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ロマンスの欠片もない


有名人の結婚会見、必ずと言っていいほど

”どんなプロポーズだったのですか?”と、質問される。

サプライズをしたり、お洒落なレストランで思い出に残る言葉を贈ったりと手の込んだことする人も多い。私も女性なのでもちろん人並みに夢描いていた。大好きな人にある日指輪を差し出され「結婚してください」と言われることを。一生に一度の出来事はロマンティックを夢見るものだ。そしてやはり男性からの発信を待ちわびていた。漠然な希望を持っていた20代、実現する事はなく30代を迎えた。

35歳になった5月に結婚できた、相手は8歳年上の普通の人。

プロポーズはされず逆プロポーズした、3回も。
1回目は付き合うより前に「結婚したい」と言ってしまい、「結婚はそんなに甘くないよ」と当然断られた。
2回目は一緒に住む流れで結婚しようと思って「一緒に住むからって結婚する決まりはない」ときっぱり断られた。
3回目「結婚してください、結婚できなかったら別れるぐらいの覚悟です」と、脅迫めいたプロポーズをし渋々婚姻届けにサインをした。

何とも現実的(笑)

きっと多くの女性はたった1人の人に愛されて、大事にされたいと思っている。私の結婚生活にはほとんどないもの。理想とするものではないのかもしれない。

結婚式もしなかった、それが彼との条件だったから。結婚指輪はクリスマスに旅行した福岡で購入した8000円の指輪だった。高価とは言えないその指輪、お互いに左手の薬指に入れただけで”彼のもの”の証となって光っていた。それからというもの彼の左手を見る度にニヤニヤしてしまう。私にとっては高価な指輪に匹敵するくらいの価値があった。

誰もがお姫様になれる結婚。ウエディングドレスに身を包み、たくさんの知人友人に祝福されるのが女性の憧れだ。なぜか女性は結婚を最終ゴールの様に目標としてとびっきりの男性を探し続ける。私もそうだった。結婚したらそれは幸せの絶頂で温かい家庭に囲まれながら生活できるのだと想像していた。

まるで違う現実。

主人とはロマンスの欠片もない。あるのは繰り返しの日常。

それでも誰よりも私を知ってくれている相手との生活は居心地がいい。飾らないありのままで笑える空間がそこにある。

照れ屋な主人は愛の言葉を口にしない。だから私がたくさん伝えるようにしている。口にしないと伝わらないことはたくさんある、その時に湧き上がった感情をそのまま伝えるのは私の役目。

たとえ嫌々だったとしても、私の愛を受け入れてくれて本当にありがとう。描いていた結婚とは程遠いものになったけど、それなりに幸せだ。
おじいちゃんおばあちゃんになっても愛を語れるように私がロマンスを作っていくから。

どこまでも追いかけていくから覚悟してね。


妻より


最後まで記事を読んでくれてありがとうございました!