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即興お笑い小説『涙 & 涙』 #決勝でラスト60秒ネタ飛んじゃった! ★オチ☆

「て、エイジ!!バカお前ボケかっ?!笑笑 さっきから頭の中全部話しちゃってんじゃねえかよ!!」

て、俺の視界に何十年かぶりに真剣な顔をした彪斗が立ってた。

「マジか……?」

「アホ!!笑」

「どのあたり、から?」

「ボールギャグあたり……ぷぷ!」

「終わった……」

「あはは!お前の語り誰も止められなくてみんなもドッカンドッカンいってくれてるけど完全に!制限時間!とっくに過ぎてるわ!!」

「……。」

「ははは!お前が落ち込むの、ふふふ、久々に見た笑 俺たちの負けはとっくに決まってるけど笑 笑えたから別にいいよな!笑」

「うぅ……」

「噛んでるお前も久々だな!ガハハ!!だけど、ここに立ってる俺たちの責任、ちゃんとオチは決めようぜ?

あの日河原で最初に2人で投げたボール。

一緒に、

最後に、

これ投げようぜ!」

て、こいつは透明な球体 握りながら 俺に見せて 一つ ポイっと渡してきて、もう一つの球自分も胸から取り出して、それをさっきまでと同じように客席に向かって構えた。



「せーの!!!

ありがとうございました〜〜〜〜〜〜〜〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜〜〜〜〜!!!!」




俺たちは、漫画の見開きの対照的な 二人みたいに、片方はエースストライカーがゴール決めてギリ逆転泣き崩れて絶叫してるみたいに座り込んでそれは俺で、もう片方つまり相方は相変わらず天使のよう笑顔でくるくると舞うように踊りながら嬉し泣きを悲しいのに演じていたから幸せそうだった。

俺の何十倍もつらかったはずなのに 一度だって こいつが人前で闇みたいな感じを見せたことはなかった。

その証明みたいに光り輝くライトの中でグルグルとわけのわからない踊りでドッカン ドッカン 観客を踊らせた。

観客はそれでもドッカン ドッカン続けて 多分 AD とか スタッフとかは一応録画しとくけど どういう風にカットしようかな みたいな話し合いでザワザワしてて速攻で進行が決まって「優勝は『アウトビッチ』のおふたりです~~~~~!!」ってアイドルの進行役の女の子が叫んで『アウトビッチ』でさえ ドッカン ドッカン 「お前らが優勝だっ!!!お前らにやるーーー!!!」って叫び声をあげてくれてて俺たちただ2人そうしてそこにいて 全員が泣きたくて泣いてる 笑いたくて 笑ってる自分の言葉で 感想 叫んでる その会場眺めて、この景色はまるで あの日見た夕焼けがテレポテーションしてきて 別のものに変わったみたいだって思いながら



俺たち2人

小声で話した。



「ごめんね……何も見えなくなっちゃって……」

「わお。お前 一度も謝ったことないじゃん びっくり。しかも『ごめん』に『ね』付きがいいね!❤」

「はぁ……アホ……。お前が全部許してくれるから謝るタイミング皆無だっただけだわ……」

「それは逆にお前だろう? 人のせいにすんなよ笑」

「お前はいつもそう言うからな……。お前はそういうやつだよ……。あ、記憶戻ってきた……。さっきの準決勝、アドリブでお前が童貞なこと民放ゴールデンで勢いでネタバレして本当にごめんなさい……」

「え? 『ごめんな』に『さい』まで付けた!? いやいやあれはありがとうだよ!」

「はぁ?」

「周りの子たちも喜んでるよ! みんなオレとやってるんじゃないかって思われるから助かったって」

「はぁ……もう解析が追い付かねえわ……」

「このわかりたがり屋さん!❤」

「はぁ……でもなんでお前、俺とコンビ組んだんだよ?」

「え? お前今、俺に質問した?」

「質問を質問で返すぐらい驚くことかよ?」

「お前 ガキの頃から 俺に一度だって 質問したことなかったからいまちょっと嬉しい笑」

「誰かに質問されるの大嫌いなくせに自分はみんなの質問食べて生きてるモンスターだってことは知ってたけど、お前 わざわざ そんなこと覚えてんのかよ?」

「説明書みたいな奴笑 してくれたその通りだよ。ま、ガキの頃、お前のことが嫌いだったからだな」

「同感〜」

「自分のことしか話さねえし 最悪のやつだなと思ってたけど」

「共感〜」

「俺たち2人 喧嘩してる時 時間がスローモーションになるの 一緒だったりとか、だんだん話が合うな って思ってきて。『それは子供の頃に起こりがちな認知の特性なんだ』とか 小4のくせによく知ってんなとか面白いし俺は物知らないし 物知るつもりもないからこんな感じだけどお前それでも俺は俺のままでいいって感じが伝わってくるし」
 
「……」

「うちの親父が小5の時入院して、お前だけがお見舞いに来てくれて、

親父 平気で お前に嘘ついて、

『子供は葬式は黒い蝶ネクタイでくるものだからお前に小遣いあげとくわ』、

って、その意味 勝手に解釈して、

お前その小遣いの5倍はするめちゃめちゃ高い蝶ネクタイ買って葬式に来てくれたじゃん?

『あれ?!葬式で蝶ネクタイなんてめちゃ嘘じゃん!!』

て完全にボケてるふりして​。

家族葬だから、俺しかいないのに……」

.

.

そうか……。

だからお前、

蝶ネクタイした

バニーちゃんの、

ネクタイだったんだな……。






俺は記憶がなくなるぐらい泣き続けいろんなことが曖昧なまま気がついた時には こいつの隣、控室にいた。

俺は決勝にだけしめた黒いネクタイをゆっくりとほどいた。



俺たち二人のこの決勝は尺の関係でまるまるオンエアはされなかったけれど番組側が面白いからとYouTube枠で完全版を放映したり それを見てた人たちがドッカン ドッカン 拡散したりして なんだか話題になったので結果優勝のそれと同額の金を得ることはできたけれど 俺たちはそれを全部 友達や好きな人たちに配ってその時 みんなで美味いもん食って色んな話ししてそれで締めた。



俺たちは目的を果たしたんだ。



未来から過去に

ツッコミを入れるみたいに、

未来を作るために

優しくボケながら、



そこから湧き上がり

光り輝く笑いだけで、




俺たちは虹を


描いたんだ。






.

.

.

『涙 & 涙』

#決勝ラスト60秒ネタ全部飛んじゃった

オチ



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