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どうやってペットの死に寄り添うか


私の母は、84歳。
私の住んでいる分譲マンションの下のフロアに
母と猫が優雅に住んでいます。

数ヶ月前、母が突然、
夜中に私に電話をしてきました。
緊急事態に違いない。
慌てて、電話に出ると
 「お願い!死にそうだから早く来て!!!」
と悲鳴に近い口調です。

死にそうな母が
しっかりした口調で
しかもよく電話ができるものだと
疑問に思いながら
パジャマのまま
1分後には母の家に行きました。

そうしたら、
母は元気にウロウロしているじゃないですか。
ほっとしたと同時に
母の愛猫@チャオが
激しい嘔吐と下痢で
喘ぎながら、苦しさのあまりに、
家の中をのたうちまわっていました。
過呼吸ですごく苦しそう。
どうしてあげることもできません。。

どうしよう!!

私も突然のことで、
手が震えて緊急連絡先を探すことができません。


人というのは、緊急事態になると
冷静な行動がここまで取れなく
なるものだと実感しました。


そうして、ようやく深夜の診察を受けることができました。
癌でした。
進行していて手術は厳しく
治療を諦めました。
これは人間のエゴなのか・・・
苦しまずに少しでも長く生きてほしいと
思ってしまうのでしょうか。


毎日、痛みを和らげる点滴と栄養の点滴を打たれます。
手や脚は針の後で痛々しい。
入退院を繰り返しました。
そのうち、お水すら飲むこともできなくなって
そうして、自力でトイレに行くことも
できなくなって、さらに衰弱していきました。


自然に逝かせてあげる選択肢も
あったかもしれないけれど、決めるのは母です。
見殺しにできないと
毎日病院に通って無理やり
生命を維持させているように見えました。

この頃は、母も常に緊張状態で
安心して睡眠も取れなかったようです。

すっかり衰弱しきって
まん丸だった体も骨と皮になってしまったチャオに
また激しい痛みが襲ってきたようです。


もう残った力がないはずなのに
苦しむのはどれだけ辛いことなんだろう。

獣医に駆け込みました。
母の判断に迷いはありません。
たくさんの注射をされてきて
痛々しくなっている脚から
最後の注射が打たれました。
そうして、私たちの手の中で

 ゆっくり
 早く
 優しく
 静かに
 穏やかに・・・

チャオの心臓が止まっていきました。

チャオは、母や私たちのために
生まれてきてくれて
無性の愛情を注がせてくれました。
どうもありがとう。
この言葉しか出なかった。


愛するペットにとって何がベストな選択だったのか
そこに答えはないのかもしれない。
最善の選択を考えた
最後まで愛情を注いだ。

これだけで十分なのかもしれない。

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