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画像1 書物の最後のページを閉じて建物を出る。空は優しい雲に覆われて、冷たくも暖かくもない風が吹いていた。大気は昼を失い、夜に溶け始めた。初めて足を向けた道は木立に縁取られ、小さな川へと続いていく。読み終えた本の世界。あちこちで、光に息を潜めていたものたちが、闇を纏う前の姿を見せていた。