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1日の陽性者2万人越え-ドイツにコロナ第三波が来ているワケ-

こんにちは。また間が空いてしまいましたが、ミュンヘンよりドイツのコロナ情報をお届けします。ドイツに住まわれている方、ドイツのコロナ状況に興味がある方の参考になればうれしいです。

ロックダウン

以前の記事でお伝えした通り、第二波の到来により再びロックダウンとなってしまったドイツ。前回よりもロックダウンする時期が遅れ、すでに約2万人/日の陽性者がでている状態だったので、ロックダウン後もなかなか感染拡大がおさまらず、ピークを迎えるまでに約2ヶ月かかりました。そのため、欧州の人々にとって大切なクリスマスの時期もロックダウンが続き、クリスマスマーケットや宗教行事も制限され、寂しいクリスマスとなりました。

以前ご紹介した病床占有率のサイトを見ても、12月には多くの病院のステータスが黄 (病床が残り少ない)、 赤 (満床) を示しており、第一波よりも医療現場が圧迫されていたことがわかります。

ピークが過ぎてからさらに2ヶ月たった2月末には陽性者数が1万人/日まで下がってきたため、ドイツではロックダウンの緩和・解除の時期が提示されるのではと期待されていました。しかし、現在以下のとおり第三波と思われる感染拡大が起きており、ロックダウン解除どころか一部緩和されていた措置が元の通り厳しい制限に戻されています。

クリスマスにつづき、そして去年と同様、ドイツ人にとって大切な行事のひとつであるイースターもロックダウンにより外出・接触制限が課されることになってしまっています。

5ヶ月間ものあいだロックダウンを続けているのに、なぜ陽性者が増えてしまっているのでしょうか?

やってきた英国型変異種

答えは英国型変異種です。

ロベルトコッホ研究所 (RKI) が出している変異種についてのレポートに興味深い結果がのっています。以下は3月31日発行のレポートに載っているグラフです。KWはKalenderwoche (カレンダー週) を表していて1月末 (KW 04/2021) から3月末 (KW 12/2021) までの陽性者のウイルス内訳を表しています。ピンクが今までドイツで感染を起こしていたウイルス。オレンジが英国型変異種です。

このグラフを見た後に陽性者数のグラフを見ると、全く違って見えると思います。つまり、1月末は既存のウイルスの感染が収束してきていたものの、3月末には新たな変異種ウイルスの感染が広がっているのです。

英国型変異種って何?と思われた方はこの動画 (英語)がわかりやすかったのでおすすめです。動画の結果だけお伝えすると「感染力が既存のコロナウイルスよりも高い」のが英国型変異種らしいです。

つまり、今のドイツは今までのコロナウイルスよりもより強い感染力をもった新型コロナウイルス=変異種が蔓延していて、現行のロックダウン措置では抑えきれずに感染が広がってしまっているということになります。

今後の予想

ロベルトコッホ研究所はコロナウイルスの状況に関して日報を出しているのですが、3月26日の予測では以下のグラフのように英国型変異種 (赤線) の感染が一気に広がる可能性を指摘しています。

本当にこの予想通り増えてしまうと第二波を超える感染拡大となってしまいます。その前におそらくロックダウンが強化されると想像しています。

3月30日の日報には感染場所に関する以下のグラフがありました。赤い部分が仕事場での感染状況を示しています。1月中旬からドイツでは企業に対してホームオフィスを推進する義務を課していますが、感染が増えて続けているため、この措置が維持されることになると思います。また、オレンジの部分はKindergarten (幼稚園) なのですが、この割合が1月末から大きく増えていて、既存のコロナウイルスでは感染しにくかった子供も変異種では感染する可能性が指摘されています。そのため、今後は再開された保育園や学校が再度閉鎖されるのではないかと思っています。

まだまだ厳しい状況が続きそうです。

ワクチン

変異種にも効くといわれているワクチン接種がスムーズに進むことが、唯一の打開策となりそうです。

こちらのページでは、ドイツ国内でワクチン接種がどの程度進んでいるのか見ることができます。12月末から始まった80歳以上/医療従事者のワクチン接種により人口の約5%の400万人は2回接種を完了。1回接種に関しては900万人が終えたようです。

EUはワクチンの調達に失敗し、米国や英国のように接種がなかなか進んでいません。どうにかワクチンが調達され、全員がスムーズに接種できる日が1日でも早くくることを願っています。

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