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中1【プロジェクト:コンゴ民主共和国の医療保健改善に繋がる新規事業を提案せよ】が始まった

プロジェクト「コンゴ民主共和国の医療保健改善に繋がる新規事業を提案せよ」が始まった。といっても私ではない。参加するのは、我が家のZ世代中1のお姉ちゃんだ。

以前、友達になったSGDsのビジョンを掲げて活動する小学5年生の女の子の話を書いたけれど、彼女が海外インターンシップやプログラムを開催しているTiger Mov*というサイトを教えてくれた。年末に閲覧していたところ、中高生向けに、毎回異なるテーマにチームを組んで取り組むTOPPA**というプロジェクトがあるのを見つけて、我が家の中1のお姉ちゃんが参加することに決めた。

TOPPAはこれまで様々な分野での中高生向けプログラムを実施している。デジタルイノベーションコースでは、「デジタルヘルスケア新規事業を提案せよ」。ソーシャルインパクトコースでは、「気候変動緩和に貢献する
ビジネスアイデアを提案せよ」、STEM・ロボティクスコースでは、「病院の院内物流を改善するロボットデザインを提案せよ」など。今回、中1のお姉ちゃんが初めて参加を決めたのは、グローバルインパクトコース、「コンゴ民主共和国の医療保健改善に繋がる新規事業を提案せよ」プロジェクトだ。コンゴ民の妊産婦死亡・新生児死亡は日本と比較して数十倍から数百倍の差がある。この背景には、医療サービスの質・アクセスが悪く、必要な検査が十分に行われていないことがあげられる。アフリカのコンゴ民主共和国の医療保健改善に繋がる新規事業をチームで練り上げ、現地で活躍する日本発スタートアップ企業SOIK***に提案するのがミッションだ。

シンガポールに来た時は保育園の年長さんで6歳だったお姉ちゃんも、インター校のYear-9、今は13歳である。IB (International Baccalaureate (国際バカロレア))カリキュラムでは、プライマリー(小学校)からセカンダリー(中学校)に移るタイミングで、英語・数学・サイエンスの必須科目に加えて、自分で4つ専門教科を選ぶことになる。History(歴史)やGeography(地理)、Fine Art(美術)やMusic(音楽)など日本でも聞きなれた教科もあるし、語学(フランス語、中国語、スペイン語)なども選択肢にあるが、日本の中学校では聞きなれない科目も沢山ある。Psychology(心理学), Computer Science(コンピューターサイエンス), Design & Technology(デザイン&テクノロジー, Religious Studies(宗教学), Business Studies(ビジネススタディ), Global Citizenship(グローバルシチズンシップ)などだ。

中1のお姉ちゃんは、Fine Art, Design & Technology, BTEC Business, Global Citizenship, を選んだ。その頃から、世界の国と国との関係、政権の在り方、貧困とは何か、様々な人権問題、沢山の興味が生まれ、何よりもそれらを学ぶことを熱意を持って楽しんでやっているのが横で見ていて分かっていた。そうであれば、彼女の興味や好奇心や探求心を広げたり深めたりできる機会をもっと見つけてあげたいと思っていた。このTOPPAの話を彼女にしたら、すんなりと一緒に説明会に参加してくれて、その後二つ返事で参加すると言ってきた。TOPPAの方にも、日本から参加する中高生が多いけれど、海外から参加する子もいること、オンラインなので問題ないこと、ディスカッションをするグルーピングには日本語と英語の選択肢があること(我が家のお姉ちゃんは英語を希望していたので選択肢があるのはよかった)などの点を確認することができたので安心して参加を決めることが出来たのだと思う。

昨日の1回目が終わった後には、新しく得た知識、見たり聞いたりして学んだことを、一生懸命に話してくれた。コンゴでの妊婦検診がどう行われているかということ、看護師さんはそこそこいるけど医師が少ないこと、妊婦が産気づいた時運ぶタンカーは自転車二台の間にハンモックを吊るして運ぶこと、携帯というデジタルツールでの遠隔診察には500-700円もかかり、まだまだ多くの妊婦さんが診察を受けるにはコンゴでは高価であること、政府に認可されれば補助金が出てサービス単価を下げることが出来るが認可されていないこと。子供たちが新しい世界に出会って、その世界のことを目を輝かせながら話してくれる時間は何にも代え難い。初めて出会ったチームメンバーのこと(中1は一番年下なのでみんな自分より年上)も楽しそうに話してくれたので、チームビルディングについても関わり、学んでいける機会になればいいなと思っている。

好奇心と探求心があって、上手くいっても失敗しても失うものがなければ飛びこんでみたらいいという気持ちがあれば、学びの場は沢山あると思う。今回のコンゴの医療プロジェクトは始まったばかりで、これから3月まで続く。お姉ちゃんのプロジェクトを横で眺めながら、私もまた一緒に学んでいけたらといいなと思っている。

Tiger Mov*: https://www.tigermov.com/
TOPPA**: https://www.miraiing.com/teenagers
SOIK***: https://www.soik.co.jp/
アフリカ・コンゴ民主共和国の妊産婦死亡率削減に産科健診のデジタル化で挑戦するSDGsスタートアップ。コンゴ民の妊産婦死亡・新生児死亡は日本と比較して数十倍から数百倍の差がある。この背景には、医療サービスの質・アクセスが悪く、必要な検査が十分に行われていないことがある。このような状況を短期間で改善させるため、SOIKはスマホで完結するデジタル産科健診ソリューションを開発中。電気やインターネットへのアクセスが難しい貧困地帯にある末端の診療所においても、適切な産科健診が誰もが受けられる世界の実現に向けて、現地政府や医療従事者と共同して解決に取り組んでいる。