ブックウォーカー読み放題で読んだおすすめ小説 vol.5

ブックウォーカーの読み放題で読んだ小説の感想をまとめてます。

剣や魔法が出てくる小説ではなく、現代を舞台にした小説を読んでます。
日常の謎解き系やご当地ものの小説が多めです。
ごはんがおいしそうな小説も好きです。

メンズフロアの王様/菱田 愛日

望んだわけでもないのに高級デパートのメンズフロアに配属されてしまった小梅。しかも上司になるはずの店長は、見た目も接客も完璧なのに店員にはどこまでも厳しい『メンズフロアの王様』で…。

めちゃくちゃおもしろかったです。
王様こと翔店長、腹心のような松本さん、愛されキャラの守くん。三人のキャラクターが最高で、あっという間に読んでしまいました。
翔店長がかなり魅力的です。

作者は今も現役でアパレル店員をされている兼業作家さんとあってか、デパート内部の様子もなかなかリアルでした。
実写化してもおもしろそう。
ドラマや映画を見てるような疾走感がありました。

黒猫シャーロック ~緋色の肉球~/和泉 弐式

愛猫の死をきっかけに一人暮らしをはじめた僕。猫と関わるのがつらくなっていた僕の前に現れたのは、曲がったしっぽを持つ偏屈な黒猫。子どものころから猫の言葉を理解できた僕は、黒猫の「暇つぶし」である謎解きに関わっていくことに…。

黒猫シャーロックはまさにホームズそのもの、ワトソンである僕は左足にけがを負っていたりと、細かいところまで本家をなぞっていて楽しく読めました。
元ネタを知っていると思わずにやりとする展開ではないでしょうか。
またたびにじゃれるシャーロックには笑いました。

天然石ねこまち堂は坂の上/水沢 あきと

高校進学を機に叔父の瑠璃が営む天然石の店・ねこまち堂に下宿しはじめた鈴。店主の瑠璃の愛想のなさに振り回されつつも、石にまつわるふしぎな体験をすることに…。

ほのぼのしたタイトルとは裏腹に、ねこまち堂の店主である瑠璃さんはかなりの硬派。バイクを乗り回しかつては地元で有名な不良だった、というギャップが好きでした。
主人公の鈴のまっすぐなところも瑞々しくて、さわやかな小説でした。
あちこちに出てくる猫たちがかわいらしくて癒されます。

僕を導く、カーナビな幽霊/伊原 柊人

生まれてはじめて車を買った悠人は、自分を変える一人旅を計画する。いよいよ出発というその日、車についていたカーナビがしゃべりはじめ思いもよらない事件に巻き込まれていくことに…。

かわいい表紙のイラストとは裏腹に、意外と硬派なお話でした。
カーナビに憑依した美桜さんとのドライブは楽しくもあり、事件そのものの展開はスリリングでもありました。
最後まではらはらしておもしろかったです。

八百八寺の風鈴屋/石崎とも

兄弟二人で営む風鈴屋。技術はないけれど接客が大好きな兄の和真と、職人気質で無口な弟の隆司。悩みを抱えたお客さんがやってきたときだけ鳴る風鈴の音を頼りに、訪れた人を笑顔にするべく奔走する二人。今日もまた風鈴の音が鳴り…。

兄弟二人のふざけたやりとりが楽しかったです。近所の人たちも個性的な人が多く、町全体があったかな雰囲気です。
一つ一つのエピソードが次へつながっていくところも好きでした。

舞台は京都ですが、京都の雰囲気はあまりないかも。
風鈴そのものよりも、ご近所さんとのばたばたな空気が印象的でした。


***

今回の5作は個性強めな登場人物が多かったです。
キャラクターに引っ張られてどんどん読み進めました。

次はどんな5作になるかな~?

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