相場ひろ

クラシック音楽についての物書きです。

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最近の記事

偏愛の1曲:ドビュッシー《六つの古代碑銘》

ドビュッシー:六つの古代碑銘 第1曲:夏の風の神、パンに祈るために 第2曲:無名の墓のために 第3曲:夜が幸いであるために 第4曲:クロタルを持つ舞姫のために 第5曲:エジプト女のために 第6曲:朝の雨に感謝するために Hyperion, CDA68329 スティーヴン・オズボーン(ピアノ) ポール・ルイス(ピアノ) 録音時期:2020年3月22,23日  中学生の頃に冨田勲のアルバム《月の光》で初めてクロード・ドビュッシー(1862−1918)の音楽に触れて、フランスとい

    • 今日の1枚:ヴィヴァルディ《四季》ほか(リナ・トゥール・ボネ独奏)

      ヴィヴァルディ:四季 Op.8/1-4 ピアソラ:ブエノスアイレスの四季 Glossa, GCD924703  リナ・トゥール・ボネ(バロック・ヴァイオリン、指揮)  ムジカ・アルケミカ  クアルテート・アルケミコ  録音時期:2023年11月27-29日  ヴァイオリン奏者のリナ・トゥール・ボネは以前ラヴェルの室内楽作品を入れたアルバムが話題となりましたけれども、本業というか、メインの活動領域は古楽であって、ビーバーの《ロザリオ・ソナタ》やコレルリのヴァイオリン・ソナタ集

      • 今日の1枚:ブラームス、弦楽五重奏曲第1,2番(グリンゴルツ四重奏団)

        ブラームス: 弦楽五重奏曲第1番ヘ長調 Op.88 弦楽五重奏曲第2番ト長調 Op.111 BIS, BISSA2727 グリンゴルツ四重奏団 リッリ・マイヤラ(ヴィオラ) 録音時期:2023年6月5-9日  評論家吉田秀和がヨハネス・ブラームスについて書いた文章をまとめた本が河出文庫から刊行されています(『ブラームス』、2020年)。そこでは「ブラームスには、すぐれた室内楽作品がいくつもある」とした上で、弦楽四重奏にヴィオラをひとつ追加するという、モーツァルトの弦楽五重奏

        • 今日の1枚:コープランド《アパラチアの春》ほか(オクサリス)

          「アメリカン・アルバム」 コープランド:『アパラチアの春』組曲(13奏者のための) アダムズ:シェイカー・ループス(1978)(弦楽七重奏のための) マルサリス:ミーラーン(2000)(ファゴットと弦楽四重奏のための) Passacaille, PAS1154 アンサンブル・オクサリス  録音時期:2023年7月11,12日、9月10日  アーロン・コープランドが1944年に書き上げたバレエ音楽《アパラチアの春》は、舞踏家のマーサ・グラハムが自らのバレエ団が1930年代より

        偏愛の1曲:ドビュッシー《六つの古代碑銘》

        • 今日の1枚:ヴィヴァルディ《四季》ほか(リナ・トゥール・ボネ独奏)

        • 今日の1枚:ブラームス、弦楽五重奏曲第1,2番(グリンゴルツ四重奏団)

        • 今日の1枚:コープランド《アパラチアの春》ほか(オクサリス)

          今日の1枚:ブルックナー、交響曲第5番(シャニ指揮)

          ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 WAB.105(ノーヴァク版) ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団 ラハフ・シャニ(指揮) Warner Classics, 5419779201 録音時期:2021年8月24-27日  コントラバス奏者から指揮者に転じたラハフ・シャニは、2018−2019年のシーズンにロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任し、一躍脚光を浴びることとなりました。21年からはイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督にも就任し、26

          今日の1枚:ブルックナー、交響曲第5番(シャニ指揮)

          今日の1枚:フロラン・シュミット《サロメの悲劇》1907年版(アルティノグリュ指揮)

          フローラン・シュミット: 《サロメの悲劇》作品50(1907年オリジナル版全曲) チェロと管弦楽のための《悲歌》作品24 Alpha, ALPHA941 アンバー・ブレイド(ソプラノ) フィリップ・シュテムラー(チェロ) アラン・アルティノグリュ指揮フランクフルト放送交響楽団 録音時期:2021年1月、2022年6月  1907年5月、パリ・シャトレ座でリヒャルト・シュトラウス(1864−1949)の歌劇《サロメ》が上演され、たいへんな成功を収めました。芸術座(テアトル・デ

          今日の1枚:フロラン・シュミット《サロメの悲劇》1907年版(アルティノグリュ指揮)

          今日の1枚:ストラヴィンスキー《プルチネルラ》ほか(ユロフスキ指揮)

          ストラヴィンスキー: バレエ音楽『プルチネルラ』全曲 交響曲ハ調 オード トレニ:預言者エレミアの哀歌 変奏曲(オルダス・ハクスリー追悼) レクィエム・カンティクルス LPO, LPO0127 ヴラディーミル・ユロフスキ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、合唱団 アンハラッド・リドン(メゾ・ソプラノ) サム・ファーネス(テノール) マシュー・ローズ(バス) エリザベス・アサートン(ソプラノ) マリア・オストルコヴァ(メゾ・ソプラノ) ジョエル・ウィリアムズ(テノール) テ

          今日の1枚:ストラヴィンスキー《プルチネルラ》ほか(ユロフスキ指揮)

          今日の1枚:ジョン・ウィリアムズ、ヴァイオリン協奏曲第1番ほか(エーネス独奏)

          レナード・バーンスタイン:プラトンの「饗宴」による《セレナード》(1954) ジョン・ウィリアムズ:ヴァイオリン協奏曲第1番(1974-76) Pentatone, PTC5187148 ジェームズ・エーネス(ヴァイオリン) ステファヌ・ドネーヴ指揮セントルイス交響楽団 録音時期:2023年1月、2019年11月  既に御年90歳を越えた作曲家ジョン・ウィリアムズは、いまだ矍鑠としてウィーンやベルリン、さらには日本まで自作を指揮しに訪れ、コンサート・ホールを熱狂の渦に巻き込

          今日の1枚:ジョン・ウィリアムズ、ヴァイオリン協奏曲第1番ほか(エーネス独奏)

          今日の1枚:リスト&ジャエル、ピアノ協奏曲(ベンサイード独奏)

          マリ・ジャエル:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 フランツ・リスト:メフィスト・ワルツ第3番S.216、ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124 NoMadMusic, NMM119 セリナ・オネト・ベンサイード(ピアノ) デボラ・ヴァルドマン指揮国立アヴィニョン=プロヴァンス管弦楽団 録音:2023年  フランスでは近年、19世紀から20世紀前半にかけての女性作曲家の作品が多く蘇演ないし初演されて話題を呼んでいます。この流れは昨日今日の流行ではもちろんなくて、ここ数十年、探索と啓蒙を

          今日の1枚:リスト&ジャエル、ピアノ協奏曲(ベンサイード独奏)

          偏愛の1曲:ヤナーチェク《カプリッチョ》

          レオシュ・ヤナーチェク:左手と管楽のための《カプリッチョ》 EMI Classics, CMS2376062 ミハイル・ルーディ(ピアノ) チャールズ・マッケラス指揮パリ・オペラ座管のメンバー 録音:1995年6月  好きな作曲家をひとり挙げるならば誰?という質問に対しては答えようがないけれども、「こういう作曲家になりたかった、という人をひとり」ならば、私の場合迷うことなく答えはレオシュ・ヤナーチェクです。ヤナーチェクの音楽を初めて聴いたのは80年代初頭の大学生の頃、ちょう

          偏愛の1曲:ヤナーチェク《カプリッチョ》

          今日の1枚:ベンジャミン・ブリテン《春の交響曲》他(ラトル指揮)

          ブリテン: シンフォニア・ダ・レクィエム Op.20 春の交響曲 青少年のための管弦楽入門 LSO Live, LSO0830 サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団 エリザベス・ワッツ(ソプラノ) アリス・クート(メゾ・ソプラノ) アラン・クレイトン(テノール) ティフィン少年合唱団、ティフィン児童合唱団、ティフィン女学生合唱団(指揮:ジェイムス・デイ) ロンドン交響楽団合唱団(指揮:サイモン・ハルジー) 録音時期:2019年5月7,8日、2018年9月16,18日、2021

          今日の1枚:ベンジャミン・ブリテン《春の交響曲》他(ラトル指揮)

          今日の1枚:ラフマニノフ《徹夜祷》(パトラム・インスティテュート男声合唱団)

          ラフマニノフ:徹夜祷 Op.37(シーハン、ラザレフ、グレチャニノフ編、男声合唱版) Chandos, CHSA5349 エカテリーナ・アントネンコ指揮パトラム・インスティテュート男声合唱団 イーゴリ・モロゾフ(テノール) エフゲニー・カチュロフスキー(バリトン) アレクシス・V・ルキアノフ(オクタヴィスト) 録音時期:2022年6月23-25日  恥ずかしながら、ピアニストとして、あるいはピアノのための作品の作曲家としてセルゲイ・ラフマニノフを知ったのは、20歳を大きく過

          今日の1枚:ラフマニノフ《徹夜祷》(パトラム・インスティテュート男声合唱団)

          1曲の2枚:ストラヴィンスキー《ペトルーシュカ》(マケラ指揮&ロウヴァリ指揮)

          ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1947年版) ドビュッシー:バレエ音楽『遊戯』、ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲 Decca, 4870146 クラウス・マケラ指揮パリ管弦楽団 録音:2023年9月、12月 ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』組曲(1945年版)、バレエ音楽『ペトルーシュカ』組曲(1947年版) Signum, SIGCD856 サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮フィルハーモニア管弦楽団 録音:2023年5月18,21日  時

          1曲の2枚:ストラヴィンスキー《ペトルーシュカ》(マケラ指揮&ロウヴァリ指揮)

          今日の1枚:シューマン《幻想小曲集》作品73,《三つのロマンス》作品94,ブラームス、クラリネット・ソナタ第2番ほか(ミシェル・ポルタル)

          フランシス・プーランク:クラリネット・ソナタ ロベルト・シューマン:幻想小曲集作品73、三つのロマンス作品94 ヨハネス・ブラームス:クラリネット・ソナタ作品120−2 アルバン・ベルク:クラリネットとピアノのための四つの小品 La Dolce Volta, LDV96 ミシェル・ポルタル(クラリネット) ミシェル・ダルベルト(ピアノ) 録音:2021年3月2−5日  かつてフランスの音楽雑誌で「完璧な音楽家」と称賛されたこともあるミシェル・ポルタルは、クラシックのクラリネ

          今日の1枚:シューマン《幻想小曲集》作品73,《三つのロマンス》作品94,ブラームス、クラリネット・ソナタ第2番ほか(ミシェル・ポルタル)

          今日の1枚:デュリュフレ《レクイエム》ほか(レイトン指揮)

          デュリュフレ:レクィエム Op.9 プーランク:悔悟節のための4つのモテット Hyperion, CDA68436 スティーヴン・レイトン指揮ケンブリッジ・トリニティ・カレッジ合唱団 フロリアン・シュトルツ(バリトン) キャサリン・グレゴリー(メゾ=ソプラノ) ハリソン・コール(オルガン) ミルティーユ・エツェル(チェロ) スメイ・バオ=スミス(ソプラノ) 録音時期:2022年7月15-20日(デュリュフレ)、2021年7月31日(プーランク)  モーリス・デュリュフレ(1

          今日の1枚:デュリュフレ《レクイエム》ほか(レイトン指揮)

          今日の1枚:ファリャ《ペドロ親方の人形芝居》、チェンバロ協奏曲ほか(エラス=カサド指揮)

          ファリャ:歌劇《ペドロ親方の人形芝居》全曲、チェンバロ協奏曲 ストラヴィンスキー:《プルチネルラ》組曲 Harmonia Mundi, HMM902653 バンジャマン・アラール(チェンバロ) ペドロ親方:アイラム・エルナンデス(テノール) ドン・キホーテ:ホセ・アントニオ・ロペス(バリトン) 口上:エクトル・ロペス・デ・アジャーラ・ウリベ(ボーイ・ソプラノ) パブロ・エラス=カサド指揮マーラー室内管弦楽団 録音時期:2023年2月  パブロ・エラス=カサドとマーラー室内

          今日の1枚:ファリャ《ペドロ親方の人形芝居》、チェンバロ協奏曲ほか(エラス=カサド指揮)