【連載小説】「緑にゆれる」Vol.27 第四章
それから十五年。すっかり変わってしまった自分と、すぐ隣に寝泊まりしているあまり変わらない彼。
運命って、不思議だなぁ、と思う。
永遠の少女、か。もしも、そんな自分のまま、この状況になっていたら、もっとどきどきしたんだろうか。何かを期待したんだろうか。離れに、住みます? と、さらりと言えたのは、何もなかった過去から、これからも何もない、という自信があったからだろう。
そんなことを考えながら、二階の引き出しから通帳を出してカバンに入れ、玄関に鍵をかけると、自転車を引き