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【映画解説】ソイレント・グリーン

 皆さんは半世紀以上前に作られた映画の『ソイレント・グリーン』をご存じでしょうか?  映画の楽しみ方や鑑賞対象を選ぶ方法には、テーマやジャンル、監督、原作者、主演俳優などさまざまありますが、今回は俳優の #チャールトン・ヘストン と、ディストピアジャンルに分類される『 #ソイレント・グリーン 』について解説してみたいと思います。

 1973年に公開された『Soylent Green:ソイレント・グリーン』は、アメリカの #SF映画 です。 #リチャード・フライシャー が監督を務め、 #ハリー・ハリスン の1966年の小説『Make Room! Make Room!:人間がいっぱい』を原作としています。主演はチャールトン・ヘストンのほかに、エドワード・G・ロビンソンやリー・テイラー=ヤングなどが出演しています。

 今回の『ソイレント・グリーン - デジタル・リマスター版』の上映は、『オメガマン:The Omega Man』のリメイク版(I Am Legend)のように別の監督や俳優が作り直したものではなく、画質や音質を向上させたものです。

 リメイクしなかったことが、『ソイレント・グリーン』の完成度の高さを示しています。 #サステイナビリティ #持続可能性 )の観点からは、現代がまさにこの映画の未来予測が現実味を帯びてきたと言えます。

あらすじ
『ソイレント・グリーン』は、2022年のニューヨークを舞台にした #ディストピア 作品です。1973年に公開された映画なので、2022年は公開から半世紀後の未来を描いた作品と言えるでしょう。

 この映画の舞台設定となっている2022年の地球(舞台はアメリカ)は #過剰人口 #環境破壊 、そして #資源枯渇 に苦しんでいます。人々は深刻な食糧不足に直面しており、主な食糧供給源は政府が提供する『ソイレント』という #ユーグレナ のような合成食品です。

 特に『ソイレント・グリーン』という新製品が大人気で、供給日には暴動が発生するほどです。

 主人公のサイモン・ソーン刑事(チャールトン・ヘストン)は、ソイレント社の上級幹部の殺人事件を捜査することになります。捜査を進めるうちに、ソイレント・グリーンの恐るべき秘密に迫ります。

主なテーマ
環境問題と過剰人口:映画は、過剰な人口と環境破壊がもたらす未来の危機を描いています。都市は人であふれ、資源は枯渇し、人々は貧困と飢えに苦しんでいます。

社会の不平等:富裕層と貧困層の格差が顕著に描かれています。富裕層は快適な生活を送り、特権的な食糧を手に入れることができますが、一般市民は基本的な生活必需品さえも手に入れるのが困難です。

倫理と食糧供給:映画の核心にあるのは、ソイレント・グリーンの正体に関する衝撃的な秘密です。この秘密は、人間の倫理とサバイバルのために何を犠牲にするかという問いを投げかけます。

評価と影響
『ソイレント・グリーン』は公開当時、大きな話題となり、特にその衝撃的な結末は多くの人々に強い印象を残しました。映画のラストで明かされるソイレント・グリーンの正体は、映画史に残る有名なシーンの一つとなっています。また、環境問題や食糧問題に関するテーマは現代でも共感を呼び、映画の影響は今なお続いています。

 現代でもさまざまな #映画 #アニメ で、『ソイレント・グリーン』がネタとして取り上げられていますが、『 #ザ・シンプソンズ 』のように、結末を言ってしまえば一瞬でネタバレしてしまうのが、1970年前後のチャールトン・ヘストン主演映画の特徴です。そのため、ネタバレさせずに解説するのは意外と難しいです。

チャールトン・ヘストンとは

 チャールトン・ヘストン(Charlton Heston:1923年10月4日~2008年4月5日)は、アメリカの俳優であり、そのキャリアは約60年にわたりました。彼は特に壮大な歴史劇や聖書劇での役柄で知られ、多くの映画で主演を務めました。以下に彼のキャリアと代表作について解説します。

キャリアの始まり:ヘストンはシカゴ生まれで、ノースウェスタン大学で演劇を学びました。1940年代後半に映画界に進出し、1950年代には主役級の俳優として注目を集め始めました。

代表作:一般的に代表作やチャールトン・ヘストンの三大名画と言えば、1956年の『 #十戒 』、1959年の『 #ベン・ハー 』、1961年の『 #エル・シド 』の三作品を挙げる人が多いでしょう。しかし、私にとっての彼の代表作は、1968年の『 #猿の惑星 』、1971年の『 #地球最後の男 #オメガマン 』、1973年の『ソイレント・グリーン』の三作です。

政治活動:ヘストンは俳優としての活動だけでなく、1960年代には公民権運動を支持し、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとともに行進に参加するなど、社会的な問題にも積極的に関与しました。また、彼は #全米ライフル協会 #NRA )の会長を務め、 #銃規制 に対する強硬な反対姿勢を示しました。日本人の大半はNRAを知らないかもしれませんが、NRAは世界最強の #ロビースト 団体の一つでもあります。

#アメリカ大統領選 の三大重要テーマは、 #経済政策 #医療・保健政策 #移民政策 です。それに続く重要なテーマが、堕胎を認めるか否か、銃を持つ権利を認めるか否かの二点です。三大重要テーマには様々な考え方があり、どのような政策を取ればどのような効果が得られるかは非常に判断が困難です。一方、堕胎や #銃規制 は認めるか否かの二者択一問題として捉える有権者も多く、政治経済についてあまり理解していない大多数の有権者にとっては、『銃規制するか、しないか?』のような分かり易い二者択一が焦点となる傾向があります。

 そのため、NRAが大統領を決めるとまで言われていた時期にNRAの会長を務めていたチャールトン・ヘストンは、政治に対する影響力が非常に強かったことが分かるでしょう。ちなみに、 #ヘストン は2001年の映画『PLANET OF THE APES:猿の惑星』に数分間だけ出演し、銃に関して死に際のメッセージを残すシーンがあります。

 ヘストンは1968の映画『PLANET OF THE APES:猿の惑星』には、人間の主人公として登場しています。

#武智倫太郎

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