【小説】sweet breakfast
カチャと食器が触れる音が聞こえ、カーテンから漏れる陽射しがまぶしい。重いカラダをひきずり薄目をあけて、盛大な寝ぐせに触れながらガチャリとリビングのドアを開けると、メイクをした彼女が甲高い声で笑顔を向ける、手には焼けたばかりのパンが2枚、あぁこの甘い香り、シュガートーストだ。
「おはよう!よく眠ってたから起こさなかった。」
赤い花柄のエプロンは先月プレゼントしたばかりで、忘れず使ってくれていることだけで、なんだか愛おしくて思わず頬がゆるむ。時計の針は11時を指していて、一緒