架空生物　新種を発見しました (2)

【ハンハンコアラ】
24時間常に半醒半睡で母コアラの夢に浸かっており温もりを求めている。ペットとして飼えば寝ぼけながら飼い主に密着してくる。

【スケルトンアナコンダ】
丸呑みした獲物の姿が透けて見える全身半透明の蛇。過去に芸術家が成人男性を丸呑みさせて、恐怖に染まった絶望の表情を腹に浮かべるスケルトンアナコンダを作品として展示し大問題となった。

【クログロホタル】
光を奪い闇を生み出すホタル。時折り数百億から数千億大量発生して数日間辺りを暗黒で包み込み昼は訪れない。蛍光灯や電灯の灯りを点けてもすぐに光を奪われるため暗闇での生活を強いられる。

【黒鍵&白鍵】
宇宙を漂う巨大なクラゲ。惑星を包み込むことでその星の命を奪う黒鍵と、命を与える白鍵。互いの存在は知らない。いつの日か邂逅したそのとき、宇宙は変態する。

【チンシマイマイ】 ヒトを丸呑みして殻へ閉じ込める巨大カタツムリ。呑まれると全人類ひとりひとりの罪が全て脳内に流れ込み、膝を抱えた丸い体勢でそれらひとつひとつの罪をじっくり黙想し贖罪のため祈り続けることになる。終わらない消化が終わるまで。

【サンタックイ】
紅白の衣裳と帽子を身に着けて白い髭を蓄え失神したズタボロの老人を引きずって駆けるトナカイ。所々飛び散った血で染まっている。鼻は赤黒い。12月に仕留めた獲物を1年かけて喰らう。

【ムメイ】
姿が見えず触れることもできず誰にも存在を知られない。必ず天寿を全うせずに自死を選ぶ。「誰か私を見つけて」と鳴く声も届かない。

【ババカメレオン】 色が変化して背景に溶け込む発見が難しい大便を街中のあちらこちらにする。アフリカ大陸の或る都市で大量発生し一時大騒ぎとなった事件は有名だ。

「富士山より高い山発見！！」と思ったら……
【デカコブラクダ】

【幻夜孔雀(ゲンヨクジャク)】
長い間目撃されておらず絶滅したとも云われる大鳥。美しい黒の中で青や緑や白が細かく散り散りに輝きを放つ羽が、元々高額で取引されていたが現在はさらに高値がつく。地域により吉兆とも凶兆ともされる。

【ラルーシカ】 森の開けた土地全体に、低木にしては太く力強さを感じる、葉がない3m程の樹木が無数に生えている。そう見えるのだが其の実ここは世界最大の鹿の寝床で、地面の下で眠っており、樹木に見えるあれらは角である。

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