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文字を、ふと書きたくなった話。

ふと、考えると文字という文字を長い間、書いていなかった。


時たま自分でプロデュースした新しいプロダクトが出た時に、長めのコピーやテキストを書くという仕事上の物書きを除いては。


だが、今日は色々と、自分にとって「衝撃的なこと」があった記念すべき日なのであえて文字を書くことにした。


こんな時間に更新した理由は後述する。


IN YOU journalを創刊してからというもの、数年単位で編集長として数千記事という恐ろしい量の記事を、ひたすら読み漁っては添削し続けた。

正月すらも休みが無い状態で、文字通り365日毎日、4-6記事をコンスタントに出すというノルマを自らに課した。

社長をしながらも編集長を兼務した、ただがむしゃらに走ってきた2016-2019年という長い月日。

その甲斐あってか、当時ウェブメディアが多数登場した時代だったこともあり、IN YOU journalはその波に乗り、この業界内でもそれなりに知名度のあるウェブメディアとして注目され、所謂、著名な方が出演・対談したりすることが叶うような媒体へとも育った。

しかし、2019年に、実はとある私にとっては大きなターニングポイントがあった。

創業時からいた一番コアに関わっていた人が個人的な事情で割と突然、会社を脱退したのだ。

そこからIN YOUという会社は、良くも悪くも、変わった。

具体的には、タスクが増加したことにより、不本意ながら私はやむをえず”編集長”という仕事のほとんどを、事実上降りることになった。

それ以降、「昔の方が面白かった」などという心無い批判的な連絡もあった。

365日、私にとって休日という休日は数年間ほぼなかったし、海外出張や海外旅行、そして地元に行った時すら常にノートPCを肌身離さずもち、すきあらば取り出しては空港やカフェなど場所を問わず仕事をしていたものだ。

プライベートの大部分を犠牲にしてきた分、”楽しい”という気持ちも2-3割くらいはあったが、それ以上に「新しいコンテンツを出さなければ...」と、常に追われているかのような...、恐怖心に近い”存在”に襲われ続けてきた数年間。


ところがいざ、編集長という任務を事実上ほとんど降りた時、肩の荷が降りたというよりは「大切にしていた何か」を失った、そんな気分だった。

何かに追われてやってきた、と考えていたのは自分だけで、もしかするとあれは、「とてつもなく好きな仕事」だったのかもしれない、とふと思った。

そこから時はすぎ、2022年、11月の今。


3年以上、あれから月日が経過していたが、ふとInstagramを通じてフォロワーさんであり、かなり短期間ではあれど、当社で仕事をしていたと名乗る人から、1通の連絡を受け取った。


そこには、


松浦さんの発信される文章は、気持ちが伝わるのはもちろん、綺麗でとても心地よく感じます。


どうしたらそのような文章を書いたりできるのでしょうか?


といった一文が問われていた。

ー私の発信する文章・・。


一体、どんな私の記事を見ていただいたのだろうか?


過去のものだろうか。


見当もつかなかった。数年前を最後に、私の個人ブログの更新はしばらく止まっている。


久しく、文章という文章など、書いた記憶はない。


「記憶に残る文章」そんなものを書ける人間になりたかったし、もし仮に少しでもそれに近い何かを発信してきたのであれば、なんというか、これまでやってきたことに自分が知り得なかったもう一つの価値があったのではないかと改めて思えるかもしれない、そう感じた。


ふと不思議な1通の連絡を受け取って私は突然、仕事として意味をなさない「文字」を書きたくなった。


仕事として意味をなさないというのは定義として、「ビジネスには特に、何の役にも立たない」という意味である。


仕事に明け暮れてきた数年という長い期間。
気がつけば34歳になっていた。随分と年をとったものだ。


サービスや、ビジネスを培ってきた数年間、とも言えるけれど、別の言い方をすれば、時間を大量に失った数年間でもある。

その期間私は、「仕事として役に立つことならなんでもやる」というスタンスで、言葉を選ばないのだとしたら、特に好きではないことや、やりたくないことも含め、やってきた。

反対に言えば、ビジネスやサービスとって役に立たないことは極力回避してきた、とも言える。

ビジネスにとって意味をなさないことは、悪、と言わんばかりにだ。

これについては自慢じゃないが、我ながら他者と比べてもかなりストイックに取捨選択してきたつもりだ。

しかし、お察しの通り、それによって【膨大な何か】、それも複数のことを犠牲にしてきたことも事実だ。

「好きなことを仕事にする」

こんなワードが流行して記憶に新しいが、実は「好きなことを仕事にする」ことほど難しいことはない。


オーガニック、という分野で、私が愛してやまないカテゴリーで起業したからこそ断言できることだ。


最後にもう一度書いておくが、この記事には何の意味もない。


企業のブランディングにもならなければ、個人のブランディングにもならない。


これを読んだからといって誰かが、何かしらの当社の商品を買う、と言うことにもおそらくつながることはないだろう。


ただただこの場では、いち個人として「文字」を綴らせてほしい。

文字そのものを愛した身として、今夜だけは文字に向き合わせてほしい。

本来、起業家の発信としてはあるまじき内容かもしれないが、それをたった一晩だけ、許してほしい。

終わりに、今日は私にとってとても嬉しく素敵な1日だった。

というわけで今日はイレギュラーな回でした。

※この記事は、もしかすると気が変わり、削除するかもしれませんが悪しからず…。








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