aillugib・あー子

aillugib(アイルギブ)という名前で、モンスターや妖精、立体のクリーチャーを生み…

aillugib・あー子

aillugib(アイルギブ)という名前で、モンスターや妖精、立体のクリーチャーを生み出しています。https://aillugib.wixsite.com/kumapuff 「くまポフ」は作品のひとつ。個性豊かな「くまポフ」たちの物語を綴ります。

最近の記事

「板チョコくまポフ」

くまポフの中には、名前を変えてみたよ、という子たちが時々います。 ジーンズくまポフは、昔はジーパンくまポフという名前でしたが、いつの間にか、変わっていました。 板チョコくまポフも、時々「チョコタブレットくまポフに変えちゃえば?」と言われるのですが、それだと僕じゃないな、と思ってしまうのです。 ラッテやミリナガ、メイズというお菓子メーカーがつくり、子供達にずっと愛されてきた板チョコこそが自分なのです。 薄い銀紙を破って、ぱきっ、ぱきっ、と手で折りながら口に放り込む、割った

    • 「ベルボトムくまポフ」

      「男はやさしくなければ生きる資格がない」 どこかで聞いたこの言葉が、ベルボトムくまポフの座右の銘です。 本を読んでみたり、優しいと評判の人を尾行したりして、やさしさとは何かを一生懸命研究しています。 それと同時に、男らしい見た目にもこだわります。 ベルボトムくまポフにとっては、男らしい見た目イコールベルボトム! ベルボトムがその名のように、ベルの形に広がっている、そのシルエットが大好きで、それに合わせて太いバックルのベルトをはめたら、次は金色の靴がはきたくなりました。

      • 「おかかおにぎりくまポフ」

        おかかおにぎりくまポフは、大先輩・梅干しおにぎりくまポフのことを、ずっと避けていました。 別にいじわるされたとかではなく、話したことすらなかったのですが、大先輩というだけでなんとなくうっとおしいな、と感じてしまっていたのです。 でもある日、大好きな場所である一級河川沿いの、青々とした堤防に体育座りをしていた時に、梅干しおにぎり先輩がやってきて、どっこいしょ、と隣に座りました。 おかかおにぎりくまポフは「え~なんで隣に座ってくんの~?」と思いましたが、そっけなく、どうも、

        • 「樹上のくまポフ」

          樹上のくまポフは、樹の上で暮らしています。 葉っぱが陽の光をさえぎり、柔らかな陰をおとしてくれ、みどりの香りがたちこめる。 そんな樹の上で眠るのは最高です。 だからついつい、太陽が昇って太陽が沈む間ずっと、まどろんでしまいます。 特にお気に入りの樹があるわけではなく、どんな樹でも気持ちよく眠れます。 古くて大きな樹と、まだ若くて枝も細い樹では自分の大きさを変えて、樹に負担がないようにしています。 赤い耳は、よく木の実と間違われて、小鳥に狙われるので、いつもは大体耳を折

        「板チョコくまポフ」

          「アソートクッキーくまポフ」

          アソートクッキーくまポフが大事にしてるのは「バランス」。 それぞれの個性がありつつも、全体的なまとまりがあって、だれも出しゃばりすぎず、だれも目立たないということのない、そんな場をつくるために一生懸命です。 チェッカークッキーにチェリーピールがのっかった絞りクッキー、ラングドシャに小さなメレンゲ菓子。 定番をきちんと大事にしながらも、新しいクッキーたちも仲間入りさせたい、アソートクッキーをもっとみんなに愛してもらいたい、といつも考えてます。 「この缶に入ってるクッキーっ

          「アソートクッキーくまポフ」

          「フォカッチャくまポフ」

          CIAO!Io sono foccacino ぼく、フォカッチャ坊やだよ。 フォカッチャってイタリア生まれのシンプルなパンのこと。 小麦粉とオリーブオイルと岩塩で出来てます。 昔っからみんなに愛されてるし、どんな料理にも合うし、平べったい丸形が可愛い、ってお皿たちにも歓迎してもらえたし、イタリア以外の国でも、とっても有名になった。 ぼくは、自分がフォカッチャくまポフでホントに嬉しいって思ってた。 愛されるのはとっても嬉しい。 でもね、愛されることが当たり前過ぎになったみ

          「フォカッチャくまポフ」

          「ギターくまポフ」

          ギターくまポフの口ぐせは、love &peaceです。 ぼろろろーんというギターをかき鳴らす音がすると、ギターくまポフがやってきたのが分かります。 ボロローン、ボロローン、そこからどんな曲が始まるのかと皆聞き耳を立てますが、いつまでも曲は始まらず、ボロローンという音だけが繰り返されています。 時々、ボロローンの合間に、Love &peace~と呟くような声が聞こえます。 口に出すべき言葉は世の中には多くはないけれど、love &peaceは誰かがいつも口に出していた方

          「ギターくまポフ」

          「ライオネラとくまポフ」

          ある日、くまポフは森で迷子になってるライオネラを見つけました。 オレンジ色のくまポフは、自分と同じ色のライオネラを見た瞬間に、ライオネラへの思いが溢れ出すのを感じました。 ライオネラもそう感じたのか、オレンジ色のくまポフをじっと見つめていました。 その日から、オレンジ色のくまポフとライオネラは、いつも一緒です。 いつも一緒なんだけど、くまポフがライオネラの気持ちを完璧に分かる、というわけでもなく、ちょっとギクシャクする時もたくさんあります。 でもやっぱり一緒にいると、

          「ライオネラとくまポフ」

          「ギンガムチェックくまポフ」

          ギンガムチェックって、なんて素敵なんだろう!ギンガムチェックくまポフはいつもそう思ってます。 薄い線ともう少し濃い線とが交差してとっても濃い四角が出来上がって、それの繰り返しで出来る模様の、なんてかわいいこと! ギンガムチェックくまポフは、自分がギンガムチェックくまポフに生まれて、本当に幸せだと感じています。 ノースリーブのワンピースやふんわり膨らんだギャザースカート、シンプルな開襟のシャツ。ギンガムチェック柄のそんなお洋服たちを目にすると、ギンガムチェックくまポフは立

          「ギンガムチェックくまポフ」

          「マフラーくまポフ」

          ひゅうっと、ある日、冷たい風が吹くと、マフラーくまポフはむっくりと起き上がります。 春風が吹き始めてからずっと、天井をみながら横になっていたマフラーくまポフですが、その日を境に起き上がり、いそいそと準備をします。 自分のマフラーを丁寧に洗ってお日様に挨拶させてあげて、葉っぱがどんどん落ち始めた樹の枝にマフラーを引っ掛けて、南へ向かう鳥たちの目印をつくってあげたり、仲良しの北風と「いよいよだね!」とハイタッチしたりします。 街のお店にでかけて、店頭に並び始めたマフラーたち

          「マフラーくまポフ」

          「落花生くまポフ」

          「ピーナッツくまポフなの?」そう聞かれるたびに「否。落花生くまポフだポフ」そう答える落花生くまポフです。 ピーナッツと落花生の違いは、殻がついてるかどうか、というだけで、落花生の殻をむくとピーナッツということになるのですが、落花生の形がとにかく素敵だ!と思ってる落花生くまポフは、じぶんの名前に並々ならぬこだわりがあります。 ひょうたんみたいな落花生の形も好きだし、ちょっといびつな形がまたさらにかわいいし、あみだくじみたいな殻の模様もうっとりします。 でも、もっと気に入っ

          「落花生くまポフ」

          「火星の輪くまポフ」

          土星には輪っかがあるけど、火星にはないよね。 そんな言葉を聞くたびに、火星の輪くまポフは、ウフッと薄く笑うのでした。 だけれど、何万年も大昔、火星には土星みたいな輪っかがありました。宇宙に出掛けた探査機により、そんなことが判明して、発表されました。星に興味のある人は、そうだったのか、と興奮して、そのむかしの火星の形を想像しました。 知ってるの、自分だけだったのにな、火星の輪くまポフはガッカリ。いえ、きっとガッカリしてしまう、と思ってたのに、実際は、嬉しくなりました。いえ、

          「火星の輪くまポフ」

          「お絵かきくまポフ」

          子どものお絵かきから生まれた、お絵かきくまポフは、白い壁や大きな紙を見ると、ムズムズします。 自分がそこにお絵かきしたくてムズムズするのではなく、小さな子どもをそこに連れてきてお絵かきをしてもらいたくて、ムズムズするのです。 特に4歳から7歳のこどものお絵かきが大好きなので、描けそうなスペースを見つけると、近くにいる子どもを呼んで、そこにお絵かきしてもらいます。 お出かけ先で、描けそうな場所を見つけたのに、クレヨンやペンがなくて泣いてる子どもには、ポケットから、その子が大

          「お絵かきくまポフ」

          「バゲットラブくまポフ」

          バゲットラブくまポフは、バゲットに入った切れ目、クープから生まれました。オーブンで焼かれてるうちにどんどん広がるクープとともに、くまポフも成長しました。クープがこんなにたくさんあるパンって、他にあるでしょうか?クープが作られるたびに、くまポフはワクワクします。いつもバゲットを抱えてるくまポフは、クープを顔に押し当てるのが、大好き。パンに出来た、クープのわずかな段差を感じると、胸に温かなものがこみあげます。だから、バゲットが好きでも、クープをおろそかにするひとが多いことに、悲し

          「バゲットラブくまポフ」

          くまポフのことについて・01

          遡れば2010年、この手で何かを創り出したい、と気持ちが定まったときに生まれた作品のひとつが「くまポフ」でした。くまポフの始まりは、大切な友人からのオーダーで、そのオーダーに応えて生み出したのが「くま形でポフポフしたもの」。私にとっては他にもたくさんある大事な作品のひとつだけれど、なぜかくまポフに人気が集中。くまポフを見てくれた多くの人が、自分もくまポフをオーダーしたい、と言ってくれたのは驚きでした。私が生み出したものだけど、よくわからないものに押されるように、くまポフをつく

          くまポフのことについて・01