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イランのヘリコプター墜落が世界経済に与える影響(9)

 アメリカのバイデン大統領は『イランが国際社会から孤立している』と表現することがあります。彼はアルツハイマーの末期状態であると報じられており、既に裁判の責任能力がない状態だともされています。

 そのため、 #バイデン 大統領の発言を文字通りに受け取るのは如何なものかと思います。また、日本でも #イラン についての理解が浅く、『イランが国際社会から孤立している』と解説する評論家が少なからずいます。本日は、彼らの解説が誤りであることを論証してみます。

 国際社会から孤立しているかどうかの最も簡単な確認方法は、その国にどれくらいの数の大使館があるかを調べることです。世界にはナウルやバヌアツのように非常に人口が少ない島国もありますが、これらの例外を除けば、大使館の数はその国がどれくらい孤立しているかの重要な目安になります。

 大使館の数は時期や国際情勢により変動することがありますが、現在、イランには90カ国以上が大使館を構えています。90カ国もが大使館を構えている国はそれほど多くなく、大使館の数を知るだけで、イランが国際社会から孤立していないことが分かります。

 イランに大使館を構えている主要な国々は以下の通りです。

ヨーロッパ諸国:フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダなど、多くのヨーロッパ諸国が大使館を設置しています。

アジア諸国:日本、中国、インド、韓国など、アジアの主要国も大使館を設置しています。

中東諸国:イラク、トルコ、シリア、レバノンなど、中東地域の国々も大使館を持っています。

北アメリカ:メキシコのみ。

南アメリカ諸国:ブラジル、アルゼンチンなどの国々も大使館を設置しています。

アフリカ諸国:南アフリカ、エジプトなどの国々も大使館を持っています。

 このようにイランが90カ国以上の大使館を有する国であることは、G20国以外では極めて珍しい現象であり、イランが国際的に重要な位置を占めていることを示しています。以下にその理由を説明します。

地理的・戦略的な重要性

中東の要衝:イランは中東の中心に位置し、 #ペルシャ湾 #カスピ海 に接しています。この地域はエネルギー資源が豊富で、国際的な輸送路としても重要です。

ホルムズ海峡:イランは #ホルムズ海峡 を管理しています。この海峡は世界の石油輸送の約20%が通過する戦略的な海路であり、世界経済にとって重要です。

エネルギー資源

石油と天然ガス:イランは世界有数の石油埋蔵量と天然ガス埋蔵量を持つ国です。このため、エネルギー市場において大きな影響力を持っています。

OPECメンバー:イランは石油輸出国機構(OPEC)の主要メンバーであり、世界のエネルギー政策において重要な役割を果たしています。

歴史的・文化的な影響力

ペルシャ帝国の遺産:イランはかつての #ペルシャ帝国 の中心地であり、その文化と歴史は中東全体に大きな影響を与えています。

地政学的な影響

地域の主要プレーヤー:イランは地域の #安全保障 や政治において主要な役割を果たしています。例えば、シリアやイラク、レバノンなどの紛争においても影響力を行使しています。

核開発問題:イランの核開発問題は国際的な関心を集めており、多くの国がこの問題に関与しています。これはイランの国際的な重要性をさらに高めています。

経済的な潜在力

大規模な市場:イランは8855万人以上の人口を抱え、その市場は大きな潜在力を持っています。特に制裁解除後の経済成長に期待が寄せられています。

経済改革と多様化:イランは経済改革を進め、石油依存からの脱却を目指しています。これにより、長期的な経済的安定と成長が期待されています。

結論:イランが90カ国以上の大使館を有することは、その地理的・戦略的な位置、豊富なエネルギー資源、歴史的・文化的影響力、地政学的な重要性、そして経済的な潜在力に起因しています。これらの要素により、イランはG20国並みに重要な国と評価され、国際社会において大きな影響力を持っています。『イランが国際社会から孤立している』と表現する #ジャーナリスト #評論家 の意見は、あまり価値がないことが分かります。

つづく…

#武智倫太郎

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