッター街となってしまった商店街も会場の一部となっていて、ノスタルジックな雰囲気を感じながらの街歩きとなりました。
 
活気ある尼崎商店街、尼崎えぺっさん、石畳の続く風情ある寺町。
 
前職に勤めていた時に何度かこのエリア周辺を訪れる機会があったのですが、こんな素敵な街が広がっていただなんて知りませんでした。
 
尼崎の街の魅力を再発見できた、そんなイベントでした。


企画展「感覚の領域 今、経験するということ」/コレクション展「つなぐいのち」
場所:国立国際美術館(大阪)
会期:2022年2月8日-2022年5月22日

企画展
コレクション展

企画展では、展示室の入り口が閉ざされていて足を踏み入れることができないといったサプライズが序盤から待っていて、作品を観る前からとてもワクワクさせられたのを覚えています。
 
“経験する”と題されているだけあって、体験型の作品が目立っていました。
 
展示室の入り口が閉ざされていたのも実は作品で、鑑賞者がそびえ立つオレンジ色の壁を協力し合って押し進めるといったものでした。

飯川雄大
〈デコレータークラブ〉

その他にも、日の丸のような柄が印刷された大きな本を1ページずつ丁寧に捲る作品、立体視を利用した映像作品などが展示されていて、「美術=視覚芸術」であるという長きに渡って疑われようのなかった常識が、今確かに覆されようとしているのだなと改めて実感した瞬間でした。

コロナ禍で難しい時代ではあるけれども、こうした体験型の作品が充実していくのは喜ばしいことだなと思います。

名和晃平
〈Dot Array〉
今村源
〈きせい・キノコ-2022〉

コレクション展では、不意に目の前に現れたマーク・マンダースの作品に大興奮。

マーク・マンダース
〈乾いた土の頭部〉

昨年に東京都現代美術館で開催された「マーク・マンダースの不在」展に訪れることができず、いつか観たいなと思っていたマーク・マンダース。
 
生で観るマーク・マンダース作品は、写真や映像を介して観るそれとは段違いの迫力で、「ありがとう、国立国際美術館さん・・・!」と心の中で何度も唱えたくなるくらいの素晴らしさでした。

O JUNさんの作品
〈『花・TV・コップ』より〉
クリスチャン・ボルタンスキー
〈モニュメント〉

「美術」で振り返る2022年:その1(1月-3月編)、これにて終了です。

この後、その2・その3・その4と続く予定です。(果たして年内に振り返れるのか・・・!?笑)

ご覧いただき、ありがとうございました。

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